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大変おこがましい話で、お叱りをいただくこととなるかもしれないが、ある時、軽自動車の四駆に乗っていた頃の話。次は普通車の四駆にと願望をもっていて、とあるモータースを、ひやかし半分で訪れた。
そこの店主と、四駆の良さや趣味に至る話までいろいろと花が咲いたのであったが、なぜか、 「結婚するなら、普通車に乗ってなければ難しい、そのぐらいのかいしょうがなければ」と、おっしゃったのだ。
会話は一気にトーンダウンし、店を後にしたのだった。
少し疑問はあったが、いいアドバイスを頂いたのだ、と思いこみ、スバルレックス4WDから、二回目の車検後、中古ではあったが、念願のクロカン四駆(いすゞ ロデオ ビッグホーン LS)を手に入れることとなった。
納車後、うれしさのあまり、あてもなく水窪方面を目指し、途中左折、山住神社に無事到着した。ここは、気田川へ尺アマゴを狙いに行くとき必ず通過するところ。今回は、不届者だが、神社のステッカーを貼ることで、安全祈願ができればと、考えたわけだ。ついでに、おみくじも引くと、なんと大吉。私は、前途洋々だと勘違い、「そうだ、ついでに、厄除けでたまに行く、袋井の法多山に行こう」ときめ、西日にかげる秋葉街道を南進した。
到着すると、駐車場には数台の車しかなく、急がないと、名物の厄除けダンゴを手に入れることができなくなると思い、駆け足で向かった。しかし願いも虚しく、時すでに遅し、閉店であった。
息もあがり、汗をかきながらであったが、参拝だけでもと考え、手を清め拝殿に向かった。そこでも、おみくじをひいてみた。また、なんと、大吉。
広い境内には私ひとり。さきほど手を清めた場所の足元に、誰のものか、クラッチバックがあることに気づいた。暗がりとなってしまった中、周りを見渡しても、人の気配がないことを確認した私は、帰り道、近くの交番に届けようと、中身を確認せずと最寄りの交番に立ち寄った。お巡りさんは、けいら勤務中らしく暫く交番内で待たせていただいた。
帰路を急いでいた私は、持ち主に届きさえすればいいと申し出たが、私が拾ったものなので、おまわりさんの前で、中身の確認をしなければいけないと言われた。
仕方なく中身を取り出すと、広告に包まれた、新札の一万円札が20枚ほどと、九州方面の明日の新幹線の切符と指定席券。私は、お礼は不要として、国道1号線でゆっくり帰路についたのであった。
帰宅すると、母から、今しがた、太宰府市の方から、カバンを拾っていただいて、ありがとうございましたと言っていたとの連絡があったと。後日いただいた、お礼状には、当日娘さんの結婚式が浜松であったとのことであった。
それ以来、大吉のおみくじを引き当ててなくとも、世のため、ひとのために、ことを成すようにと、その時の二度の大吉の効果と、今も思い続けている。
単純細胞の私の心残りは、厄除けダンゴをお土産にできなかったことだけ。もともと、伊勢土産の赤福も好きで、名古屋に出かけたときは、必ず購入するほど甘味党である。
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