人気の山か、避密の山か

さて夏山シーズンも終わりが近づく今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、みなさん人気の山か、避密の山か、どちらがお好きですか？

私はなんだかんだやはり避密の山が好きなのだな、と燕岳と阿弥陀岳という対極のような山をこの1週間で登って思いました。

人気の山には人気の山なりの人気のワケがありますよね。

山小屋がいろいろある、山小屋の名物メニューがあったり、山の上に温泉があったり、おりたらすぐ温泉があったり。

まあもちろん山小屋がたくさんあったりするのは万が一のときに助けを求めたり避難できるということも意味するのでこれはこれで大事ではあるのですが。

万が一という点でいえば、人の少ない山はクマをはじめとして獣がでるのでそれには気を使いますね。ヤマカガシが登山道わきの木の上で寝ていたなんてこともありました。
熊鈴も鳴らしておかないとちょっと怖い。先日10mほどの距離でうっかりクマさんと鉢合わせするという恐怖体験以来怖い。次も無事に帰してもらえる保証はありません。

とはいえ人気の山は疲れます。

まず駐車場からして争奪戦。
これが一番嫌かもしれない。

争奪戦に出遅れたらはるか下からバス移動みたいな話になったりするのはいただけません。

次に疲れるのが登山道。

人気の山ほど子供さんから高齢の方まで幅広い層の方が歩いているのでペースは当然あいません。

すれ違いはまあ自分が譲れば大抵解決するのていいのですが、一番気を使うのはやはり追い越し、追い越され。

私自身はだいたい標準コースタイムか標準よりやや速くらいで歩いているのですが人によって速い方も遅い方もいるわけで。

煽り歩行になるのもなんなので前の方がつまってるなぁ…とは思って間隔はあけて、広くなったら追い越しを考えるわけですけど、これを始終考えてないといけないのは難儀ですね。

まああまり車間距離ならぬ人間距離をつめると落石を食らったりするのでそもそも論として間隔はあまり詰めないで済むならつめないに越したことはないです。

安達太良山を登ったときに前の方が子供の頭ほどある巨大な石を落石させてきてしまって、それが目の前に落っこちてきて随分冷や汗をかいたので落石は嫌ですね。

人気の山になるほど普段あまり登られない方も多くなるので、落石しにくい歩き方というのを意識されていない方も多くなるし落としても気づかないのか気にしてないのかゴロゴロゴロゴロ落ちてきたりして結構怖い。

逆に自分がうっかり落石おこして人に当たるのも怖いです。

追い越されも追い越されで気を使いますよね。
トレランの方とかかなり速い方には当然譲ることになりますが幅が狭い道などはやはり神経つかいます。
そしてトレランの方みたいなはっきり明らかに速い方はいいのですが、微妙に遅い方にタイミングで追い越されてしまうとすぐに追いついてしまってまた追い越し追い越され問題が出てくるので疲れます。

こういう登山道では熊鈴はみなさんほとんど人間向けにつけてるような気がしています。すれ違いのときや追いついた時に私ここにいますよ〜的な。
なのであまりチリンチリン鳴らすと煽り歩行感でちゃうので私は人が多いところでは鳴らないようにしていることも多いですが。

対する避密のお山。

なんと言っても人がいない！

まず駐車場争奪戦が少ない。まあ代わりに舗装がなかったり台数枠が少なかったりするのでこれはこれで別の問題はあるのですが。

次に自分のペースで歩ける。

これはすごくストレスがない。速く歩いてものんびり歩いても時々止まってもいいというのは快適ですね。

お花やキノコを見るのに立ち止まることも多いので気軽に立ち止まれるのはいい。

まあ逆に避密の登山で悪いところは、

基本的に小屋もないからあらゆるものは自分で担がないといけない。当たり前ですが。

だからご飯のメニューも限られますよね。もっていけるものには限りがある。
その上かわりばえしない。自分でもっていくからいつも似たようなメニューになります。

それからやはり遭難リスクは高まりますね。
獣もそうですが、悪天候などに見舞われても避難小屋が少ない山もおおいです。万が一怪我などしたり滑落した際にも周りに人がいないのは助けを呼べる可能性が下がるわけで。

獣対策で熊鈴もしっかり鳴らさないといけないし、万が一に備えた心づもりでいないといけない。

それからなんかちょっと怖いことも（笑）
山に頻繁にいくと不思議体験のひとつやふたつがあったり、なんとなく気味の悪い場所のひとつやふたつは通ると思うのですが、やっぱそういう意味でも怖いかも（笑）
なんだあれ？と思ってもそういうのは深追いしないに限りますねw


歩く上での快適性
避密の山>>>>>>人気の山
万が一のこと
人気の山>>避密の山
って感じですかね。


長々書きましたが、わたしは避密の山が好きです。

人と会いたくなくて山にいくような節もあるのでやっぱり落ち着く避密の山かなぁ。

静かな山歩きがしあわせかんじられるなぁ、としみじみ思ったこの1週間でした。