山岳部、ワンゲル部で昔ならしたこともない、全く山に縁がなく、山趣味に入って来た自称やまびとは結構な割合いると思う。
私ｇも、そういう全くの素人で約２０年、名の通った山から裏山のような雑山まで楽しんできた。
その後も、プロの指導も受けずに単なる素人山愛好家として現在に至っているのだから命をかけるようなこともあえてしなかった。
そんななかでの「びびり」だから、本格的山人の基準からは、「ちょびり」に過ぎない。
それでも、その場に瀕して「どうしよう！」と困った訳だから、そういう人対象に思い出を辿ってみた。
「道が見つからない」
「勘違い」
「時間不足」に分かれるが、いずれも、遭難するかもしれない状況でもあり、心の余裕を一時失う。そこから、考えて行動する。
そんな中で自然と安全に対する備えもできて来たような気がする。
具体例になる前に、その結果を対策として先にまとめておきたい。
１．対策
１）落ち着け！、あせるな！、時間的余裕をとろう(
早めに対処）。
現場ではこれしかない。このごにおよんだら腹をくくる。
２）暗くなったら無理に歩かずビバーク、明るくなったら行動。
初めてのところは、ツエルト位持参せよ。
３）予め地形を知っておく。特に下山コースの周りの尾根や沢、
岩山かどうか。基本は沢にでるな、尾根にでる。
岩山でなければ、時間が掛っても尾根伝いに出れる。
岩山やそこに林道があるところは、崖があるか、岩の崩落のフェンスがあって、通過出来るところはない。
（初めてなら、沢と岩山を下山に使うな！）
４）確か・・・記憶はあてにならない。ｇｐｓは確かだよ。
５）備えあれば憂いなし
ツエルト位持参せよ。
次は、ビビった具体例です。
２．びびったよ
＜道が見つからない＞
�＼轍�県京丸山洞木沢林道付近の尾根にて、下山中に道が分岐して不明に。
直ぐ林道があるが、林道は崖があり、降りられない典型だ。
何度か同じところを行ったり来たり、ビバークかなと覚悟。さまよったあげく、沢に向かいそうな分岐の道を試し、これが正しい道だった。沢側に前で尾根に沿った道になったのだが、沢に向かうと思ったのが勘違いのもとだった。
�∪轍�県岩岳山からの杉川渓谷側に下山。沢に到達したが、付近に有る筈の登山道が見つからない。沢沿にくだるも渓谷の岩に阻まれ前進不可。暗くなったらアウト。焦りましたよ。いったりきたり。このときは、完全にビバークを覚悟しました。岩を避け、沢沿いより上に移動してみると、有るじゃないですか登山道です。涙が出そう。気付かずに突ききって降りてしまったらしい。
��残雪期、宮城県不忘山・屏風山から沢伝いのルートで白石スキー場へ下山。沢ルートで雪のため、ルート一部崩落、ルート表示各所で不明
。足場を求め、沢の両側を往復。焦って転げること数回。
最後は、ｇｐｓに便って、スキー場へ到達。落ち着けば、転げることも無かったのだが、焦りがそうさせるのですよ。
＜勘違い＞人の感覚は当てにならない。
�せ沈磴猟耕邯�蓼科山を往復。下山中、何となく違う道を下りている気がする。途中の小屋も見えてこない。このとき残雪でも吹雪だった。ここで下山できないと遭難して死につながってしまう。焦った。GPSではあっている。登って来た道と違う気がするだけだ。道といっても雪でないのだから周りの景色だ。ｇｐｓが間違う筈はない。ｇｐｓのルート図に沿って降りた。あった。小屋だ。登りの目で見る景色と下りの目でみる景色は全く違うのだ。
�ド抻蓋�人形山手前の分岐から下山中、ｇｐｓで見ると、分岐に戻っているようだ。ここも迷ったあげく、ｇｐｓのルートにそって、進んで正規の方向に戻れた。長者屋敷方向へ下山しているはずなのだが、尾根の笹を越えて反対側に出たところで方向を間違えていたようだ。
大したことではないが、行ったりきたり時間をロスした。
同じことが、静岡県水窪の奈良代山でもあった。
＜時間不足＞
��静岡県大無間山から下山中、途中の中電の小屋に泊まらずに下山。途中で段々暗くなった。麓までもう少しなので、がんばったが、ヘッデンで道を見るも確かでなくなった。意を決して、右際にツエルトを広げ、横になった。何事も無く早朝を迎えた。立木の向うに道が延びていた。たったひとり泊まると、熊でも襲って来そうな気がするのだが、今までの経験で、熊が向うから寄ってくることはないと知っているので、その心配はしたことがない。
＜びっくり・ひやひや・どうしよう＞
��林道に大木が落ちて封鎖（易老渡への林道にて）
