![]() |
![]() |
![]() |
ストラディバリウスって、あのストラディバリウス??? このお店で聴けるの⁈
偶々オーディオを入れ換え、音に対する興味の延長で、これまた偶々ストラディバリウスについて少し調べていたタイミングだったので即予約。今日行って来た。
奏者は元東京フィルハーモニーのバイオリニスト黒沢誠登さん。
http://enjoyviolin.wp.xdomain.jp/profile/
凄い気さくでお喋り好きな近所のおじさんという感じ。縁あってストラディバリウス(1725年製)をかなりお安く購入することが出来たそう(と言ってもそれなりにするのでしょうが)。驚いたのは弓もストラディバリウスを弾くのに最高峰とされる弓だそうで、そのお値段を聞いて目ん玉飛び出そうになりました。
演奏が始まるとさっきまでのお喋り好きなおじさんが、プロのバイオリニストに豹変。最高の奏者が奏でる名器ストラディバリウスの音を目の前で聴いて本当圧倒されました。途中何度か胸が熱くなり、涙が出そうになることも。
曲が終わる度、お喋りおじさんに戻るので、そのギャップがまたたまらない。余りにも喋り過ぎるので、途中ピアノのお姉さん(黒沢さんと同級生)に「(話しが)長い!」と叱られてました。
1時間程でミニコンサートは終了。あんな小さな筐体なのに、高音から低音まで、あらゆる音が鳴り響くんだから、本当不思議な楽器だとつくづく思う。バイオリンに詳しい訳でも聴き分けられる耳がある訳でもないけど、同時に出る複雑な音がバイオリンの魅力かと思っていたが、実際聴いてみるととても純粋な音だという印象。複雑な音も勿論出せるんだけど、それは奏者の技術で出しているという事の様だ。尤も、黒沢さんだからこそ純粋な音が出せているのかもしれないが。
その後、黒沢さんから「よろしければ皆さん是非手に取ってみてください」との申し出が。この機会を逃したら一生ストラディバリウスに触れる事はないでしょう。皆さんが手にした後、有り難く持たせて頂きました。
f字孔の隙間から覗くと中に貼られたラベルに色々書かれていて、その中にStradivariusの文字を確認。手にしてみると軽いのですが、作成時から色々と伝承があるそうで、世界的名器ストラディバリウスの1挺として歴史的な重みを感じます。真贋については自分がわかる筈もありませんが、鑑定書はお金さえ払えば幾らでも書いて貰えるそうで、利用されている木材やニス、製法などから見分け(但し同じ時代のものは同じ様なモノが多いそう)、最後はやはり音で聴き分けるしかないとの事。聴く人が聴けばすぐわかるそうです。
「こういうのは欲しいと思っても中々手に入れる事は出来ないんです。僕らみたいな仕事しててもね。1つ1つが誰に弾いて欲しいかを考えて向こうからやって来る。この1挺は不思議な縁で僕の処にやって来た。本当に有り難い事ですね」そう語る黒沢さんの言葉がそのまますーっと自分の中に染み込んだ。
「1月にまた来ますので、その時は弾いてみてください。私がサポートしますので」と黒沢さん。ストラディバリウスを弾いてみるなんて1ミリも考えた事なかったな。実際にそんなチャンスが巡って来るかはわからないけど、黒沢さんの奏でるストラディバリウスを聴きにまた行かなくちゃですね。