すっかり暑くなってきたので、涼しくなる(かもしれない)実話を一つ。予め断っておきますが、幽霊を始めオカルトの類いは信じていません。哲学的にも科学的にも懐疑主義が好きです。
某年某月。ある冬季小屋に一人で泊まった時のこと。星空と朝焼けの写真を撮るため、私はまだ暗い丑三つ時に出発の準備をしていました。
すると突然、外開きの小屋の扉が「ぎぎい〜」ときしんだ音を立ててひとりでに開き、続けて「みしっ、みしっ、みしっ」と、私のすぐ側にある階段を登っていく足音がしました。
さすがにぞっとしました。営業期間中は使われている二階ですが、冬季は板で塞がれていて入ることはできません。しかし、微妙に隙間があるので、意を決してヘッドライトで照らして覗いてみたところ………誰もいませんでした。当たり前ですが。
それから数年後の冬。同じ冬季小屋に泊まりました。この時も私一人です。「そういえばこの冬季小屋であんなことがあったなぁ」と思いだし耳を澄ましてみますが、誰もいない山小屋は本当に静かです。自分がたてる以外、何の物音もしません。明るいうちは…。
夜。星空の撮影を終えて小屋に戻ってくると、出かける前にはしなかった音が、周囲からひっきりなしに聞こえてきます。屋根の上を何かが次々と転がっているかのような…板の上を何かが転げ回っているかのような…。「子供の頃、板の間でビー玉を転がした時に聞いた音にそっくりだなぁ」と思いましたが、深く考えても仕方が無いので、気にせずシュラフに入って寝ることにします。眠りに落ちるまで、その音が途絶えることはありませんでした。
翌日。午前3時過ぎ。撮影のため早めの時間にセットしておいたアラームで目を覚ましました。件の音はすっかりおさまり、小屋は再び静寂に支配されています。「あれは雪が屋根を転がり落ちる音だったんだな」と思いつつ、準備のためヘッドライトをつけてふと小屋の隅に目をやると、昼の間には気づかなかったビー玉が一つ転がっていました…。
おしまい。
※ この時の山行記録は書いていません。
はじめまして。
怖いです、避難小屋の話し。こわがりなので。
私も4年前、白山の某避難小屋でひとりで泊っている時に、だれかが私の足を触っているような感じがして、なかなか眠れませんでした。
避難小屋はよく泊りますが、今では怖くならないように、色々対策を練っています。
naoe様、コメントありがとうございました。お返事遅れて申し訳ありません。
私はまだ避難小屋に泊まったことはありませんが、雰囲気的には避難小屋の方が数倍怖いところが多いですね。そういうのを信じない私でも、積極的に泊まりたいとは思いません(笑)。
歩いている時に肩をたたかれる気がしたり、後ろから足音がして振り返っても誰もいなかったり、話し声がするのに誰もいなかったりとかはよくあります。山の中で一人だと神経過敏になって脳が誤作動するのでしょうか。
イヤホンつけて音楽聴きながら寝る、なんてのはどうでしょう?たまにやります。
duhmeさん、今晩は。
怖いですねー。
そんな怪しい山小屋に私なら絶対また泊まろうなんて考えません!
ビー玉で思い出したんですが、全然違う怖さを感じた私の話です。
東日本大震災の時は鈴鹿に居たので被災しなかったのですが、空き家となっていた私の宇都宮の自宅が心配であの年の5月連休に見に行った時のこと。外観はなんら問題が無いように見えてほっとしてたんです。鍵を開けて中に入っても特に異常はないように見えたんですが、室内を歩いていると妻がなんか変だと言うんです。もしかしてと思って車からゴルフボールを持ってきて、床に置いたんですね。そうしたら、物凄い勢いで転がりだしてもうビックリ。あの時の恐怖といったら、なんて形容してよいやら。トヨタホームの営業さんに連絡を入れて、傾斜をみてもらったら、南北に5cm傾いてますって、、、もうがっくり。
傾きを直すのに結構な出費が掛りました。ある程度保険で補填はされましたけど。それ以来関東で大きな地震があるたびに怖い思いをしています。
C-3PO様、こんにちは。お返事遅れてすみません。
調べてみても、そういった噂のある山小屋ではないんですけどね。疲労からくる幻聴だったのでしょうか。音はともかく、風が穏やかなのにドアが開いたり、ビー玉があったりしたのは事実ですが…。
それは大変でしたね…。私は東京だったので、徒歩で帰るはめになったくらいで済みました。「登山に比べたら何でも無い」と思いましたが、アスファルトの上を革靴だと疲れます。登山靴のありがたみが分かりました。
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