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#朝ラン #早朝ラン #ランニング
オーディブルは貴志祐介『新世界より 下巻』の続き。
塩屋虻コロニーの対人秘密兵器は守と真理亜の落とし胤であり、(人間から見れば)悪鬼その人だった。
「お前たちは、みんな、野狐丸に騙されてるんだ。どうして、それがわからないんだ? あいつは、兵士の命など、何とも思ってないんだぞ」
「兵士の命だと? 下らん。大義の前には、一個体の生命など鴻毛のように軽いのだ」
「その大義というのは、何なんだ?」
「我々の全種族を、お前たちの圧政下から開放することだ」
「圧政って、どういうこと? わたしたちは、あなたたちに、そんなに過酷な扱いをした覚えはないわ」
「我々は高い智能を持っている。本来なら、お前たちと平等に扱われるべき存在なのだ。にもかかわらず、お前たちの悪魔の力によって、尊厳を奪われ、獣のような扱いを受けてきた。もはや、お前たちを地上から一掃する以外に、我々の誇りを恢復する道はない」
「人間を、一掃する? そんなことができると、本気で思ってるのか?」「お前たちバケネズミは、卑怯な騙し討ちによって、大勢の人間を殺した。だが、人間が一人でも残っていれば、お前たちを皆殺しにできるんだ!」
「そうはならん。お前たちが野狐丸と呼ぶ、解放の英雄、スクィーラが我らと共にあるかぎり。そして、天から我々の陣営に、メシアが降誕された以上はな」
「メシア? あの、悪鬼のことか?」
「悪鬼? ……悪鬼とは、お前たちのことだ!」
「倍々ゲームどころじゃない」「最初は、真理亜たちの子供だ。その子が成長して、鏑木肆星さんさえ対抗する術を持たない悪鬼となった。そして、その勝利で得た大勢の子供たちが、十年後、みんな呪力を使えるようになれば……」
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