またどこかの山で

山では（下界でも、かな）いろいろな方に会う。助けられることも多い。

ぐったり休んでいると、近くにいた女性がドライフルーツがたっぷり入った、大きなパンをくれた。

登山口からバス停まで車道をテコテコ歩いていたら、登山道で追い抜かしたグループが車に乗せてくれたこともある。

知らない登山者と、雨の中を励まし合いながら、歩いたこともある。

テント場で、「ここに張りなさい」と、大きな石をどけてもらった。

自炊者どうしで、自慢？の料理を味見しあったりしたこともある。

彼らと別れる時、私は「またどこかの山で（お会いしましょう）」と言うことにしている。

今度は私が手を差し伸べたいから。
また山の話をしたいから。

でも、そんなことは起こらないかもしれない。たとえ、会ったとしても、以前会ったことを思い出さないかもしれない。

それでも、心の底から祈りたい。

みんな、無事に下山して、次の山まで何事も無く、また、山に登ることを。
いつか、どこかの山で、また、会えると信じたい。