![]() |
基本山の嗜好は、人の少ない奥深そうな森を歩き、沢のせせらぎを見ながら、その山域にある山野草を片っ端からスタンプラリーし、植生を図鑑さながらに記録し、粛々と見たことない花に出会っていくことだった。
かれこれ、もう10年近くこのクセが抜けず、逆に最近はこの嗜好がどの山域でもそうなってしまい、もっと遠くに早く行きたいのに花を写真に収めないと気が済まないといった気持ちになり、ある種の自由さを奪っているのかもと気づきはじめた。
花見山行は楽しいが写真に収めずとも見れればいいじゃん、物事はバランスも大事で、週末の限られた時間に深山をより素早く快適に、小さな冒険したいというときに、これは自分がいつの間にか作った制約になってしまってるのかも。などと思うときが増えてきた。
一方で、かれこれ7-8年前、体力が絶頂だったときチャレンジして敗退した日帰りの長距離縦走なんかも、季節に限らずいつかリベンジしてみたいという思いは残っていた。
今年の冬季、花のない時期に、冬の黒戸尾根や女峰山を駅から歩き通すことができた。
歩き通せた理由はシンプルで、花がなかったからw もあるがそれよりも決定的なのは、手持ちの装備で工夫して荷物を圧倒的に軽くしたから、であった。厳冬期ではあるもののビバーク装備積んでも20リットルザックで歩き通せた経験は大きかった。
(あわせてダイエットで体もUL化したのも大きいw)
思い返すとこのことがULに興味をもつきっかけとなった。
そして、やや年齢的には早すぎた白内障の治療の間、山に行けず、youtubeを見てULのことについていろんな動画を見た。
はじめは、ULキャンパーとULハイカーの区別がつかず、ULギアオタクによる案件?系の情報に侵され、ULのことが単なるこだわり強いULギア好きに陥りそうになり、よくわからなくなったが、次第にいい動画を見ることができて、だんだん自分の腹に落ちるようになってきた。
軽くする<不要なものがどれかわかる<その山行の行動シミュレーションが事前にほぼできる<そもそもどんな山行にしたいかコンセプトをある程度持っている
こんな流れで理解を深め、最終的に自分なりのULを模索していけそうと思ったので、道具をとりあえず買い替えてみたが、高いUL装備買ってみたけど、買わなければよかった。とかもあり依然として手探りではある。
今のところULで重要な考え方は、どうやら「一つで二役」のような道具に2つ以上の使い道を与え、荷物を減らすことに尽きる。これは自分のイメトレを試されているようで、やっていて面白い。
今回UL化の際に、とりあえず手持ちのザックとテントを売り、軽いものに買い直した。ところがここの道具選択も結構難しく、買ってから知識が更新されるケースもあった。
具体的にはたとえば、ザックの背面パットやフレームが敷きパットで補えたり、ダブルウォール買っちゃったあとにやっぱりずっとシングルだったし結露よりもっと自然を感じる体験したかったので床なしのタープテントが欲しくなったり、、などUL道具に関する知識量と比例するように自分の意識下にあった嗜好スタイルが顕在化するといった感じで、結局はギアオタクは嫌だけどギアを知っていた方が、それ知らなかった奴やー。。とならず自分なりに納得がいく境地に至る。今回は短期間でUL道具を乏しい視点で見ていたこともあり(単に軽いとかの理由)、自分なりの視点が整う手前でけっこう道具選びは迷走した。
散在もそこそこになんとか今の懐事情で装備を整え、今年はまた違った目でデッカいアルプスや中~低山系の深い樹林帯など、いろんなところを歩き、幕営してみたいと思う。特に山めしについてはこの10年まったくスキルUPしていないので、いろいろ軽量化しつつも、食事は楽しんでみようかと思う今日このごろです。
最後にULは手段で目的ではない、といいつつ、目的は自由さですといったスピリチュアルめな感じとか、行動量に柔軟性をもたせることです、とかそれっぽいことを言いたいのですが、やっぱり軽さは正義ってことでいまのところ目的でも手段でもどっちでもよくて、とりあえず余計なものをもってかない、余計なものorゴミをおいてこない、と決めたものは持ってかないを目的としたいかなって感じです。
それでも重くても持っていきたいんだ!ってものは、持っていくべきですし。でないと、何の面白みもない、誰かの真似をしたテンプレートULハイカーになってしまいそうで・・w
・ULでためになった情報
ヤマケイ×ハイカーズデポさんの話
https://www.youtube.com/watch?v=YSMocwoq-r0
ハイカータイムさんの話
https://www.youtube.com/watch?v=9EosShk6FQE&t=310s
(ULギア系の情報は単に物欲沼にはまっていきそうなので要注意。。苦笑)
・自分がUL化して軽くなった装備代表例
ザック:フレームなしタイプへ
テント類:2ポールタープへ
雨具:チャック、ポケット無しタイプへ
(なんだかんだいって、山と道 便利です。高いですけど。)
基本は道具や登山中の活動についてこれまでよりも深く振り返ることで、軽さと快適さや体への負担を天秤にかける知識を得ることができた。
あと、登山着でやめたもの。
全身肌に密着性の高いスリムパンツやベースレイヤーやウェア類、サポートタイツ
代わりに、
通気性がよいものに総入れ替え。ダボッとしたパンツに、襟シャツとか。
レイヤリングや素材、保温や通気に関する考え方がUL界隈は活動量多めの人にはかなり体験ベースで研究が進みリアルに最適化されていて、従来の服装を見直すことができた。
これらだけでもたぶん装備が1.5-2kg近く減った気がする
・UL化してる人への偏見。前後の心境
前:ミーハーでおしゃれ好きの人のやることだ
後:合理的かつ結構シビアに楽しむところを絞って山道具を選んでる人たちが多そう
変わらない部分:やっぱりギアはかっこいいし高い。こだわり強そうな人多そう。
・・・って感じ?
あ、でも、海外のULメーカーのハイパーなんとかマウンテンの白ザックや白テントをギラつかせ、テン場で大声でしゃべってる人は苦手かも・・(→すいません偏見ですw)
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する