城としての安田要害山城

　（城としての安田要害山城　独り言）
　
　この山城は出雲と伯耆の国に股がり、安田要害山は出雲国側の呼称で伯耆国側では新山要害山と呼ばれています。
　戦国期において手間要害山とともに、出雲国（月山富田城）〜伯耆国（尾高城）の交通の要所として、尼子氏の伯耆統治の重要拠点でした。また尼子十砦（あまごじっさい）と呼ばれる、安来十神山城などとともに月山富田城直属の支城として防衛上の重要拠点でした。
　毛利氏による第二次月山富田城の戦いの時、尾高城の攻略を成功した毛利方の杉原盛重が伯耆から月山富田城への兵站を切るため、永禄7年（1564)に江美城を攻略し、永禄8年にこの安田要害山城を攻略しました。
（注　江美城攻略は永禄8年(1565)とする説もあり、この場合、永禄9年(1566)に安田要害山城は落城した事になります。余談ですが江美城のある江府町は永禄8年説を江美城関連資料に採用しています。尾高城のある米子市は永禄7年説を尾高城関連資料で採用しています。ウキペディアの履歴も以前は永禄8年の記載が永禄7年に代わっています。これはのち発見された毛利元就の江美城に関する感状に書かれた年が永禄7年だった事を採用したためだと思われます。）
　この安田要害山と手間要害山の落城により、伯耆から出雲への兵糧の陸送が困難となり、尼子氏の月山富田城は孤立化し永禄9年(1566)の降伏開城へと繋がりました。