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皆さん、「森は海の恋人」運動ってご存知でしょうか?

これは、宮城・気仙沼で牡蠣や帆立の養殖業を営む畠山重篤さんが始めた活動で、
豊かな海を育むためには豊かな森が必要だ!、森は海の恋人だ!を合言葉に、
植林活動をする、というものです

海の豊かさはなんとな〜く山の豊かさ、森の豊かさと関係しているんだろうな〜というのは分かるような気もするのですが、
実際、どういう科学的根拠があるのかって僕は知りませんでした・・・

そのことをやさしく教えてくれたのが、この畠山さんが書かれた「鉄が地球温暖化を防ぐ」(文藝春秋社)です。
ちょっと内容をご紹介しますね!
まず、豊かな海というのは魚や牡蠣、昆布などの動植物が豊かであることとすると、
その数多くの動植物が育つためには食物連鎖の一番下層にある植物プランクトンが豊富でなければなりません。
その植物プランクトンの生育には窒素やリン、ケイ素などの栄養素が必要になります。
(昔、小学校の理科で習いましね〜、チッソ、リンサン、カリ!って

ただ、この植物プランクトン、海水中にたくさんの栄養素があってもあるものがないとこれらを体内に取り込むことができません、
そのあるものというのが、鉄!なのです。
(鉄がなぜ必要なのか?は是非この本を読んでみてくださいね〜

では、鉄、まわりを見渡せば鉄はどこにでもあり、一番馴染みのある金属のように思えます。
だから、鉄を吸収することは簡単なのでは?と思うのですが、これがなかなかクセモノ、
鉄は酸素によって酸化されやすい性質を持っています。
この酸化された鉄、酸化鉄は粒子の形をしていて大きすぎるため植物の細胞膜を通過できない!

っとなると、植物はどこにでもある鉄である酸化鉄を吸収できないのです。。。
そこで出てくるのが山であり森なのです!
(あ〜、やっとここまでたどり着きました。。。この若干ややこしいテーマで書き出して若干後悔し始めるとこでした。。。

山や森の木々の葉が落ちて堆積し、それを土中のバクテリアが分解すると、その過程でフミン酸やフルボ酸という物質ができます。
この物質が土中にある鉄粒子を溶かして鉄イオンにし、フルボ酸と結合すると
フルボ酸鉄という安定した物質になる。
このフルボ酸鉄は安定し、鉄との結びつきが強く、よって酸化されない!
っということは、山や海で生成されたフルボ酸鉄は酸化鉄になることなく、川を経て海にたどり着きます。
そして酸化鉄と違って、フルボ酸鉄は植物の細胞膜を通過できるので、きちんと植物プランクトンに吸収される。
これで植物プランクトンが育ち、それを食べる動物プランクトンが豊富になり、
それが魚や牡蠣、帆立を育てる、というわけなのです!ふ〜っ!

ちょっと難しい話になりましたが、とにかく!海を育てるためには山や森が重要、その間をつなぐのが鉄である、というお話でした。
本にはもっと詳しく&やさしく書かれていますので是非読んでみてください

これから寒くなって、魚も牡蠣も美味しいシーズンですね〜、
そんなとき、この海の恵みは山や森が豊かなことで育まれているんだ〜と思うと、
なんだかまた自然に感謝デス!

たしか似た様な活動?で、鉄鋼各社が溶鉱炉で鉄を作る時に出るゴミ(スラグだっけ?)を沈めて漁礁にしたり、腐葉土と混ぜた土嚢を作って海岸に埋めることで海藻を育てているそうです。
(いつのニュースだったか忘れました)
この活動によって磯焼けが軽減されたり、漁場が回復したりと成果が上がってるようです。
こんな感じで荒れた山も回復出来る技術が出来てくるとさらに良いんですけどね〜
tszkさん、こんばんは!
コメントありがとうございます♪
おっしゃるように海の再生活動として鉄を海にまいているなどの活動について、
この本にも実例が多数書かれていました!
この場合、海に不足しているものを足してあげる、という意味では
とても簡便で、また即効性があるようなのですが、
荒れた山となるとこれは根本的に原因がもっと複雑なので
そう簡単にはいかないですよね。。。涙
やはり登山者のモラル、そして努力が地道ではあるけれど必要なんでしょうね。
自然とは常に変化していくものであったとしても、
それでもやはりいま美しいと感じるものは後世の
人たちにも美しいと感じてほしいな〜と僕は思いますし!
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