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Yamareco

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2015年01月11日 20:03未分類全体に公開

初雪山(備忘録)

これまで残雪期の天狗岳が1回で、雪山は実質初経験。
雪山を安全に登る上で、基本的な知識や技術を肌で掴みたいと思い、
自身初の山講習を受けてきました。
内容は個人的な感想と、振り返りのための備忘録になります。
とても些細な事や素人感が多いかもしれません。

※ここの情報が何か参考になれば幸いですが、
何分未熟者、取り扱いは自己責任にてお願い致します。

※講習内容の詳細は掲載を控えております。
許可を得てないこともございますが、
文章の間違いや自身の誤認等によって間違った情報を
提供してしまう恐れがあるためです。
ご理解のほどお願いいたします。<(_"_)>

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【場所・日程】
赤岳
1/9(金)赤岳鉱泉付近で歩行講習。晴れ。
1/10(土)実地講習。樹林帯晴れ。稜線ガス風雪。風速10m程度。

【講習を終えて】
冬山登山に体が対応してなかったことや久しぶりの高所行動、
緊張などでいつも以上に汗や呼吸の乱れが出まして、
寒さより暑さ対策の方が現場で終始気になりました。
二日目の風(稜線10m程度、最大はもうちょいあったと思われる)
の強さや気温(-15℃程度)は、この時期では穏やかな部類だったようです。
夏道と違って雪山ならではの尾根直登ルートによる急斜度感や
稜線やコルでいきなり突風が激しく吹き付ける感じは厳しくもあり新鮮でした。
山頂からの景色は、ガスってたことと気持ちの部分であまり記憶に残っておりません(爆)
次回は自分の力で八ツブルーを。
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以下、備忘録。

【1/9(金)初日】
■美濃戸〜北沢〜赤岳鉱泉
・ノーアイゼン
・ダブルストック
・服:ベース(ウール+化繊)中間着(薄手フリース)
・気づいたこと、学んだこと:
体力に任せて歩く。疲労と共にストックに頼りがちに。(鉱泉まで1時間半)
汗とても掻く。

【1/10(土)二日目】
小屋にストックや荷物の大半をデポ。
荷物は行動食とテルモス、防寒着(もしもの時用厚手フリース)、ヘッデン等最小限に。
時計は腕から外しショルダー装着。

■赤岳鉱泉〜行者小屋
・ノーアイゼン
・ピッケル
・服:ベース(ウール+化繊)中間着(薄手フリース)
・気づいたこと、学んだこと:
1)暑さ対策
 ザック胸ベルト締めない、上着前チャック開ける。
 暑くなったら帽子を取り頭冷やすのが効果大。
2)サングラスの曇り
 汗や息で曇る。フレームやレンズが肌に触れるタイプは曇りやすい。(道具再考)
3)坂の一部で歩行が乱れ、滑りはじめる
 学んだフロントポインティング、フラットフッティングの実践がうまくいかず、
結果、踵荷重になり足に疲労を感じる。

■行者小屋〜地蔵尾根〜展望荘〜赤岳
・12本爪アイゼン
・ピッケル
・服:ハードシェル(もしもの時用以外全部)、目出し帽
・気づいたこと、学んだこと:

*地蔵尾根 森林限界まで
1)暑さ対策
 ハードシェルの前チャック開け、襟も左右に開ける。
2)サングラスの曇り
 息がシェルの襟に跳ね返ると曇る。襟を微調整。
3)オーバー手の操作性に手こずる
アイゼンの装着、紐締めに難儀。
指先の余るグローブは操作に不向き。
指の付け根が余る方が良いらしい。(グローブ操作慣れ今後継続)

*森林限界以降
1)ルーファイ、トレース
 周囲や遠くの地形をよく見る。
 歩行者とすれ違う時、自分が止まらず相手も止まらせないよう自分から予め
避けて通過する。その際足場確認の上自分からトレースを外れて歩くことも練習。
2)急登時の歩行
 サングラス曇り対策や体の使い方が不慣れで意識が散漫になり歩行が乱れる。
 フロントポインティングでの足運びの重心移動、爪先に乗りきれないなど
動きの無駄が蓄積し疲労につながる。
坂で疲れると前傾姿勢になり歩行全般に影響し益々疲れるので体を起こし直す。
この調整を繰り返しながら進んだ。
3)稜線上の平坦な場所の歩行
 アイゼンを引っ掛けることがしばしば。転倒は命取りに。
 気を緩めずフラットフッティングを実践する。
4)耐風姿勢
 足場の安定を気にしつつ、風に背中を向けたり横になったり小まめに調整。

■赤岳〜文三郎尾根〜行者小屋
・装備は同上
1)山頂付近でサングラスからゴーグルに変える
曇り厳禁のため、頭、顔に着いた氷、水分を落としてからフードの下に着用。
行動中曇らないようこまめに風を入れる。
2)ルーファイ、トレース
 同上
3)耐風、顔面ケア
 下からの吹上や横風をもろに顔に受ける印象。シェルのフードの大きさや
横頬の隠れ具合の重要性を知った。
 目出し帽は鼻まで覆うとゴーグルが100%曇るので、口まで覆うか
口も時々開けたりして曇り防止をした。
 肌が黄色くなったら凍傷一歩手前。一時的に行動を止め肌をこすり血行促す。
(単独行の場合自分の顔が見えないので対策がシビア。凍傷予防軟膏を塗っておく等)
4)下山時の歩行
 急なところは、山側の足爪をきちんと効かせてから横向きで降りる。
谷側の足の爪が効くまで体重は山側の爪に。踵は谷側に向けない。
 下山時フロントポインティングがシビアに必要な場所は今回は幸いにしてなかった。(トラバース、氷むき出しの所)
5)樹林帯以降の尾根下り歩行
 下りは積極的にアイゼンに体重を乗せ、滑りながら早く下る歩行練習。バランス取る練習になった。
ちょっぴり初尻セード体験、楽しかった!

■行者小屋〜赤岳鉱泉〜北沢〜美濃戸
・ノーアイゼン
・服:同上
帰りの樹林帯はずっと快適。登山靴を滑らせつつ楽しみながら下山。凍結した道と沢の歩行は靴の場合転倒すると大怪我に繋がるので必ず避ける。
人の往来が多かったが、なるべく止まらずにこちらから避けながら進む。
(安全確認の上トレース脇を崩しつつ進む)

■その他学んだこと。
ラッセル
トレースから外れても歩ける練習と心がけ
ピッケル操作(今回はリスト掛け)、握り方
滑落停止(現実停止する可能性は低い。転ばないことを最優先)
マルチタスク(複数のことを同時に考える習慣)
シェルの袖を通す前にオーバー手を先に着けると、保温性が上がる。
片足で安定して立つ練習(日常トレ)
禁止or極力避ける点
・アイゼンの片効き(斜面でも爪先の角度調整でもれなく爪を効かせる)
・足を平行に置く行為(斜面、足場の平らでない場所)
・急下りを内股で降りる行為(爪が開く)
・足運びの前後左右の幅を狭くし過ぎないように
 (急登時の正しい体重移動、アイゼンひっかけ防止)
・風を受ける稜線では極力歩きを止めない(冷え防止、集中力維持)
・オーバー手は行動中はずさない。(アイゼン着用、細かい操作も)
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講習は内容の濃さ、先生方のプロ意識や考え方など、参考になる点は数知れず。
行動の根拠や理由を丁寧に説明して頂き素人の私にもわかりやすかったです。
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