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2025年06月14日 13:48未分類全体に公開

腹減ってチカラが出ねえ……!

 ワタクシ、腹ぺこ丸と名乗っております。その意味するところはと申しますと、「腹ぺこ=激しい空腹」であり「丸=なんとなく」であります。よってヤマレコで「腹ぺこ丸」を自称する意味は「ちょっと歩くとすぐ腹が減る奴」でございます。
 そんな次第でこのタイトル。登山とご飯につきまして、先日のテント泊で気になることがあったので認めてみました。
 先週、南アの鳳凰山にテントで行って参りまして。計画は夜叉神峠から地蔵岳までの往復です。過去にもう5回か6回も同じ計画で歩いておりまして、少々の勝手はわかっております。近頃は裏銀座を高瀬ダムから入って折立に抜けてみるとか仙塩尾根ですとか光岳から聖岳までですとか、そんなテント縦走を計画しているものですから、その体力訓練のつもりで行ってみたのですね。
 訓練目的は「テント装備で1500m登り、休憩込みコースタイムの1.1で歩く」というもの。まあ、半分くらいしかできませんでした。初日はちょっと頑張りすぎたよね。全体の行動時間をコースタイムの1.1で収めればよかったのに記録を見たら0.9じゃない。やりすぎ。そんなに飛ばしたら易老岳までの1500m登りだとかブナ立とかで保たないじゃないの。1.1を意識して歩けるようになりなさいよ。
 え?だったら0.9で歩けるように鍛えれば?やめて!死んでしまう!
 そんな初日はまあ、良くないなりに頑張りはしました。テン場に着いてからのアディショナルタイムとして砂払までの往復を追加し、初日1500mの登り。テントの中でゴロゴロしながら、疲れたけどこんなもんかなー、このくらいできれば目処は立ったかなー、などと思っておりました。ところが、2日目です。
 2日目歩き始めて砂払までの樹林登り、なんだか根気が続きません。こんなこと、いままでなかったんだけどな。疲れは歩いたなりに感じはしますが、まだ1時間も歩いておりません。つまりは大して疲れていない。なのに足が重い…というより足取りが重い。「四の五の言ったって歩くしかやることないんだからさー。歩けば?」などと独りごちてどうにか気分を奮い立たせつつ稜線へ。あそこ、白砂青松なんて言うんですって?先日のNHKのにっぽん百名山で初めて知りました。その景色が重い気分を払拭してくれまして、観音ヶ岳までルンルン気分。バカでかいクシャミで周囲の耳目を引いたり赤抜沢ノ頭で不思議な振り付けを試したりしながら地蔵岳につきました。
 山行記録の方で触れましたが、オベリスクには若干の思い入れがあります。それに一頻り浸ってさあ、登り返して帰ろう!というところで異変を感じます。
 きつい。登りで足がきつい。家で筋トレ3セット全部やった後みたいになってる。
 山行自体はどうにかこなせました。初日に頑張りすぎたのが悪かったかな。帰宅して片付けをし、この1週間は通常通りに会社と家を往復する日々に戻ったのですけれども。
 ただ、何か引っかかる。オベリスクまで行ったのは今回が初めてだけど、南御室小屋までは何度もテントで行ってる。そして2日目に疲れが残ったことなんて最初の1回しかなかったよ。今回はなんであんな疲れ方したんだろ?ホントに初日に頑張りすぎたってだけなの?初日はそんな極端に疲れちゃいなかったのに。そこで思い当たったのが日々の食生活です。
 実は私、会社の健康診断で血液検査を受けまして。検査結果が「中性脂肪高すぎ。今すぐ病院行け」というもので、病院の先生と相談しながら食生活を改善しているところなのですね。大きな改善点は、100人が見たら95人くらいが「これは茶碗ではなく丼である」と判断するであろう自称お茶碗でバクバク食べてたお米の量を減らすこと。この米不足のご時世だってのにご飯ばっかり食べ過ぎなのです。バチが当たる。
 必要以上に食べたお米の糖質は肝臓と筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されるわけですけれども、それでも余った炭水化物は血中脂肪として血液中に流れちゃうわけです。この登山の一ヶ月くらい前からお米の量が従来の1/3くらいになっておりまして、それにも慣れてきた頃合がこの登山だったわけです。
 この辺、考えてみれば登山情報としてよく言われてることではあるんですよね。登山前日は炭水化物をたくさん採ってエネルギーを貯めときましょう、というお話。これまでの登山と今回でいちばん違ってるの、ここだ。
 スポーツの世界でもカーボローディングなんていうそうで、試合に出場する選手たちがパスタ食べ放題パーティーみたいなことをするんですって。ところがこれまでの私の食生活は妖怪お米バクバク魔人でしたから、特別にこれをする必要がなかったのでしょう。今回は食生活が健康的になったおかげで或いはそのせいで、エネルギー貯蓄が足りなかったのかもしれない。
 調べてみると、筋肉に貯蔵できるグリコーゲンについてわかりました。グリコーゲン、筋肉を動かすエネルギーになってくれる物資です。人間が筋グリコーゲンとして貯蔵できる最大量は500g程度だそうで、そして日常的に貯蓄されているのは150g程度らしい。普通の食生活してるんだったら明らかに少ないなこれ。
 あ、この辺の難しいのは全部チャットGPTが言ってました。流行りのAIです。超高性能グーグル検索機のくせに平気で大間違いすることもあります。おいチャットGPT。読んでくれた人に怒られたらお前のせいだからな。
 さて、貯蔵が足りない。ガソリンタンクに半分くらいしか入ってないのにドライブに出かけてしまったようなものかもしれない。それなら補充すればいいわけです。今度は補給について調べてみますと、こんなお話があります。鹿屋体育大学の山本正嘉先生が書いた「登山と身体の科学」よりますと、行動中に失われたエネルギー補給について、

