白馬パーティの件が相当叩かれていたが自分の第一印象は「他人事じゃない。」
もし身内に山屋が居なくて、なんの予備知識も無くて、初めての山だったら「ごく当然のこと」も分からない・考えない阿呆の類に自分は属すると思う。
例えば、自称・海外の海慣れした友人に「ダイビングなんて本当はガイド居なくても大丈夫なんだよ。大したとこ行かなきゃ。道具も全部借りれるし。その方が全然安く上がるから。」
などと言われたら(へーそういうもんか。じゃ行ってみようか。)
と安直に考えてついて行くかもしらない。
自分自身でも最低限の下調べ(天候・道具立て・危険性)をしておくべきだとか、保険のことを気にしておくとかそういう事が当然だと考えるようになったのは山を始めたからなのだ。
それ以前はもっと典型的なお任せ行楽ちゃんで海外旅行などもツアーならばその意識はごくごく薄かったからだ。
つまり話を戻すと、白馬の医師パーティーの第一報をニュースで聞いたとき自分は彼らがそういう類の呑気で無知な人達だと思っていて「こりゃ相当叩かれるな気の毒に。山に関心のない人からすれば遭難事故なんて風物詩扱いだし、知っている人からすれば阿呆もいいとこだ。救助隊や小屋番さんの(現場の)訴えならいざ知らず、全く関係ない芸能人ゲストにまであーだこーだ言われるぞ。遺族も気の毒に。」
と思っていた。
が、どうも情報が集まるにつれておかしいと感じる。
「私達でも登れるから!大丈夫大丈夫!」というノリでイベントを企画した人=便宜上リーダーかと思っていたがどうやらそうではないらしい。
きちんとした経験や知識・技術を以て山行計画を立てられるリーダーだったのではないのか?
全員お亡くなりになってしまった今では分からないが、当人達しか知り得ない「何か」が起きたのではと思いたくもなる。
山屋一年生でも知っていることを彼らが知らなかったとは思えないし、過信よりはむしろ慎重になりそうな歳ではないか。
雨合羽にTシャツという報道だったがその雨合羽がどの程度のなのか商品名とまではいかなくても関心がある。
Tシャツはまさかの綿ではないだろうなとか。
本当に防寒具はなかったのかとか。
持ち物に非常食や火器やツェルトの類は全くなかったのか。
小屋の人が記憶するようにアイゼン、ピッケルはあったのだろうか等と持ち物だけでも多々気になる。
このニュース後、私のツイッターのTLではプロのガイドさんの「日本でも入山規制を設けるべき。」から一般ハイカーの方の「同情の余地がない迷惑な人達」まで色々な意見が流れたが自分は我が身を振り返ってちょっとゾッとしたし、あまりの言われようで気の毒だの気持ちの方が強かった。
「こういうご時世だから情報はいくらでも入るのにその努力をしない。」とか「情報の取捨選択が出来ないのだ」とか色々言われていたが、それは正に自分のことだ。
自分自身、インターネットを通じて知りえた情報や縁のあった先輩のおかげでたった2、3年のうちに沢だの雪だの騒いでいるが若干わやである。
技術・経験の追いつくわけがない。
金も追いつかない。
更に携帯を見れば天気も現在地も分かるが、もしこれを無くした時どうするか。
ニゴイチを持って歩かない事も増えた。
ラジオもない。
あっても天気図なんて引けない。
観天望気なんて出来るわけもない。
それが怖くてたまに思い出したようにアナログについて考えるのだ。
白馬の人達は後の報道だけ聞く分にはそういう段階をかつて自力で踏んで来た人達ではなかったのか。違うのか。
白馬のパーティーを非難した情報世代達はみな件の尾根に行った事があるのだろうか。
この時期の北アの状況を経験した上での実感としてそんなに良く知っている人ばかりなのだろうか。
死んで当然だと言うのは簡単だが、流れてくる情報に流されてただ「ノリで」批判するのはあまり生産的な事だとは思えない。
プロ達はプロ達で考えていた。
ベテランはベテランで啓蒙の方法を考えたっていいと思う。事故責任とは言えこういう事が増えれば連帯責任的に入山規制がかかる日もくるかもしれない。
初心者は初心者なりに我が身に照らして考える。
装備や日程の諸々を。
今まで痛い目に遭わなかっただけで人に言えない事もあった。
人の登山を批判して満足してお終いでは得ることがないように思う。
亡くなった方々の身に実際、何があったのか全部知ることは出来ない。
