学生時代はよく通ったのですが、社会人になると時間的制限からアプローチが楽で岩が固く、かつハイグレードなルートがたくさんある他の岩場に足が向くことが多くなりました。
でも歳を取るたびに【滝谷】への想いは募り、最近ではふとした瞬間、滝谷での出来事を想い出してしまうのです。今となってはどうってことはない岩場なのでしょうが、想い出すのは劔でも甲斐駒でもなく決まって滝谷のことばかり・・・不思議です。
その滝谷、毎年滑落事故が頻発しています。
今年も残念ながら死亡事故が起きてしまいました。
滝谷は楽しい!間違いありません。中央稜などは、セカンドであればクライミングジムで修練を積むことなく、高度感ある絶景を愉しむことができます。保持力もムーブも別段厳しいものは要求されません。
しかしながら、滝谷は一ノ倉同様岩が脆く落石の危険性や天候の急変が厳しい岩場です。
比較的硬いと言われている二尾根P2早大ですら剥離が多く、プロテクションも脆弱なので簡単なルートでもお客様を連れて行くには躊躇してしまいます。アプローチのB、C、D沢も経年劣化で様相が著しく変化するので定期的に状況を把握しておく必要があります。
正直とてもめんどくさい。
しかも今時の若者は滝谷や奥鐘には行きたがりません。
アクティビティで募っても、参加希望者は年配の方が圧倒的に多い傾向。
「滝谷の魅力とは!」などと語ってもアプローチが楽で、支点が強固かつ難しく達成感のあるスポーツルートは小川山や瑞籬にたくさんありますから・・・。
でも滝谷には小川山や瑞籬にない魅力もたくさんあると思うのです。3000mの高所で笠ヶ岳や五郎など北アのオールスター達をバックに登れるロケーションはやはり素晴らしいし、クラシックルートには若手に伝えていきたい歴史的な出来事がたくさん詰まっています。
年齢的にどこまでできるかわかりませんが還暦まではパフォーマンスを維持し、視察を増やして一人でも多くのアルパイン人材を安全第一で育成していきたいと思っています。
Keep climbing!
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