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ニュース等でご存知の方も多いかと思いますが、立山の真砂岳西斜面で大規模な雪崩が発生し、登山者やスキーヤー7名の方が巻き込まれお亡くなりになりました。
ニュース映像を見ながら登山地図と照らし合わせてみたところ、雷鳥沢から真砂岳へと登る大走りルートの北側の部分が崩れたようです。(上記画像参照。画像は産経デジタルより抜粋)
また当日立山を訪れていた方が撮影されたYouTubeの映像もありました。
手前にテントが見えるのでおそらく雷鳥沢のキャンプ場から撮影されたものと思われますが、雪煙を上げながら雷鳥沢方面に雪が崩れてくるのがわかります。あの雪煙の中に巻き込まれた方がいると思うと、胸が締め付けられるようです。
僕は先週の日曜日11/17に立山を訪れ、室堂〜一ノ越〜雄山と歩いたのですが、この一報を聞き「え?立山で雪崩?」と耳を疑いました。多くの登山者、多くのBCスキーヤーやボーダーが入るこの時期の立山で、このような大規模な雪崩事故が起きたという記憶がなかったからです。
11/17(日)の雄山登山のレコをアップし多くの皆さんにご訪問頂きました。レコでも触れましたが当日は本当に絶好の登山日和で、本当に心から楽しい雪山となりました。その楽しさを皆さんにお伝えできたらと思いレコに書き連ねましたが、今回の雪崩事故の一報を聞き、「本当にそれだけで良かったのか」「雪山の危険性についてもっときちんと書くべきではなかったのか」など考えました。
かといって雪山の危険性をお伝えするといっても、自分はまだ雪山素人で他の方に的確に雪山の危険性についてアドバイスできるような立場ではありません。ベテランのヤマレコユーザーの方々も多くいる中では、浅い知識で語る事は逆におこがましさも感じてしまいます。
そんな事を考え、雪崩でお亡くなりになられた方々のことを考え、昨夜から悶々と過ごしてしまいました。
一晩考え、とりあえず先日の自分のレコに雪崩事故が発生したという記述を付け加え、少しでも多くの皆さんに雪崩事故が発生したという事をお伝えできればと日記に記す事にしました。
僕が歩いた室堂〜一ノ越〜雄山のルートにおける雪崩の危険性を11/17(日)に歩いた事をもとに考えてみますと、今回の真砂岳の西斜面ほどの急な斜面は歩いたルートおよびその上部の斜面にもありませんが、その中で浄土山の北側斜面、東側斜面が危険性があるかもと感じました。
当日の写真を先ほど細かくチェックしたところ、浄土山の北斜面にほんのわずか数mではありますが表層の雪が流れた跡がありました。という事は先週よりも大量の雪が降った現時点においては、浄土山の北東斜面でも雪崩が起こる可能性もあるという事です。その箇所で雪崩が起こった場合、一ノ越へと向かうルートも巻き込まれる可能性もなくはないという事です。
1週間前にそのデブリの跡に気付く事ができていれば、レコをアップした時点でそれをキチンと記載できていれば…。
インターネットの普及、そしてヤマレコのような媒体によって多くの個人が山の情報を発信できるようになり、山歩きの楽しさ、素晴らしさを発信し受信できるようになったと思います。ただ今回の雪崩事故に思い、たとえ個人とはいえ情報を発信する以上、細心の注意が必要なのではないかとも思いました。
その反面、限界も感じます。個人では十分な情報の検証ができないからです。訪れた山域で起こりえる事故、事象。それを予想し記載するのは難しいです。11/17のレコを書いた時点に戻って考えても、あの時、あの時点でこれほどの人が亡くなられるような大規模な雪崩が起こる危険性について言及ができたかというと、僕の知識経験では無理だったかと思います。
となると結局は、「その時点で自分が歩いてみて感じた事、思った事、目にした事を正確に伝えるしかないのか…」とも思ってみたり。
文章を結ぶに至っても全くまとまりがつきませんが、ヤマレコなどのインターネット媒体の普及により、これから向かう山域の情報を事前に把握できるというのは安全な登山に結びつく事だと僕は思っています。ただその情報はあくまでも過去のものであってリアルタイムなものではなく、前日までの情報を入手できたとはいえ明日もそうだろうとは当然限らないわけで、最終的にはその時点における自己判断しかありませんが、ヤマレコにレコをアップする者としては正確な情報の記載を心がけ、レコを見る者としては過去の情報を基に推測する力、現場で判断する力をもっとつけていきたいと思った今回の出来事でした。
p.s.