失礼だが本当に阿呆かもしれない。
ただ自分は今回の遭難事件を本当に残念に思う。
fooさん こんばんは。
某日記へのコメントの抜粋です。
---------- 以 下 ----------
最近思うのです。やめる勇気ももちろん必要ですが
とめる勇気も必要なのかと。
最近の自分は事勿れ主義になっているように思えます。
「やめた方がいいよ。」という勇気がありません。
----------ここまで----------
fooさんの日記で、山を知らないような人が風物詩のように
物知り顔で、あたかも専門家よのうにコメントされる。
というようなことは、聞いているこちらが腹立たしく思う事も多いです。
自分も何度か危険なことがあって、たまたま運良く帰れたたけで、大怪我したりしていてもおかしくはないと思います。
自然の中で遊ばせて頂いているという意識を持ち無理をしない
自分の力量にあった登山を心がけたいなぁ。なんて思います。
fooちゃん、こんちは。
私はこの遭難の要因は例年と異なる今年の「春山」だと思います。
問題はベテラン経験者が想定していた「春山」の気候が例年と異なり(今年は20年ぶりの大雪)で4月になっても山はまだ冬山と同じで少し曇ってくるとすぐ吹雪になりとても春山とは言えない不安定な気候です。
今年登った新潟の守門岳、4/21は20度を超える暑さでTシャツ一枚で登れる気候だったのに4/22は強風で凄く寒く厚着が必要だった。
例年であれば5月は山の雪も半分以上融けてTシャツ一枚で日焼け止めを塗って登れたのでしょうが今年は例年と違い5月に入っても天気が悪くなると山はすぐ吹雪になり、まだ冬山のような気候です。
ベテランの経験者は例年の春山のイメージしかなく、まさかこの時期吹雪になるとは想定できずに軽装で登ったのだと思います。
過去の経験の常識が今年は通用しない春山だった。
のではなかったかと思います。
(いくら春山でも雪山なので防寒装備を持っていかなかったのはあまりにも軽率な行動です)← thetaさんの言う通りでカッコ内コメントは削除。それに、突然吹雪になると前も後ろも見えず地形が読めなくなり、踏み跡も消えるので引き返すことも難しくなることを知っていたのだろうか。知っていたが時間が無かった?
でも他人事ではない、明日は我が身かも。
こんばんは。
補足させてください。
コメントされている方にはなんだかまるでフリースやダウンさえ持ってなかったような
言われようをされている方もいらっしゃいますが
報道は「発見時軽装だった」です。
さすがに、ザックの中には防寒着(フリース、ダウン、それからひょっとしたらツェルトの類)も
入っていたはずです。
彼らはずぶの素人のガイド付きツアー参加者ではない。
でなければあの映像で流れたそこそこ中身がありそうな
ザックの中身はなんだったのかという話になってしまう。
彼らに不幸をもたらしたのは
「防寒対策をとる猶予もなかった」
ことだと思います。
大気が不安定な場合、積乱雲が発達するのは10分以内。
つまり、晴天から吹雪に遷移するなんて数分で可能です。
さっきまで半袖でいて、あれよあれよで体感温度マイナス20度以下になれば
着替えるまもなく動けなくなるのはわからなくもないです。
立ち返ってそもそも論になるのですが
気象の変化は、登山上起こりうるすべて山岳事故の
可能性を引き上げます。
ですから、天気が悪くなる時は今青空が見えても行動してはいけないのです。
決断は出発前にするものであって、途中でするものではない
というのが、私の登山の理念なのかなぁと書きながらおもいました。
皆さん長文でのコメントありがとうございます。
やはり山に登る人なら各々思うところがあるのだなと思います。
自分はとりあえず行ってみて駄目なら帰ってくるみたいな事を平気でやるのでいつか痛い目をみそうですが死なない程度の痛い目で済むよう行動しようと考えさせられました。
今回の続報、その時何が起きてどういう状態だったのか引き続き検証しくれる情報があれば気にしていきたいと思います。
ライチさんの仰るように春山怖いですね。
晴天時と荒天時で全然違うんですもん。
それはそうと鼻の頭の日焼けがとれん。
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