どうしようもないので、安全なところに移動して腹をくくった。
��途中、雨、激しい雷
道端に早めにテントを張って潜り込んで、後は運を天に任せるのみ。
外は、氷点下になりました。テントやツエルト、シュラフがなかったらどうなったでしょう。道迷いや怪我で動けない場合も想定して、持参が肝心。日帰り登山、トレイルランの方注意。備えあれば憂いなしですよ。
以上、面白いことに、というか、当然ながら、多くが下山中に起こっている。それだけ、心配は、下山時に起こるのだ。登りでは、時間的余裕があり、ダメなら戻ればよいので滅多にびびりに逢いません。下山は、時間的余裕が無く、ルートが絶たれればいつでも起ってきます。
おしまい！（ｇ）
やはり、下山中の遭難が多いわけデスね〜肝に命じますね〜貴重な体験談ありがとうございます〜山行にして山行しますね〜(^○^)！
masaKtaka様
コメントありがとうございます。
かくして無事でいます。（ｇ）
gakukohさん、はじめまして
言い得て妙、的確に本質を突かれているし、対策も完璧ですね。
専門的な指導を受けていないとのことですが、やはりご経験のなせる賜物でしょうか、凄いです！
転落や滑落はさておき、それ以外のアクシデントは何か対策はあるはずだけど、やはり焦りますよね。
とにかく落ち着いて考えることが大事だと私も思います。転落や滑落だって”焦り”が原因である場合もありますよね。
それと、疲れていると、やってはいけないと頭では判っていても、やってしまう事があるので、これも気を付けなくてはいけませんね。
なにか偉そうな、上から目線のコメントみたいで済みません。m(_._)m
guchi999様 コメントありがとうございます。
何回か、焦りことに遭遇してしまって、その都度、無事で終わっており、ラッキーでした。特に最近は、山頂狙いより展望狙いですので、天気予報が晴れマークの地域を探していきます。「山の天気」で毎日、天気と風でＡマークの山域ということで決めるので、天気は大概最高。雨にでもなったら、即、撤退。
何せ３人のパーティーですから、直ぐ対応が決まります。
この点では、ツアや団体は、止められないので、無理に行きリスクが高いと思います。知らないところや、残雪の山では、いざというときのビバーク用にテントとシュラフなどを入れていきますが、元論使わずに終わります。
それにしても、ｇｐｓを持ってから道迷いはなくなりましたので、助かりますね。最後に、「いい山遊びを！」（ｇ）
gakukohさん、おはようございます。
>> ＜勘違い＞人の感覚は当てにならない。
この一言に尽きますね。GPSを使うようになって行動範囲は確実に広くなりました。また、少々のルートミスなら怖くありません。最も怖いのは、ルートミスに薄々気が付いてるのに、ドンドン先へ進むこと。これもなくなりました。
これから日没が早くなるので、下山が気になりますね。大変参考になるお話しありがとうございました。
Juantonto様
コメント有難うございます。実際、その場にあたると、ビビりますね。
ビビったあと、どれだけ、冷静になれるかと、ビバークなどの用意があるかで結果が違うということだと思っています。
この前も、7月に便ガ島から聖岳に行こうとした時に、土砂降りになって、林道が封鎖になる前に逃げ出そうとしたら、すでに落木が起きて、出られなくなっていました。それも焦りました。結局、やむをえず、易老渡の駐車場に戻って、翌朝、光岳登山にして、その翌日に安全に戻れましたが、初めての体験でした。真っ暗な林道で目の前が８０ｍ位大木が落ちていたのですから、愕然としました。
最近、人ごとながら、気にかかっていることは、日帰り登山者とトレランの方がで標高２５００ｍ以上の山を一日で歩く方が多いことです。
これらの方は、速く歩くため、荷物が軽く、当然、ツエルトや寝袋は持参していないと思いますが、道に迷った、時間が不足して暗くなった、足をくじいて歩けないなどのいざというときには、寒さで死亡遭難の恐れが強いと思うのですが、
私だけの不安でしょうか。私は、ツエルトや寝袋は、そういう場合やはじめてのところは持参するようにしています。大概は、うまく行くのですが、１００回に1回でもそのような不都合が起こった時に備えてないと、終わるのだと思うのです。私の場合は、臆病に備えているので、安全を保てているのだと思っています。（g）
リタイアの記事も含め、素晴らしいです。勉強になります。
