つい先日、夫婦別姓訴訟というのがあったらしい。
ながら聞きのラジオでしか知らなかったので調べてみた。
・yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151217-00004071-bengocom-soci
最高裁判所のHPに判決文があるとの事だったので探してみた。
・平成２６年（オ）第１０２３号 損害賠償請求事件
平成２７年１２月１６日 大法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/546/085546_hanrei.pdf
法律家でもないし、面倒くさいので判決文は読んでない。
yahooニュース記事のみナナメ読み。
まぁこの裁判は、この裁判としてあまりつつこうとは思わない。
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で、ここ数年、時代小説をよく読んでいる。
ちょっと前までは、司馬遼太郎なんかの幕末・戦国ものが好きだったけど、
最近は藤沢周平とか池波正太郎とか、
江戸の庶民や武家の暮らしを扱った人情噺？的なのが面白い。
よくある設定が、
武家ならば、次男・三男坊は家督が継げず、厄介者扱いされるとか、
親父が派閥争いに巻き込まれ、不祥事の責任を取らされて切腹＆一家取り潰しとか。
商家ならば、一代で築き上げた身代が、どうしようもない放蕩息子のせいで
借金の片にやくざものに脅し取られるとか。
どの噺にも共通しているのが『家』という考え方で、
ともかくも昔の人々は、家名を後の代に引き継ぐことのみを重視して
生きていたことがよくわかる。
それは、大名であれ、旗本・御家人であれ、田舎小藩の下級武士であれ同じことで、
問屋株を持つ○○屋という屋号のある商家においても同様。
当時は、武家でなければ苗字なんてものはなかったので、
こういう話は、農民や職（工）人の噺には出てこない。
武家や商家の婚姻の実態がどうであったかというと、
基本的には、実子・長男に嫁を娶って家を継がせる。
それは、『氏』だけでなく『名』も継ぐということを意味し、
何石何人扶持という俸禄も継げば、『職』も継ぐ。
商家も同様に身代を継いで『八代目相模屋長五郎』とかになる。
知人に、造り酒屋の家系の方がいたが、
数年前に、下の名前が古めかしい名前に変わっていた。
聞けば、先代がなくなったので襲名したとのこと。
公式の文書でも名前が変わっていたので、
もしかしたら戸籍上も名前が変わったのかもしれない。
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ところで、長男坊も次男坊もいないという家はどうするかというと、
娘がいれば、婿養子をもらう。
当然、婿殿の苗字は変わる。
娘がいないとどうなるかというと、
家を継ぐことを前提に、血縁者などから適当な男か女を探してきて、
まず家の養子にし、
その後に（といってもほぼ同時）嫁なり婿なりも用意して婚姻させる。
血縁者がいなけりゃ、当主が気に入れば、誰だって良かったみたい。
つまり、亭主も奥も、元の苗字を捨てて、
入った家の苗字を名乗ることになったらしい。
うちの奥さんの祖父と祖母にあたる方は、二人とも、
家を継ぐことを前提に養子縁組されたとのこと。
生きてたら１００歳くらいだから、８０年位前、昭和初期くらいまでは、
『家』とか『氏』というものはそういうものだったということだ。
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民法750条で夫婦同姓という規定は、どういう背景からでてきたのだろう？
『夫婦同姓であるから、家族であると思える』
という考え方は、本末転倒という気もする。
元々は『家』を継ぐ為に、『氏』も継ぐわけで、
云ってしまえば、女房・子どもらには『氏』はない。
というより、女房・子ども・年寄りは、○○の家の××さんと呼ばれていたわけで、
外に出て、『氏』を名乗る必要もなかったのだろう。
『氏』は『家』そのものであり、職業であり、歴史であったわけだ。
『苗字が変わることで喪失感がある』
というのも妙な話で、歌舞伎役者や落語家が、
古い名跡を襲名して『名前が変わったので喪失感がある』
となるかというと、そうは思わない。
いや、思うかも知れないが、それは納得づくのことだと思う。
造り酒屋の知人も、名前が変わって困ったという話も聞かない。
ただ、これらの人達は、仕事の上での必要もあって、氏名を変えているので、
世の女性たち（一部男性含む）が感じている喪失感はまた別物なんだろう。
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洋の東西はあれ、『氏』というのは継ぐべき『家』があった時代に、
