今年は実によく山に行った。自分でも驚くほど。大病をして、リハビリでチマチマと近所を歩いている私をパートナーは滝に誘い、トレッキングに誘い、アスファルトから山道に誘い出してくれた。もしかしたらもう少し歩けるかも、もうちょっと歩けるかも、また山を歩けるかもと歩き出して、数年前大菩薩嶺に上がれたことが火を点けるきっかけになった。
とは言え、無理は禁物。山は月に一度。低山、里山散策も月に一度と決めてここ数年は来たけれど今年は違った。
私は百名山とかの類に全く興味が無い。山を始めた数十年前から一度も惹かれたことが無い。むしろ否定的な考えを持っている。そんな私でも一つだけ昔から気にしてしまう数字がある。それは何日間、山に入っていたかという日数。それだけは昔からこの時期になると気になってしまう。昔はさておき、ここ数年は10〜20の間を行ったり来たりという程度だった。
ところが今年はその倍を超えている。予定では年内あと5日間は山に入るのでさらに数字が伸びることになる。いやはやどうしたことか。
私はこの山に「入る」という感覚が好きだ。「登る」でも「行く」でもなく、もちろん「制覇」でも「達成」でもない。「入る」という感覚が好きなのだ。私にとってそれは、自分自身を山に同化させていく一つのプロセスを表現していて、つまるところ、それは山にとって部外者の人間が山で「過ごす=暮らす」ことにほかならない。
それゆえ今年、山に入った日数がとても多かったことが私はとてもうれしい。体の一部が少しでも「山人」になっていればいいなと思う。
今年の最後は八ヶ岳。どうなることやらと計画し始めた10月ごろは思っていたけれど、GWの雲取山で知り合った方からお誘いをいただいて心強くなった。というよりも足を引っ張らないかとそのことが心配でならない。お仲間さんも一緒にいらっしゃるとのこと。お互いの都合で途中で合流というのがまたなんとも素敵に感じる。こうやって人と知り合うなんて思ってもみなかったし、山の中で合流するというのがとても気にいっている。これも山にたくさん入ったその恵みだと思えて仕方ない。
今年もあとわずか。楽しかった一年を終え、また来年もたくさん山に入れるよう願うばかりだ。
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