凍傷を負ってほぼ3カ月が過ぎ、山に行こうと思った。
行きたいからではなく、行けるかどうか確かめたかった。
医者が「凍傷の怖さは、再び元の状態に戻れない不可逆的障害を、負うことだ」
と言った。
凍傷を負った私の指は、関節が硬いまま。リハビリは、涙が出るほどの痛みを伴う。
でも、医者の言葉を現実にしたくなかった。
前と同じように、指が使えるようになる、山に行けるようになる、と信じたかった。
剣山にしたのは「剣」が、悪運?を切り、新しい出発をさせてくれると思ったから。
「三嶺」という美しい響きに惹かれたから。
期待は裏切られなかった。
三嶺の頂上に立ち、大らかな山並みを見た時、来てよかった、心からと思った。
指はひどく痛んだが、それは神経が正常に働いていることだと、私を安心させた。
それだけではなく、四国の地と、旅人に手を差し伸べることを厭わない人々が、ずっと続いていた緊張状態から、私を解き放ってくれた。
そして、「凍傷を負った指は不可逆じゃないんだ」と、やっと信じることができた。
前と同じように動くよう、リハビリをがんばろう、医者を驚かせてやる、と誓った。
そして、これからも、山に、行こう。
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日記
これからも山に行こう
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