その必要があって世の中に広まったものと思う。
ところが現代はというと、
長男坊でも、家を継がずに都会に出てくる人もいるし、
何十年もまえに核家族時代に突入して、
家系や累代の墓を守る人も極めて少ない時代になった。
以前の職場にいた先輩が、広島の方で、当時４０歳くらいだったが、
夏の帰省明けに
『もう墓守できる人間もいないので、長男として墓石背負って帰ってきました』
と茨城に骨を埋める覚悟をしていたし、
かく云う我が家も、元は東海地方の出らしいが、
祖父の代には京都に住んで、親父は東京に暮らした。
数年前にみつけた古めかしい写真で、三重の山奥に累代の墓があることを知った。
それはもう藪だらけで、半分土に埋もれたなんの手入れもされていない状態だった。
知らない顔の親戚らしき人と若き日の我が父が一緒に写っていた。
でもって、我が父は、１０年ほど前に埼玉のどっかに別の墓をこさえているのだが、
当然、私自身、三重にも埼玉にも墓参りに行ったことなぞ無い。
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夫婦別姓に賛成する人、反対する人。
その意見の多くは、感情的なものが多いのではないかと思う。
昔から、氏を捨てて養家に入ったのは、
女ばかりではなく男も同様で、
彼らは『家』そして『職業』をついでいた。
ところが今は、
職業は継ぐものではなく、自分自身が身につける時代。
結婚も、親が選んだ人でなく、自分で選んだ相手と籍を入れる時代。
いってしまえば『婚姻の自由』と『職業選択の自由』が
『家名』を引き継ぐ必要性をぐぐっと押し下げてしまったような気もする。
それはそれで、いいのか悪いのかわからないが、
『家名』の必要もなく、職業を自分で身につける、
という生き方は、およそ武家や商家の生き方ではなく、
農民や職人の生き方に近いのではなかろうか。
と、ここまでダラダラ書いてきたら、
もう、いっそのこと、当時の農民・職人を見習って、
苗字もなくしてマイナンバーと下の名前だけにしちゃえばいいのじゃないか？
と思えてきた。
yahooの記事によると、最高裁は、国会に丸投げしたようである。
司法も立法も、近頃は感情的な仕事をしている風潮があるが、
物事の成り立ちや、現在の社会状況をよく踏まえたうえで、
現実に即した判断してくれるといいんだけど・・・。
まぁ実際は、カネになるかどうかってとこの方が重要なんだろう。
同姓でも別姓でも、景気がよくなる（役人や政府の懐が温まる）わけでもなけりゃ、
だらだらと先延ばしにするのが、世の常だ。
時代小説はやっぱり面白い。
ihara1990さん、こんばんわ。
原告の一人の方のインタビューを
テレビで少しだけ見ていましたが、
あまりにも個人的かつ感情的過ぎて、、
ああ、、家制度の崩壊も、夫婦別姓も
裁判制度も平和で豊かな社会の賜物なのだなぁと。。
ほのぼのした気分で聞いていました。。
かたやまさん、こんばんはー。
まったく長閑な時代です。
我が家にテレビが無くってよかったですわ。
平等ビョードー、権利ケンリーで個人主義の時代です。
家制度は崩壊の一途ですね。
けれど、辛い時代がまた来ることがあれば、
家の大切さというものも身に沁みて実感することになるのでしょう。
メンドクサイ内容の日記にコメントありがとうござました
墓石背負ってきた人いるの？
墓石は古いのがいいなあ。最近のはツルツル綺麗すぎて全然趣味じゃないです。小さめでザラザラしていて、苔の生えたような、裏庭に置いとけそうなのが欲しいです。野の花供えるとサマになりそうなのがいいです。
最近読んでいる名前の由来の本で、太郎とは長男のことだと知りました。八幡太郎義経は、八幡家長男の義経って意味だったそうな、もともと。蔵之介や半蔵の蔵、とか権八の権とか、ドラえもんの右衛門とか、人気の漢字はもともと守護や大名の役職名なんだってさ！面白いですねえ。古書だけど。
別姓の原告席に、知ってる人いました。
ハカイシ。冗談交じりでいってたので真偽のほどは不明。なれど心意気は本心でしょう。
三重にあるはずのihara家累代のハカイシは、よねさんの理想に近かったですよ。路傍の碑みたいなイシでした。あれなら運搬できそうです。とはいえiharaの家は近年神道系だったせいか墓も位牌もなく、実家の神棚に累代の柱を祭ってました。盆暮れ彼岸の墓参りはしたことないですが、月に２回は新しい榊を供えて拝礼している父がいました。
ところで坊主の子とか神主の子ってこむづかしい名前多いですよね。あれは経典やら八百万の神々から一文字とっているのか。
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