【六甲山】「西山谷」なのか「西谷山」なのか？？

2019年12月24日 17:45謎・疑問全体に公開

神戸市東灘区渦森台４丁目を起点とする登山道がある山。
登山の地図（ヤマレコMAP、山と高原地図）では「西山谷」と表現されている。ネット上の登山の書き込みは、100％「西山谷」といってよい状態です。ところが、写真の道標は「西谷山」となっている。これ以外の標識でも「西谷山」という表記が散見する。

正しくは「西谷山」なのか？　それとも「西山谷」なのか？？

実は、ここ渦森台より北側、山上の天覧台、ガーデンテラス、極楽茶屋より南の住所が「灘区六甲山町（字）西谷山」（〒657-0101）なのです。登山用の地図では、しばしば名称が間違っていることもあるので、さらに調べてみました。

「灘区に住所として六甲山町『西谷山』というところがあります。その中の谷の名前が『西山谷』ということです」※灘区役所まちづくり課

「西谷山という（頂上をもつ）山はなく、山の住所としての名称。所有者に由来するものでもない（西谷さんの山だったわけではない）」※住吉学園

西谷山についてもう少し説明しよう。
１９７２年に東灘区住吉町西谷山（住吉学園所有林だった場所）は行政区画の変更により「灘区六甲山町西谷山」となる。
「住吉学園」とは何か？　それをを説明する前に、東灘区にある「財産区」というシステムを説明する必要がある。東灘区は１９５０年に神戸市に合併されるまでは武庫郡「御影町」「魚住町」「住吉村」「本庄村」「本山村」の５町村から構成されていた。これらの旧町村は現在も「財産区」という特別地方公共団体を有している。特に魚崎町は全国的にも珍しい議会をもつ財産区となっている。「財産区」は特別地方公共団体のためお金を使う時には市長の決裁が必要とのこと。旧５町村のうち住吉村のみ村の財産を独自に管理するために「財産区」を設けずに「財団法人　住吉学園」に住吉村の財産を全部集めました。村行事に「だんじり」があるが、住吉村以外の４つの財産区は地元の「だんじり」にはお金は出せません。公共団体のため政教分離の原則があるからです。しかし、住吉村は財団法人なので「だんじり」にお金が使えるという（村固有の財産を自由に使える）特徴があります。「財団法人　住吉学園」は１９４３年に住吉村にあった私立の女学校が経営難に陥った時に村が一切の経営を引き継ぎ、翌１９４４年に財団法人化。１９４８年に廃校になるまでは学校運営が主な事業でした。
※参考文献「神戸東部市民まちづくり支援ネットワーク」

渦森台（うずもりだい）も、古い神戸を知る年配の方の中にはは渦が森（うずがもり）とか渦が森台（うずがもりだい）と言う人がいる。渦森台にある小学校は「渦が森小学校」だ。渦森台自体が、「渦が森」という標高３６２ｍの山を切り崩して造成された場所なのだ。もともと渦が森は住吉村（住吉学園）所有の土地で、1961年、神戸市の事業に協力し土地約33haを譲渡している。

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