「山に取り憑かれた思い出」

20歳の時に行った上高地。
上高地はいい所だと聞いて
ドライブがてら車で入った。

当時はマイカー規制が無かったので、
河童橋の手前まで車で入れたのが
懐かしい。

そして、車から降り、
ドカンと現れたこの穂高の景色に圧倒され、
初めて見たド迫力の山容に感動し、
まだ若かった私は、
冷たい梓川の水を触ったりして
ここの空気と圧倒的な景色を
満喫していた。

来て良かったと思っていた所に、
奥の方へ向かって林道を歩いていく
大きな大きなザックを背負った
登山者を目の当たりにした。

このお二人の後ろ姿、
スっとスリムなザックが
かっこよくてかっこよくて、
その大きな赤いザックを背負う姿に、

物凄い強烈な電流が体中に走った⚡️

「私がやりたいのはこれだ！」

山に取り憑かれた瞬間だった。

今でも鮮明にこの方達の後ろ姿は
目に焼き付いている。

これが私の原点となった。

それまで山は見るものだと癒されて
いたけど、

この時にやりたいコトが
鮮明になった事、

そして今の生きる
活力になっている事、

当時、
生きているって単純だったけど
その単純から解放された事。

今私があるのは、
この見知らぬお二方のお陰。
この方々にとても感謝しています。

そして、ここに来ると、
自分も同じくここから、
この場所から、

ザックを背負って山に入る
嬉しさをいつも噛み締め、

夢を叶えたんだなと実感します。