いつもコメントをやりとりして下さっている皆様。とてもデリケートな問題だと思いますのでコメントしづらい点もあるかと思います。返信等はどうぞお気遣いなさらないで下さい。もちろんお叱り等も含めてコメント頂ければありがたいとも思います。それでは。
ニュースを知っただけでも悲しいのに
同じ場所に少し前に立っていた方にとっては
とても重い他人事ではない問題なのですね
ただただご冥福を祈って合掌するばかりです
itigoさん、はじめまして。このような日記にコメント下さりありがとうございます。
一晩いろいろ考えましたが、まだ自分なりの結論には至っておりません。たぶん結論が出ることはないのかもしれません。
先週訪れた立山は本当に楽しい思い出だったのですが、今回の出来事で心にチクっと刺が残るものになってしまいました。
お亡くなりになられた方々の中には、まだ身元が判明していない方もいるようです。一刻も早くご家族の元に帰れる事を祈るばかりです。
こんにちは。心中お察し申し上げます。
私事ではありますが2007年9月中旬に雨の中、運よく十勝岳に
登頂できました。その10日後に降雪のなか登られた方が遭難し
亡くなられました。2008年8月下旬大雪・トムラウシの縦走を
雨の中、果たしました。翌年7月下旬大量遭難が発生しました。
かなり似たような状況でしたので我が事のように感じました。
ユーザー登録する前でしたがzawadaさんと似たような気持に
なりました。自分の得られる情報のなかで自分の立場であれこれ
考えてみました。結論は自分がその方と同じ立場であったら同じ
結果になったかと思っています。たまたま今こうしていられる
ことは、、、です。
より一層安全登山に心掛けることを肝に銘じた次第です。
レコをアップする者としてはとかく私の場合、下山後の
多くなりますが極力コース状況はポイントが分かるように
しているつもりです。自己責任とはいえなにかが起きる前に
少しでもケアできればなどと思ったりします・・・。
お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに
身元が判明していない方が一刻も早くご家族の元に戻れる
ことをお祈りするばかりです。
navecatさん、コメントありがとうございます。
navecatさんもそのような経験されていたんですね。お話下さりありがとうございました。
山を登り続けていくなかで、もしかしたらこういった事、思いは避けられない事なのかもしれませんね。自分が登った山で起きた事、もしかしたら自分の目の前で起こっていたかもしれない事、そして自分も巻き込まれていたかもしれないという事。
僕もレコをアップするにあたり、単なる景色の写真とともに、登山道の状態(今回の場合でしたら雪面の状態)が写真の中に大きく入り込むような構図で意識して撮ったものを選んでアップする事を心がけてはいます。
ただ「もう一歩踏み込めたんではないか…」「楽しさにかまけて危険性を伝えるのがおろそかになってしまったのではないか…」そんな事を考えてしまった今回の出来事でした。
お亡くなりになられた方の身元は全員判明したようです。自分の家族や友人を悲しませるような結果にならないよう、一歩ずつ自分のスキルを見ながら山に登っていきたいと思います。
こんばんは。
誠実さが伝わっていますから、自分自身の考えで
これからの山行を実行して行くしかないのではと思います。
やはり、冬
まして雪山は危険のリスクを背負っています。
さらには、立山となると・・・
山を登る者として、今回の事故は皆それぞれに
考えることがあったと思います。
タイムリーなレコで責任を感じているのかもしれませんが
大切なのは、「これから」です。
これから
心して、歩き・登り・記録を残す。
この日記を読んで、私も心が洗われたようです。
以後、私も精進して歩かせていただきます。
beeさん、お忙しいのにこちらにまでお越し頂いてありがとうございます。
どんな雪山であっても危険が伴うものなのに、「すごい楽しかった!皆さんもドンドン行ってみて!」で終始してしまったんじゃないかと考え込んじゃいました。
山のベテランさんからみれば「なにを甘チャンな事を言ってるんだ」と思われちゃうかもしれませんし、こんな日記にしたところで単なる自己満足な気もしてしまったり、皆さんの楽しいレコに水をさしてしまったんじゃないかと思ってみたり、色々考えては振り出しに戻りエンドレスというこの数日でした。
でも皆さんの楽しいレコを見ていて、「やっぱ楽しさを伝えるって事も大切だな」と思い、グダグダしててもしょうがないしという気持ちになっていたところです。
beeさん、ホントにコメント下さってありがとうございました。僕も精進します。
zawadaさん、はじめまして。
犠牲者の一人に私の知人がいました。
