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当時、地元近くの東広島市八本松町:深堂(しんどう)山に清滝ルートから登った時のことです。事前にネット情報を下調べして、登山道が不明瞭な道にチャレンジという感じで望みました。GPSログは知らない時期で、グーグルMAPの山頂表示のみが唯一の指標。地理院地図とネット情報を確認しながら、シダ漕ぎもありながら思ったより早く山頂(597.8M)トウチャコ。ほとんど人が登らないような藪漕ぎ交じりの地元の山を次々に登頂することに(自己満足の)達成感を感じていた頃です。
正直、山を舐めてたと思います(大反省)・・・。近峰の安駄山を眺め、意気揚々と隣山の南条山へ向けて縦走。ここで事が起きました・・・。
深堂山直下、なかなかの急登を下り印象的なコナラの大木や直径2mくらいありそうなイノシシ湯を横目に10分くらい尾根筋を行っていた時、ふとカメラ三脚を忘れていることに気付きます。薮気味な道をトボトボ〜ハァハァ言いながら深堂山の頂に戻ります・・・・。「何やってんだ。俺のバカッ。」
気を取り直しきれないまま再び急登を下り、南条山に向かいました。道なりに進んでいたつもりでしたが、???・・・。似たようなイノシシ湯や大木が目の前に・・・。急坂の感じもそっくり。。お恥ずかしながら道中の分岐に気付かず、ぐるっと回って同じ頂に3度目・・・。完全に迷宮に迷い込んでしまった・・・何ともいえぬ恐怖感がこみ上げてきます。
先ほどの自信はいとも簡単にズタボロに・・・。もう、進んでいても疑心暗鬼。。まだ昼過ぎで焦る必要もない時間でしたが、「自己嫌悪の塊」状態・・・。
正直に言いますと、この頃は健康状態や仕事面で自信を無くしている時期でした。「何やってもダメだな。俺・・・。」山登りもダメ・・・。ダメな人間・・・・・。
トボトボ慎重に進んでいると、ある「分岐」に出会いました。尾根筋ですが、下り口が薮気味で気付かなかった道。。行ってみると間もなく、はっきりした道となり光が差す☆☆。。ここで喜べれば良かったのですが、その時の私は自己嫌悪を引きずったまま・・・聞き分けのない子ども、でした・・・。
目的の南条山(西峰・東峰)に登ることができましたが、双峰とも木々に囲まれ展望もなく傷心のまま、下山道へ・・・。
そして100m近く下ったところに、南条山:第1展望台とある三角点の岩場がありました。隣町の山ですが、私が通った高台の中学校や地元:西条町一の龍王山、遠く野呂山まで望める景色に出会います。。他の土地に住む人が見ればそこいらの景色と思いますが、自宅近くから何気に見えていた山から望む景色に心奪われます。
「はぁ〜。。こんな良いところがあったんだな〜。来て良かった〜\(^o^)/。」私的に思い出が詰まった地元の景色は、富士山にも劣らぬ絶景でした。。今し方まで子供みたいにしょげていた私に山が、「まあ、お前も頑張ったんだから、これでも見て行きんさい。」と言ってくれたような。。何だか涙がにじむ・・・。いい歳(当時45歳)して、ではありますが。自身の小ささと山の懐の深さを感じました。。。下山後、山に一礼。
もし、あの分岐で引き返していたら、あの景色に出会わず、山に登るのを止めていたかもしれない。もしかして、人生を変える分岐だったのかも。。。
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