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夜勤明け。梅雨はまだ明けていないが、爽やかな夏の朝に誘われて三ケ上に向かう。
奥津を過ぎると空は雲が懸かるが、雲の合間に夢心地のあおぞらがのぞく。山腹の登山口に着くと、青空は消えてミストの様な粒が一瞬降る。登山口の上がり口にリョウブの木が花を咲かせていた。登山口は若いトチノキが幾本かあり、日の透ける青い葉を大きな手のひらの様に広げていた。
7:40 登山口から登りはじめると ピョロロロロロ ピョロロロロロ と繰り返すアカショウビンのさえずり。久々に聞くうれしい鳴き声だ! 沢の方からはミソサザイのさえずり。木々の上ではキビタキのさえずりも。登って行くと ツィキン ツィキン ツィキン ツィキン と弱音のヒガラのさえずり。
森の中は薄くみどりの靄がかかって来る。
微かに雨。
登るにつれてガスが濃くなり、森を打つ雨音も大きくなる。
ブナの木に出合い立ち止まる。貫禄ある杉の大木を見上げて眺めた。
三ケ上山頂に8:33 到着。ガスに閉ざされた山頂で、石仏の役行者さんにご挨拶。お顔も体も薄緑の地衣類にえらく覆われてしまっていた。涼しい風が吹き付けて、ガスが流れ出す。周囲の山々が見え隠れして、日が差し込むと青天井が広がった。それも束の間、北からガスが流れ込み山頂をすり抜けて行く。北方面の山々は頂を隠しているが、次第に見晴らしは広がって、野鳥たちのさえずりが下方で賑やかになる。ソウシチョウ? ウグイス、カケス、アオバトなどの鳴き声が聞かれた。山頂付近にはアカモノの赤い果実、オトギリソウの黄色い花、ヤマジノホトトギスの花、ノギランの花、ちょこっとヤマツツジの咲き残りの花などあった。突き出た岩のもとに安置された不動明王さんの石仏にもお詣りする。
南峰から岩を抱えた三ケ上山頂を眺めようと熊笹の原に下って行くと、一本細く立つ花軸に、米粒ほどの淡紅色の蕾と花をぱらぱら付けている野草があった。何だろう?(あとで調べてみると、ヌスビトハギ属のヤブハギみたいだった)。それから、思いがけずキンランの花に出合った。まだ咲いている? 何年ぶりに見ただろう! と思ったが、花の様子がなんかちがう。これもあとで調べたら、カキランの花の様だった。南峰に上がって行くと、リョウブの木が枝先に白い花を咲かせ始めていた。三ケ上山頂のきれいな姿を眺めて、山頂へと引き返す。周囲の山々はすっかりガスを払って見渡せる様になった。緑の山肌に紺色の雲の影が散らばって、じんわり動いて行く。オオヒラ山から大地山、笠菅山へと続く稜線がよく見える。こうして見ると、オオヒラ山から大地山へと一旦落ち込んで続く稜線の感じがよくわかる。大地山の右側向こうには、貫禄ある泉山の山容。その右奥には、二上山の双耳峰が吉備高原のゆるやかな山の起伏の中に二つの峰をもたげている。ゆっくりノンビリしたので往路を下って帰ろう。大山方面は雲で見えないが、山々の起伏の合間に日本海がのぞいて見える。南方面には瀬戸内海に浮かぶ小豆島も。10:52 三ケ上山頂を後にした。山腹登山口に 11:24 戻る。
家に帰るとテレビが中国地方の梅雨明けを言っていた。
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