沢用シューズインプレ【5.10ウォーターテニーC4】

小川谷廊下で5.10の沢用ラバーシューズ【C4】ソールを試してきました。

当日の遡行詳細は下記に記録しました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-906506.html

過去様々なラバーソールを履いてみたものの、活動の中心が丹沢・奥多摩に
なっている昨今、苔ヌメリ対応重視でフェルトソールがヘビーローテーション。
ラバーソールは上越スラブ専用になっておりました。

しかしながら、5.10（ファイブテン）の沢靴「ウォーターテニー」のソールコンパウンドが
変更になってから5.10のラバーソールがとても気になっておりました。

5.10（ファイブテン）の沢靴「ウォーターテニー」のソールが何故アクアステルス【Aq】から
ステルス【C4】に変更になったのか？

5.10のクライミングシューズを愛用している自分にとって【C4】コンパウンドは絶大な
信頼を寄せているのでとても興味があったのです。乾いた岩では最高だけど、
濡れた岩で大丈夫なんだろうか？素朴な疑問でした。

ネットでは苔ヌメリに弱くなったというインプレも多い反面、全然問題ないという意見も多く、
現場で試すしかないという結論に至りました。

先ずはジムで人工壁の試し履き。今まで沢靴では5.9以上のグレードの課題は
厳しかったのですが5.10Cくらいまでの課題を登ることができました。ここらへんは
ラバーソールの利点ですね。フェルトだと5.10以上のグレードのムーブを起こすのは
なかなか難しいですから・・・。

メーカーからリリースされているコンパウンド情報は下記です。

ステルス【C4】

DRYフリクション4
WETフリクション3
エッジング(剛性)4
耐久性3
衝撃吸収性1

ステルス【Aq】

DRYフリクション3
WETフリクション5
エッジング(剛性)2
耐久性3
衝撃吸収性4

一見すると濡れたコンディションではステルス【Aq】のほうが良さそうですよね。

「丹沢ではとても使えないな・・・」

自分も小川谷で履くまではそう思ってました。ところが、当日のコンディションでは
全く問題は感じられませんでした。苔ヌメリ以外の濡れた岩（WETコンディション）
では確実にフェルトを凌ぐ印象。

しかもコンパウンド剛性感が高く、マイクロスタンスに立ち込むようなシチュエーション
ではフェルトの捻れ＆潰れダウンがなく、反発係数が強いのでエッジングの
パフォーマンスは確実に上がります。

下足を切って上足のマイクロスタンスに荷重を移して立ち込むムーブは剛性感に
欠けるフェルトだとなかなかできません。

フェルトでは先端部のフェルトを削るか自然摩耗したものを使って今までは
凌いできました。

流石に苔ヌメリはフェルトとの差はありそうですが、フェルトが圧倒的かと
いえばそれほどの差異は感じられませんでした。2速発進で慎重に荷重をかければ
凝着摩擦は得られます。

小川谷では積極的に苔ヌメリを選択して遡行しましたが、ヒヤリハットしたのは
入渓直後の一度だけです。以降はC4ソールの特性にアジャストできました。

フェルトとC4の個人的な所感をまとめると以下のような感じです。

※キャラバン13mmPPフェルトソール

DRYフリクション1
WETフリクション3
苔ヌメリ　　　 4
エッジング(剛性)2
耐久性5
衝撃吸収性4

※ステルス【C4】

DRYフリクション4
WETフリクション3
苔ヌメリ　　　 3
エッジング(剛性)4
耐久性2
衝撃吸収性1

アッパーとソールがセメント製法で圧着されているので加硫製法の
キャラバン渓流シューズと比較すると耐久性の面ではアウトでしょう。

剥がれたらリソールや張替えは厳しいと感じました。

遡行前後のアプローチ＆脱渓で使用はできますが、壊れることが前提の
使用になると思います。衝撃吸収性もキャラバン渓流シューズと
比較すると劣るのは間違いないのでゴーロの浮石挟み等にも
注意することが肝要かと思います

ただし、小川谷廊下のF2チョックストーン左滝とスラブ状ゴルジュ入口の6m滝
では強烈なスメアリングと的確なフットジャムでクライミング力は格段に
向上したので、フリーソロスタイルで遡行する沢やさんにとっては大きな
武器になると思われます

今後はビブラムのイドロやモンベルのグリッパーとの比較評価を行う予定です。
評価次第またインプレしたいと思います

いよいよ夏本番！シャワークライミングの季節到来ですね

それでは皆様良い沢歩きを！

コメント

to-fu-

RE: 沢用シューズインプレ【5.10ウォーターテニーC4】
ソウルさん、おこんびんわ〜♪

インプレお疲れ様です＾＾
アクアステルスは原材料が手に入らなくなって製造中止にしたような・・・？
慌てて秀山荘の忍者アクアステルスを買いに行ったもんです。

現在はモンベルアクアグリッパーを愛用ちぅ
アクアステルスのグリップが不満で買ったのではなく、忍者の踵の収まりが悪くつま先に乗り込むと踵が浮いてしまうからです。
どうも、自分は踵が細いようです・・・
モンベルは前モデルのフェルトで踵が浮かなかったので、試着してＯＫだったので購入
値段も魅力でしたね、下山でも使って1年ごとに買い替えてもイイという思いもありました。

ゴム系はどれもそこそこいけると思いますが、個人的には踵の浮きの方を重視しています。
グリップは荷重の掛け方、ムーブで補えますから♪
苔は最強武器の「亀の子たわし」があればＯＫ

アディダスが買収してからの5.10のシューズの作りは向上したのかなぁ〜。
以前はアプローチシューズで、ソールのグリップ力は最高でしたが、残念ながら作りは雑過ぎでしたね
流石にアディダスブランドのアプローチシューズは作りもイイし、お値段も手ごろ。
ソールは「C4ステルス改」、改って何を変えたんだろう？ って感じですが
そうそう、アディダスブランドのアプローチシューズはソールのパターンが「トライアングル」です

イドログリップ、アクアグリッパー、ついでにハイパーVソールのインプレ楽しみにしていますよ＾＾

アクアステルス忍者、買う人誰かいないかなぁ〜？

souldoctor

to-fu-さんお仕事お疲れさまです(´∀｀)
ステルスラバーはラック統合でC4コンパウンドに統一したような
情報があります。真偽はわかりませんが、5.10自信作のC4ゴムが
WETでも使えるのかどうか・・・それを小川谷で試してきました

結果は想像していたよりかなり良かったです。Aqゴムじゃなくても
WETグリップばっちりでしたから。自分的に沢はスメアリング重視なので
接地面積依存登攀でグリップは底面頼みです(^_^;)

5.10はソールはいいですけどアッパーが日本人の足型に合う合わないが
ありますよね。ヒールが浅くてヒールフックすると脱げやすいような印象
更に踵が細めだとヒールカップがかなり余ってヒールをかけるとブカブカして
力を伝えづらい・・・事実だと思います。それでもゴムがいいからヒールを
潰してもソールのフリクションでグリップしてくれる。

それが5.10だと思ってます。

日本人の足型にはスポルティバのほうがしっくりきますね。

自分は最近クロックス登攀がしっくりくるので昔よりはアッパーに
こだわらなくなりました

青岩大滝開拓早いうちにやりましょうね