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9月の下旬に登山ガイドⅠの安全管理検定を受験し、なんとか合格をいただいたので、残るは無積雪期ルートガイディングと危急時対応講習です。それぞれ試験日程と開催地を調べてみると、3月の危急時対応講習(関西)の選択が現実的(宮城とか遠いですからね・・・)であるとわかりました。
無積雪期ルートガイディングについては開催は9月上旬で既に終了しており、残念ながら翌年を待つか、若しくはもう一つの方法、「ガイド講習」を受けるしかありません。
このガイド講習は、2泊3日で講習を受けながら同時に検定を行い、合格することができれば検定が認定(免除)されるものです。お金の面から言えば、本来無積雪期ガイディングの協会試験は受験料30000円+宿泊費+交通費ですが、ガイド講習は45000円+宿泊費+交通費+認定事務手数料10000円と25000円程割高になりますが、一発検定で落ちて再度受験することを考えれば安いともいえます。
また、このガイド講習で知り合った同じ受験生や講習員の所属ガイドクラブなどとも繋がりが出来、今後の活動の糸口になるという、お金には変えられない+αの価値があると思い、思い切って講習検定を選択しました。
自分が受けたのは、長野県飯田市にあるアルスネイチャークラブです。自宅から近かった事、先の安全管理検定で知り合った方もここの講習を受けていて、充実した内容でためになったという話を伺ったことが決め手となりました。
10月中旬、集合場所であるアルススポーツという登山用品店に伺いました。自分以外ではお一人、名古屋の方が講習を受けに来ていました。
講習の先生はHさん。気さくでスマートな優しい感じの方でした。
初日は午前中座学、午後から現場でのロープワークでした。
座学は、ガイドの心構えから入り、ガイド計画書の作成方法、コンパスの使い方のレクチャーがありました。また、装備品のチェックも行いました。この辺りは検定項目として事前にいただいた書類のとおりでした。
昼食後、近くの山の麓の公園に車で移動し、ロープワークを行いました。つい2週間前にみっちりロープワークを行ったのである程度自信があったものの、講習では主にショートロープでの実践的なガイド歩行であり、引き揚げ引下げ技術では、安全管理講習で検定したカラビナやスリングを用いない、速さを重視したロープワークを教えていただきました。
実は同じ受験生である方は消防士の方で、それこそロープワークはお手の物。自分との格の違いをマザマザと見せつけられました。汗
ショートロープでは、クライアントのオーダーや間隔や歩行スピード、コイルの持ち替えなど、より実践的な内容で大変勉強になりました。
3時間程、外での講習が終わった後は、店に戻りガイドプランの立て方を実際にPCで作成します。翌日にガイドする予定の「風越山」(カザコシヤマ)をクライアントに如何に楽しんで登ってもらうのか、地理的、歴史的、文化的背景を基にガイドのポイント、時間配分などの細かくリストアップします。
慣れないことも有り、この日はタイムアップ。先生から夜の10時ごろまでに仕上げてメールで提出するよう宿題となりました。
さて、宿泊ですがこの講習時にいつも使っているという民宿に泊まりました。1泊2食付で5000円と格安です。しかし、共同風呂、共同トイレ、共同洗面という学生アパートのようなところだったので潔癖症の人はNGかも知れません。
一方、宿のおかみさんは人柄がよく、学生がスポーツ大会に出場する時にリピーターで利用することも有り、みんなのお母さん的なアットホームな宿でした。
さて、2日目はガイド、クライアント、それぞれの立場となって実践的ガイディングを学びます。登山口近くで集合した想定でスタートです。
始めは自分がガイド役となりました。お互い初めて会った前提で自己紹介、準備体操、山での見どころ、注意点などを説明し行動開始です。