「失われる量の7〜8割を補給し、あとは体内の貯蔵分で補うようにすれば、身体の機能を落とさずに行動できます」

 だ、そうで。すると次は、失われるエネルギー量がどのくらいなのかわかるといいですね。同著に、

「5x体重x行動時間」

という式で出せるとありますから、これは最低値と考えて、それに荷物の重さや道の険しさを加味する。今回の鳳凰山の初日だと、5x私の体重80x6時間=2400kcaiで、これが最低ギリギリのエネルギー消費量。道の斜度はそこまででもないから考えないことにして、荷物が15kgだから、単純に体重+荷物で考えてやるといいのかな?すると2850kcalが消費されたのか。
 この7割を補充するなら必要な行動食は2000kcalくらいになる、と。うーん…これまでの経験からすると多いような気がします。でも初日に行動食として補給したのは800kcal程度でしたから数字にしてみると足りなさすぎるかもしれない。
 これまでの行動食の計算はもっと雑でした。日帰りなら1時間に100kcal、テントなら150で計算していて不足したことはあまりなかったのですね。ただその中でも「今回はもしかして足りなかったかも」と感じたこともありましたし、何より今は前提が変わってしまっている。私の身体はもう、500gのグリコーゲンを満載している燃料タンクではなくなってしまったのです。これまでと変えなくてはいけない。
 今日はちょうど病院で栄養相談をしてきました。幸いにも先生が百名山に挑戦されていたことがあるそうで、登山に造詣のある先生でした。カーボローディングについて食生活への影響も相談することができたので、登山前には安心して妖怪カーボローディング男になれそうです。これからは登山前にはカーボローディングの機会を作ることと、登山中の行動食はもう少し増やすことが課題になったなあ、というのが今回の結論になりました。
 体が変わるのは年齢を重ねていけば当然のことですし、登山の仕方だってもちろん変わっていくのでしょう。自分の体が発する声を見逃さないようにしたいものです。
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