GPS,私の知りあいは肝心な所で壊れてしまい違う道を指示し続け、気が付いたときは日が暮れそうになったためビバーグ、翌日改めて地図読みして元の位置に戻れたそうです。故障、という事もあるのでやはり地図読みは覚えた方がいいと言ってました。
nekobabaさん
コメントありがとうございます。
そうですね。ｇｐｓの故障で、移動しているのに、表示が同じ位置になっていることも経験しました。完全にダメになった場合も1回ありましたので、やはり、
地図とコンパスは、携行しています。いつも、カシミール３Ｄの地図上でルートを作成して、ｇｐｓに搭載して持参し、ルート図から離れないようにしています。枝尾根があると、３０ｍくらい外れてから修正して戻ることがよくあります。
リスクのなかでは、滑落の確率は少ないですが、道迷いの確率は高いですね。
焦って沢にでもでたらおしまい。沢は、滑落の危険性が高いですよね。
時間的余裕と暗くなっても１泊できるようにビバークセットを持参するのが一番だと思っています。他でもいいましたが、高山の日帰り登山とトレールランは、
所持している装備がないだけに、なにかあったら終わり、心配だと感じる世情です。（ｇ）
はじめまして koufaxです
非常に勉強になりました
私も、多々遭難の局面に遭遇しているので、この文章には説得力があり、また、山の怖さを思い出しました
やはり、山での経験が生きてくるのが登山であり、その積み重ねと学習能力が必要ですね！
肝に銘じて登山に向き合います
私も、遭難は「下山」に起こると確信しています
ですので、登り始めの時間をできるだけ早い時間に
しています
やはり、余裕が絶対に必要だと思います
最近、ツェルトを持参しなくなりました
登山初めのころは、毎回、ツエルト、GPSの電池（4本）、非常食等 持参していたのに、、、
時間とともにおろそかになってしまいました
koufaxさん
コメントありがとうございます。
こんなまとめをできるのも、命を失う結果にならなかった運だと思ってます。
私は、年齢が大分上になったので、これからは、残りを大切にしていきたいと思います。ｇｐｓが無い時は、よくわからなくなりましたよ。
（ｇ）
地元密着型登山で主に九州の山を歩いて４０年ｇさんの倍かな。
なんだか記憶力や五感が鈍くなり(７０歳越え）ついに＋ＧＰＳのお世話になっています。
パニックになって焦った苦い経験もあります。
転ばぬ先の杖 たったツエルト・非常食等の不備で命は失いたくありませんよね。
iwabuchi７３様
コメントありがとうございます。
４０年すごいですね。私の倍ですよ。
７０歳。お互い声を出して頑張らくっちゃという年齢ですよね。
安全に残りを楽しみましょう。
私は、どちらかというと臆病な方ですので、前もって備える方になっています。
リスクに逢う確率は低いとは思っています。
それでもずっとやってくると、マイナー好みで充実感を感じます。
九州は、１６年前に、会社を中途退社したときに１月訪れて、有名どころを歩きました。温泉がいいですね。（ｇ）
僕もビビりで地図にコンパス、非常用のグッズは必ず保険として携行しています。
これらの非常用グッズは使うことはほぼないですが
いざというときに自分の延命を助けてくれるものと思っています。
これらを携行してなければ正直、その日の登山を断念します。
gakuhohさんのこのレポートは登山をしているものならぜひ心がけるべき心構えだと痛感します
junbaderさん、おはようございます！
コメントありがとうございます。
遭難に到らずに済んでいるのが、ほとんどなのですが、極めてまれに遭難側に転ぶ紙一重の状態にあったり、そのことが気付かずに終わっています。
後はその確率をさげるため、臆病なほどに準備して、いざとなったら、冷静に行動する。こんなことをいっていても、明日遭難するかも知れませんけど。
例えば、私の範疇からいえば、トレランの方が、あの軽い装備で２０００ｍ以上の高地を走るのは、暑い夏場以外は、命取り。途中で、足をくじいたとかあれば、夜の寒さでアウト。どうするんですかね。・・・と思ったり。
多くの方は、うまくいっているときを標準にしていると思います。うまくいってない時に備えるという考えが決定的な違いと思われます。
（ｇ）
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