前日に叩き込んだ山の歴史、背景、文化を説明しながらゆっくり歩を進めます。30分程歩くと、ガイドとクライアントを交替します。その際、クライアント目線で良かったこと、今一だったところをもう一人の受験生からアドバイスを受けるとともに、先生の目線で専門的な部分で、説明が足りていなかったり、歩行中注意する事等の指摘を受けます。自分の場合、クライアントとのコミュニケーションはよく取れていたが、花などの自然物の解説が足りないと指摘を受けました。
先生の指摘の傾向(見ている部分)としては、ガイドというものは如何にクライアントに寄り添うか、つまり何を欲していて、どう立ち回れば満足してもらえるのか、細かな気遣いが出来ているか否かというところでした。
例えば、休憩の際にはクライアントの様々な様子を観察し、暑がっていないか、行動食はきちんと取れているか、トイレの心配は無さそうか、体調の変化は無いか・・・ ホントに細かなところまで留意する必要があると感じました。
曰く「休憩のときが仕事の時」だそうです。
登山を進めながら、途中でコンパスの使い方を実践的に行い山座同定を行ったりしました。また、危険な場所を通過する想定でショートロープでクライアントをフォローする事も行いました。
トイレの無い場所でどのように排泄場所を確保してあげるのかも検定項目ではない事も試されました。
夕方までしっかりとフィールドワーク(登山)を行い、お店に戻ったら一息つく間もなく、最終日のガイドプラン作成となります。
いよいよ最終日。先生から行きたい場所のリクエストがあったため、帰り方面の田立の滝へのガイドプランに変更になりました。
各自の車で登山口に集合し講習の開始です。今日はクライアント役からスタートです。小雨が降ったり止んだりの天気。雨具を着けさせるかどうか迷うところです。自分がガイドなら着させるような状況でしたが、ガイド役は着用させずに行動開始しました。
しばらくして先生にこんな天気の場合はどうするのがベターなのか聞いたところ、下だけ履かせるという答えでした。雨具の脱ぎ着で一番手間がかかるのがズボンの着脱なのでそれをあらかじめしておけば、上着は脱いだり着たりが比較的簡単なのでこれでいいと言われて納得しました。ちなみに、当日は天気が回復に向かい結果、上下着ないで行動したのは正解でした。
途中、崩れそうな木の橋がいくつもあり、都度フィックスロープで対応したり、ショートロープでそのまま通過したり、現場に合わせた対応を学ぶことが出来ました。
また、わざとクライアントが転倒してガイドがロープでしっかり確保できるか見られたり、落ちている木の実について説明を求められたり、植生についても細かく質問を受けることもありました。実際のガイドではこのような事が実際に起きる、質問されるのだと、自分の知識不足や経験不足を思い知らされました。
登山口に戻ってきてからは、先生からの総括です。
今回の講習は非常にレベルの高い講習が出来た。普段は要求しない事も求めて対応が出来ていたので十分合格レベルである。つまり2人とも講習を受けるに十分な技術があったとお褒めの言葉をいただきました。ただ、採点は今回以外の講習での採点のレベルを合わせるため70〜75点で出すことになるが、決して悪い点数ではないので安心して欲しいと言われました。こちらとしては無事検定終了出来れば満足なのでありがたい言葉でした。
これで、講習は終了。皆さんと別れを惜しみつつ帰宅しました。
ほどなくして講習の採点通知が届きました。この通知と、審査料10000円を協会に送り、1ケ月程経った頃、協会から合格の通知が来ました。
これで登山ガイドⅠの資格を取る上で必要な試験は全て終了。残すは危急時講習のみとなりました。これは、講習を受けるだけなのでプレッシャーはありません。
3月の講習を待ちます。
連続で拝読させて頂きました!
素晴らしい!
ガイドっていろんな知識が必要で、
草木の種類にも精通しなければいけないとはビックリでした!
安全に送り届けるだけじゃ無いのですね!
残る一つもファイトですね!
ありがとうございます!
( ̄(エ) ̄)ノ_彡☆バンバン!
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