【 出世願望者必読 主世術21ヶ条 】
古本屋の店先の、100円投げ売り台の中に『サラリーマンは是非これだけを心得よ』と題した本を手にする。昭和8年発行。
一言で言うなら、85年前の、サラリーマン出世のためのノウハウ秘訣「出世術21か条」の手引きが掲げられている。
今思うに、山ばかり登って左遷島流しされた私なれど、もし「出世術21か条」を知って実践していたなら・・・。
私のような出世と無縁な人間にならないためにも「出世術21か条」をこの場を借りてお披露目(ええ暇なんです)
第一条 正直になれ。正直ということだけでも本当に徹底すると、一種の大才に匹敵する。
第二条 返事が第一。返事の上手な男はよく出世している。
第三条 感情は抹殺すべし。どんな癪に障っても感情を殺して忍耐していることである。
第四条 重役は奉るべし。度を過ごしてもいけないが世に煽てられて怒る人はいない。
第五条 多少の洒落っ気あれ。サラリーマンたるもの現在の情勢では収入に比して少々不相応な身装りをするのを普通とされている。月賦で洋服を買う所以である。サラリーマンは計算や記帳の実務を弁ずるほか、対外的にウエーター的意義と対内的に美観を添えるマネキン的意義を含んでいるのだ。
第六条 お喋りである勿れ。与太や駄洒落は不平を紛ら化していると見られ、馬鹿にされる。
第七条 規則正しくあれ。サラリーマンは事務家である、インテリゲンチャであり科学的な精神が必要だ。規則正しくしてこそ本格的である。
第八条 健康第一であれ。一年365日、無病息災で時間を守ることが大切である。
第九条 努力の人であれ。天才など人に解るものではない。十年、二十年、こちこちとやることである。
第十条 何事も過度である勿れ。色気がありすぎてもいけない。
第十一条 お辞儀が上手であれ。
第十二条 実力主義であれ。いずれ解って貰える。
第十三条 突飛な了見を持つ勿れ。
第十四条 小さいことも真面目くさってやれ。
第十五条 上役に煽てられたら喜ぶがよい。俺は本気にしていないぞという風な小賢しい顔をしたら損である。
第十六条 大言壮語する勿れ。
第十七条 人に借金する勿れ。
第十八条 女房は成るべく良いものを持て。
第十九条 危険思想を持つ勿れ。
第二十条 女事務員に色目を使う勿れ。
第二十一条 向上心を持つべし。勇気、向上心。会社の発展を計ろうという抱負、それらがなければ屁のような人間になってしまう。
85年前のサラリーマン処世術なれど、すべて今日にも思い当たること多かりし。トイレの壁にでも貼り付け、日々精読熟読されよ。
ちなみに小生、第二条、第八条、第十四条は実行していたような…。自信がないのが第二十条の女事務員色目云々 (笑) これじゃあ出世するわけがない。
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