私は本が出た時読んでいましたが、先日映画を見ました。
以下、私の感想です。
◆ あの戦争末期、敗戦間近の時期に、主人公宮部久蔵の様に「絶対死なない、死にたくない」、「妻子の為に絶対生きて帰るのだ」と思っていた兵士は、実際にいたと思います。
◆ しかし、ことごとく、出撃の度に戦闘を避け無傷で帰って来る零戦のパイロットが、指揮官や教官になれたかと言ふと、これは甚だ疑問です。実際はそんなに甘い事は無かったと思います。
◆ そんな彼が、最後に何故特攻に志願したのか? 全く解かりません。その合理的な説明が画面から全く見て取れませんでした。
◆ そして、何故彼が自分の妻子の面倒を自分の教え子、後輩に託して特攻に行ったのかも、全く解かりませんでした。成る程そうだったのかと言った説明や描写が全くありません。
以上3点が、私にはどうも合点がゆきませんでした。
この映画も、元々フィクションですから、全てのネタを明かしてしまう必要は元々ありませんが、上記の3点はこの映画の核心部分だと私は思いますから、全く腑に落ちません。何だか中途半端だなぁーと言ふ映画でした。
しかし、宮部久蔵の徹底的に危険を避け、何としてでも生き残る、あほな戦争で死んで堪るかと言ふ考えは、登山の場合には必要不可欠の考え方であり、登山を楽しむ為にも最も良い心構えだなぁー、と思って見ていました。
(今本が手元に有りませんから、小説では何うだったのか検証はしていません。)
私の読書記憶では、主人公は、特攻に編成された若者を教育していた立場だったと思います。飛行技術が上がり喜んでいた若い飛行士は、上手くなった順に特攻に出て死んでいくことになる。だから主人公は喜べないのです。国のために敵を撃って死ねれば本望だという若者に、生きてこの戦争のあとの日本を、お前たちにこそ託したいのだと。
人が尽き、彼が行く順番になった時、若い隊員に「死ぬ」ことを教えた自分は、当然そこから逃げることはできないでしょう。志願せざるを得ない状況だったと思います。
これは小説ですから本当の特攻隊員がどんな気持ちで、飛行機に乗り込んだかは個別の気持があると思います。戦争を批判し、戦争を指導した人間を批判することはあって、個々に死んでいった無名の日本人を批判することは絶対にできません。
特別な時代でした。死を選ぶことが日常である時代。「死と隣り合わせの冒険」を楽しむこととは違うと思います。
mesner様の映画評を読み、どうも原作の重要な部分が描かれていないのではと思いました。原作と映画は別物ですので、違う視点から楽しめることもあるのですが、今回は見ないことにしようかな。
kiyoshi さん、今晩は。
コメント有難うございます。
本を読んだのは出版されて直ぐの時で、細かい事は忘れてしまって、よく覚えていません。(最近は物覚えは悪くなり、物忘ればかりが良くなります。困ったものです。)
本当は自分で本を再読してこの日記を書けば良かったのですが、元々原作と映画は別物ですから、ストーリーや結末が一緒でなければならないと言ふ事はありませんから、それは如何でもよい事かも知れません。
映画は映画で筋が通っていれば、それでよいからです。
ところで、kiyoshi さんの2番目のパラグラフは、前回の私の日記に山で死ぬのは、それも金を払ったガイドに殺されるのは特攻で死ぬよりアホらしいと書いた事の批判だと思いますが(丁度この映画を見た時でしたので)、私は決して特攻に無理に行かされた若者達を批判する積りは毛頭有りません。
一応志願と言ふ形は採っていますが、日本独特の「空気」の中、強制と同じです。実際第一回目の特攻隊の隊長は海軍大尉(名は今は思いでせません。四国出身です)が強制的に行かされました。
中には軍国少年と言ふのもいましたので、喜んで行った者もいるでしょう。
しかし、犬死には変わりないと思っています。あんな狂気の作戦が罷り通る日本の官僚機構(軍人は役人です)が問題で、天皇に任命された天皇の臣下(少将以上)を批判したり、罷免したり、それがどんなに無能でも出来ないのです。天皇を批判する事になるからです。要するに役人は責任を取らなくてよい様になっているのです。
そのために学徒動員の若者は理不尽な作戦に動員されたのです。これは当時も、今から考えても犬死には変わりありません。こんなことが罷り通る世の中をわれわれは変えなければ成りません。(戦後少しは変わったでしょうか? 変えられたでしょうか?)
私ははらわたが煮えくり返る思いで、犬死だと言っているのです。
でも、映画は見て下さい。並以上には間違い有りませんから。
mesnerさん、あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
「永遠の0」見てきました。原作も読んでいますが、私も細かいところまでは思い出せません。もい一度読んでみようかとも思ってはいますが・・
戦争を知らない世代では、こんな時代が背景にあっての現代と知る上では良い映画だと思います。
私の親も戦争体験者ですが(終戦で徴兵は免れたようです)話だけで聞くよりは映像をとして感じる方がリアルに感じました。
見るか見ないか迷いましたが見て良かったと思いました。
matsujii さん、新年おめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
コメント有難うございます。
映画みましたか、見たほうがいいですよね。
私は細かい事を言っていて、映画の本質にはあまり関係ありませんから。
今日の新聞を見ると文部省は日本史を高校の必修科目にするとあります。いい事だと思いますが、問題は何う言ふ教科書を使うかと言ふ事でしょう。
近隣諸国とは歴史問題で何時もいざこざがありますが、日本人として事実は知っておくべきだと思います。
何れにしろ、日本は戦争に負けたのですし、近隣諸国とは仲良くするしかありません。私は負けて良かったと思います。若し勝っていたら、軍人、特高、警察、学校の先生等が益々威張り散らす世の中になっていたと思うからです。
しかし、安部さんは昔の日本が懐かしいようですね。
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