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#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルはアイザック・アシモフ『銀河帝国興亡史Ⅲ 第二ファウンデーション』が今朝でおしまい。第2部「ファウンデーションによる探索」16「戦争の始まり」から「」まで。
(以下、ネタバレあり)
なぜ娘を助けにトランターにいかないのかと問うペレアス・アンソーアに対するダレス博士の答え。
「そのとおりだ! わたしもそうしたいと思っている。だからこそ、そうしないんだ。いいか、アンソーア、わかってくれ、きみはプレイをしている−−われわれは二人ともプレイをしている−−われわれの戦力を完全に上まわる相手とだ。きみがドン・キホーテ的気分になった時に何を考えるにせよ、もし冷静になる時があれば、このことはわかるはずだ。
第二ファウンデーションがセルダン数学の子孫であり弟子であることを、われわれは50年前から知っていた。また、それが意味するところは、きみも知っているように、宇宙には、かれらの計算の中で一定の役割を演じない物事は、なにひとつ起こらない、ということだ。われわれにとっては、すべての生活は偶然の出来事の連続であり、当意即妙にそれに対応すべきものだ。しかし、かれらにとっては、すべての生活は意図的なものであり、あらかじめ計算して対応すべきものだ。
しかし、かれらにはかれらなりの弱点がある。かれらの働きは統計的なものであり、人間の群衆活動だけが、真に必然的なものだ。さて、予想される歴史のコースの中で、わたしは個人としてどんな役割を果たすか、わたしは知らない。たぶん、はっきりした役割はないだろう。なぜなら、〈プラン〉は個人に不確定性と自由意志を残しているからだ。しかし、わたしは重要な存在だ。かれら−−かれらのことだよ−−は少なくとも、わたしの起こしそうな反応を計算している可能性がある。だから、わたしは自分の衝動、欲望、起こしそうな反応を、信用しないことにしているのだ。
いや、むしろ、ありそうもない反応を、かれらに見せてやろうと思っている。行きたいという激しい欲望にもかかわらず、ここに残ることにする。そうだ! 行きたいと激しく望むからこそ、行かないのだ」
第二ファウンデーションの場所は最後まで秘匿されなければならなかった。だから、(精神に干渉を受けた)ホマー・マンは第二ファウンデーションなどそもそもなかったといい、(ダレス博士によって第二ファウンデーション員であることを見破られた)ペレアス・アンソーアはカルガンにあるといい(自分もそう思ったよ苦笑)、ダレス博士と娘のアーカディアはターミナスにあるといい、事実、ダレス博士考案の精神空電装置によって第二ファウンデーションによる干渉を排除することに成功した第一ファンデーションは、ターミナスにいた50人ほどの第二ファウンデーションのメンバーを捕らえ、組織を壊滅した。第一ファウンデーションは勝利し、第二ファウンデーションは消滅した。危機は去り、セルダンプランを完遂するのは、自分たち第一ファウンデーションなのだと誰もが思った。
だが、そうは問屋は卸さない。ダレス博士と第一ファウンデーションはやはり井の中の蛙にすぎず、第二ファウンデーションのてのひらで転がされていた。第二ファウンデーションによる深慮遠謀は、アーカディアが生まれた瞬間から仕組まれていたというのだから、おそれいる(ここが一番衝撃だった!)。第二ファウンデーションは○○にあったが、ふたたび誰にも気づかれずに、その存在を隠蔽することに成功した。精神空電装置があるじゃないかって?
「良い指摘だ。しかし、それを使って倒すべき相手がいない。あれは不毛の装置になってしまった。同様に脳写分析も、かれらに対するわれわれ自身の脅威という拍車がなければ、不毛の科学になるだろう。他の種類の知識が、より重要な直接的な報酬をふたたびもたらすことになるだろう。だから、この第一ファウンデーションの精神科学者の第一世代は同時に最後の世代になることだろう−−そして、1世紀後には精神空電はほとんど忘れられた過去の物になるだろう」
最先端の技術が失われていくさまがシリーズ全体を通じて描かれる。それは失われた過去の栄光に対する憧憬であると同時に、オーパーツが生まれる理由を表しているのかもしれない。いやあ、最高におもしろかった! 続きが読みたい! 30年後に書かれたという続編も、オーディブル化してほしいなあ。
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