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試験会場は志賀高原 午前4時に自宅を出て8時に到着。1600mの標高は9月末で既に紅葉が始まっていました。
集合時間の1時間ほど前につきましたが、既に車で会場入りした数台の車が会場のホテルの駐車場に停まっていました。
後で聞いて驚いたのですが、前日の夜に到着したものの建物の中に入れてもらえず、車の中で一夜を過ごしたそうです。ホテル側としては当たり前の対応なのでしょうが、少し可哀そうだな思いました。
さて、時間となってフロントで受付を済ませると部屋の割振りを教えてもらいました。
宿泊料は9800円 検定員が経営しているホテルなのでオフシーズンのこの時期としてはお安くなっているようです。
案内されたのは3名相部屋。他の2名の方は20代、30代の方で、気さくで直ぐに打ち解けることが出来ました。荷物を降ろすとすぐにロビーでブリーフィングが始まりました。
まずは検定員の紹介と班の割振りです。1班6名で1検定員となります。登山ガイド1、2 それぞれ職能に合わせ班が構成されているようでした(つまり混成の班は無し)。定員一杯の24名の参加でした。
驚いたことに、検定員で山岳スキーヤーの佐々木大輔さんがいました。夏に涸沢フェスでお会いしたばかりだったので勝手ながらご縁を感じてしましました。
残念ながら、自分の班の検定員ではありませんでしたが、このようなお仕事もやるのだなと思いました。
自分たちの班の検定員は高村真司先生です。正直、お名前は存じ上げなかったのですが、この方、この世界ではなかなかの重鎮と後々知ることになるのです。
検定上の注意(検定中のSNSへのアップはNGなど)と検定員の自己紹介が終わると、
後は各班に分かれての行動となります。
事前に配布された装備一式を身に付けて、検定員に指定された場所に集合します。
実は今回の検定ですが、台風が接近しており最終日、終了予定時刻(翌日15時ごろ)までやると公共交通機関が止まってしまう事が想定されるという事で、2日目の午前中までに完了する旨、検定員から説明がありました。実際はさらに前倒して午前10時に終わるのですが・・・
それもあって、本日中に全ての科目を検定しなければならず、スピードを求められました。場所も本来ならホテルからある程度離れた場所で各班バラバラになって行うと思うのですが、今回はホテル近辺で各班、目に入る場所で行いました。
最初に検定員から「落そうと思ってガチガチに見るつもりはないけど、しっかりやって欲しい」といわれ少し安心しました。
我々の班ですが最初は、ロープの基本的な扱い。 エイトやボーライン、ヒッチなどを「はいやって」と言われ、目の前で見られます。 末端処理の余りロープの長さや、ガースヒッチの縫い目の位置など、色々指摘を受けながらも一応一通りは指示通りにこなせました。
次に、横方向のフィックスロープです。事前の情報では5分程度で張らなければいけないのですが、自分は倍の時間かかった気がします。(汗)
一応、教科書通りに張ったのですが検定員からこれは検定外ですと前置きがありながら「こうやってやる方がもっと効率的」と技術指導も受けました。
山の世界ではそれぞれの山岳会や個人でやり方、流派があるようで間違いではないが、こうやると良いみたいなことをよく言われます。指導する検定員も「流派があっては行け人だけどね・・」と苦笑いです。まあ、色々なやり方を経験する上では勉強になりました。
班員の中にはスムーズに作業できない方も見え、時間がかかったので午前中はここまで、
各自用意したお昼をホテルの中で取りました。 検定員の方も近くに見えたので色々話したのですが、なんと来月(10月)南極観測隊として南極に行くとのこと! 人生で初めて南極に行く人に会いました笑
ガイドの技術を使い研究員の安全確保などバックアップ要員として参加されるとのこと
登山技術がこんなところでも役立つのだなと感心しました。
さて、午後からはツェルト張りです。 これも教科書通りに張りました。ポイントとしてはピシッと張れるかどうかでしょうか。ペグ代わりに木の枝を探して使いました。自分はガルダ―を用いてテンションをかけました。
その後、ムンターを使った引き揚げ、引下げ 検定項目ではないですが、ロープの投げ方
などを行いました。(絡まらずに綺麗に目的まで投げられるか)
その後、崖地を利用して、実践的な講習を受けました。
横方向のフィックスや二人同時の引きおろしを実戦さながらに行いました。
公園で何度も練習しましたが、実践となると勝手が違い、都合のいい樹木や足場が無く苦戦し、何度か検定員から指摘を受けながら技術を学びました。
辺りが暗くなるまでみっちりやりましたが、結局時間切れで検定項目であるザック搬送が出来ず、翌日に持ち越しとなりました。
ホテルに入り着替えを済ますと夕食です。会場がホテルなので夕食は洋食。お上品にいただきました。特に焼き立てのパンが美味しくお代わりを何度もしてしまいました。
夕食が終わると夜の講義が始まります。と言っても各検定員から色んな話を聞くだけです。でもこれが楽しく、検定員の人柄、体験などこれから経験するだろう?事についてご教授いただけました。ただ、最初の話でこの世界だけで食っていくのは相当難しいよ と釘を刺されたのは、現実問題として日本の登山界のこれからの課題を提起されたように感じました。
1時間ほど拝聴し、質問コーナーが終わると、いよいよお酒の登場です。ここまでくると最初は見知らぬ同士だった班員もだいぶと打ち解けていて、検定の先生も交えて色んな話をしました。
検定を受けに来た各人の素性やガイドを取ろうと思った理由、資格取得後の活動など参考になることや、驚く事ばかりで楽しかったです。同じ試験を受けて苦労を共にした分だけ、結束力も出来て、ラインを交換し、今でも近況報告をし合う間柄になっています。
実際、筆記試験は別として検定の日程、場所は同じところが多いので一度参加すると何回も顔を合わせることになります。
10時ごろまでおしゃべりをした後はお風呂に入り就寝です。
寝るまでにも先程の飲み会からさらにディープな話をお互いし合い、ホントにこの検定は検定だけが目的でない事を実感しました。このつながりがガイドを始めてからもお互い助け合う基礎となるのだと思いました。
翌日、残っていたザック搬送に加えツエルトを使ったタンカ搬送、引き揚げ引下げを行い10時ごろまでに全ての検定、講習を完了しました。
初日に連絡があった通り、台風の接近を考慮し早々に解散し皆帰路につきました。
後で知ったのですが、それでも長野から関西に行く電車が計画運休し結局その日も長野に停まるはめになった方も見えました。
検定試験という事で、緊張しましたが事前の練習のおかげで何をやったらいいのかわからなくなるということは無かったです。しかし、自分的には検定項目は100%完璧にこなしたかったですが、検定員からの指摘などがたくさんあり、60%程度の出来でしかなかったように感じました。
この検定は、ただの検定ではなく今後の人間関係も含めて極めて重要なものであると感じました。みなガイドのタマゴとして不安を抱える中、話し合う事で不安の解消や職業としての仕事の幅を広げる場でもあると思いました。
後日検定結果をみんなに聞いたところ、全員合格でした。正直このレベルだとマズイだろ・・・と思っていた人も合格していたのでやはり落とす検定ではなく、技術を教える検定の比重も大きいと感じました。なので皆さん自信を持って受けていただければと思います。
さて、安全管理検定が終了したので次は無積雪期ガイドの検定です。
続きは、また次回!
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