事故のほんの一月前に会って話をしたばかりです。
カナダにヘリスキーに行って帰ってきた後も、小屋撤退後の秋に、白馬鑓温泉にテント張ってキャンプして来た後も、楽しそうに話をしていた姿が忘れられません。
毎年行っていた立山で命を落としたことについて、今では後悔のない人生を生きたのだと、幸せな人生だったのだ、と思うようにしています。
山でのリスクは数限りなくあります。そして、どう頑張ろうとも、努力、創意工夫が届かない現象で支配されてしまうことも避けられません。
有雪期に大きな地震に襲われれば雪崩は起きるでしょうし、急に発達した積乱雲からくる落雷も、どこに落ちるかなんて運次第です。
結論として、山はある程度、不可避なリスクを織り込んでやるしか無いのだと思います。
今回の場合、どうすれば犠牲者が生還することができたのか?私なりに考えていました。
現時点での結論は、
1.雪崩に気がついたら即、山スキーとザックを脱ぐ
2.流される中泳ぐように手足をかいて下に潜らないようにする
3.顔が埋まってしまいそうなら、手で口と鼻の前に空気の貯まる領域を確保する
というものです。
時間的に多くのことはできません。一番重要だったのは1のような気がします。せめてスキーだけでも脱げていたなら・・・
今年の秋から、やっと日本に『雪崩用エアバッグ』が輸入されてきたようです。
https://www.yamakei-online.com/journal/detail.php?id=2179
雪山やる山屋には、通常の装備を入れたザックの他にこれをどう背負うのか?が問題となりあまり普及しないかもしれませんが、せめて山スキーをやる皆さんは、滑走中にこれを背負うことのベネフィットについて、ぜひ一度検討して頂きたいと思います。
ALFAROMEOさん、初めまして。
知人の方があの雪崩でお亡くなりになられていたんですね。辛いなかこうしてコメントを下さり、ありがとうございます。
知人の方は毎年立山に滑りに行ってらっしゃったんですね。雪山をよくご存知の方がこのような事故に巻き込まれてしまったとお聞きし、雪山の恐ろしさを改めて痛感しました。
僕はまだまだ初心者で、「もっといろんな山に登りたい」「いろんな景色を見てみたい」そういった欲求が強く、それゆえ自分のスキルと山を登るのに必要とされるスキルの乖離が生じがちなのですが、ALFAROMEOさんのお話をお聞きし、一歩一歩スキルを積んで進んでいく事の大切さを改めて感じました。
このような形で日記にしたことが本当に正しかったのか、いまだその点について悩んでいます。雪崩の現場の写真をアップしたこと。雪崩の映像を撮影したYouTubeを紹介したこと。
立山における雪崩の危険性を伝えるためにこのような形を取りましたが、「当事者の方がご覧になったらどう思うだろうか」「辛い思いをさせてしますのではないか」そんなことをずっとこの2週間考えてきました。そして今回ALFAROMEOさんに起こし頂き、その思いは強くなっています。
しかしながらALFAROMEOさんは"雪崩への対処法"という、単なる注意喚起よりももう一歩踏み込んだご提言を下さいました。初心者の僕ではできない事をALFAROMEOさんがして下さり本当に感謝しています。
ご提言下さった事を読ませて頂きましたが、本当に一瞬の判断、秒単位の判断が必要とされますね。瞬時にこれらの事をやるのは本当に大変だとは思いますが、これらの事が頭の片隅にても入っているのと入っていないのでは、結果も大きく違ってくるかとも思います。
もちろん知っていたとしても対応するのは並大抵の事ではないとは思いますし、雪崩に遭遇した状況によっても変わってくるかと思いますが、知っていなければ対処のしようがないと思いますので、お教え頂いて本当にありがとうございます。
またリンク先のエアバックについての記事も読みましたが、生存率が97%まで高まるというのは、本当に有効な道具ですね。仰る通りザックとの併用という点が問題が残りますが、安全性が高まる道具だと思います。
今回、レコを書いて日記を書いて、色々と自省することもありました。色々な面でまだ自分なりの結論は出ていませんし、これからも考えて続けていくんだろうと思いますが、今回このようなご提言にまで結びついた点においては、書いて良かったなと思っております。
最後に。事故が起こってから2週間。ALFAROMEOさんにとって、本当に辛い時間だったかと思います。僕の拙い日記を読んだ事で、辛い気持ちにさせてしまったり、不愉快な気分にさせてしまったりした点がありましたら、本当に申し訳ないと思います。
ALFAROMEOさんの知人の方、そしてその他にお亡くなりになられた6人の方のご冥福をお祈り申し上げます。
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