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しかしながら、就職後は常にPCを使った仕事や、姿勢の悪さから視力が低下し、自身が場合によっては10メートル近くキャスティングした先の、親指の爪ほど大きさのフライを見失い、デッドドリフトしている状況などを確認することができなくなってしまったのである。渓魚の活性が高まるまずめ時など、特に薄暗い渓流の水面に漂っている状況を、目で追うことができなくなり、フッキングのタイミングが何テンポも遅くなってしまったというものだ。
おかげで、おそ合わせとなり、バレることもしばしばとなった。
フライは、そのタイイングの過程ではものを作り出す創造的な作業の繰り返しであるとともに、釣りという実践で使うことと、釣り上げた渓魚の口から挿入したストマックポンプで、胃の中にどんな生き物が食べられているかということから、その食生活を垣間見る発見学習でもあり、渓の自然サイクルを学ぶ場でもあると私は考えている。
いかに、生のベイトに近づけるか、そのためのフライのマテリアルは何を使うのか、色は、大きさは、・・。それこそ限りがない世界である。今となってはワシントン条約などで輸入が禁止されてしまったマテリアルも多く、化学繊維の使用も著しい。
渓流釣りには遊漁券を支払って入渓するのがほとんどであるが、入渓期間中は、逃がした獲物に想いを馳せながら、それこそPDCサイクルで再びチャレンジすることが面白いところである。
また禁漁期間中も、来季の獲物に向け、インドアーフィッシングならぬ、フライタイイングがまた面白い。
こうして綴っていくと、またいつかはという気持ちになるが、タイイング中でも老眼鏡をかけたり、外したりというい手間や、ハウスダストの原因となったりと、家族の理解も得られないままの作業となり、1本巻くのに夜通しということもある。
結果、添付のように、使わず残ってしまったフライが、何百と出番を待ってしまっている。
将来私が逝去後は、独りよがりなこのような思い入れも、処分されてしまうのだろう。
川の中に沈む岩に片足で立ち、もう片方の足でバランスを取りながらフライキャスティングすることができなくなったこと、キャスティングポイントを探しながら遡行しキャストするわけであるが、そのペースおよび遡行距離、撤収後の帰路での足腰の痛み、ティペットの交換時に、フィッシャーマンノットが面倒となりもっぱらネイルノットになったこと、フライのアイポイントにティペットを通すことがしずらくなったこと、ゴルジュや滝つぼなどに突っ込んだ後の体温の低下に耐えきれなくなってきたこと、・・・。
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