![]() |
![]() |
![]() |
今になって振り返るのは、やっとその頃の記憶を引き出せるようになったから。
ずっと頭に靄がかかったような状態だったけど、ようやく少し霧が晴れてきたようで。
芦生の懐深い原生林を歩いた思い出を残しておきたいなぁと思い、今さらながら日記に書き留めることに。
芦生の森は、普段は立ち入ることのできない京大研究林の中の渓谷を、ガイドしてもらいながら4.5時間かけて歩いた。
真夏の暑いさなかではあったけど、長靴を履いての沢歩きだったので、涼を感じることもできた。途中雨もあって、森全体が湿り、木々や葉が露を蓄え森の緑が一層深く鮮やかになり、もののけの森のようだった。
花の名前の由来や木の実の特徴など植物のあれやこれやを教えてもらいながら歩く道中、見るものすべてに興味がそそられた。
うだる暑さの中での沢の水の冷たさ、雨上がりのムシムシしてレインウェアが肌に張り付く感覚、時折抜ける風の気持ちよさ、中には不快と感じることさえも、山の思い出はよいものばかり。
前日の睡眠不足で、帰り道ついにウトウトして睡魔とたたかいながら歩くことになり、電車の中では眠りこけてしまいさすがにこれは良くないと後になって反省したけど。
それでもやっぱり山はよかった。
ただ、心地よい疲労感や発見や楽しさ、これらを共有したいと思うけどそれは叶わなくて、胸の隅っこが寂しさで疼く。
山に行っても、分かち合いたい気持ちの行き場がなく宙ぶらりんになる…のに、それでもやっぱり行きたいと思ってしまう。
偉大と言えるほどの山の経験は全然ないのだけど、でもすでに、やっぱり山は偉大だと思う。
まだ知らない山の魅力を体験したい。
もっと山を知りたい。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する