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2016年02月21日 20:06レビュー(書籍)全体に公開

アルマ望遠鏡が見た宇宙

アルマ望遠鏡を知り、日本から地球の裏側にあるアタカマ砂漠のリカンカブール山(5916m、アタカマ富士とも呼ばれている)が気になっていたら、本書を発見、早速読みました。右の写真の富士山に似た山がリカンカブール山です。

アルマ望遠鏡は、南米・チリの標高5000メートルのアタカマ砂漠に建設された、世界最大級の巨大電波望遠鏡、ミリ波/サブミリ波を受信するための直径7m〜12mのパラボラアンテナ66台を組み合わせることで、ハッブル望遠鏡の10倍、人間でいえば「視力6000」に相当する驚異の視力を持っています。
日本を中心とする東アジアと北米、ヨーロッパ諸国などの国際共同プロジェクトとして建設されたアルマは、2013年に開所式を迎え、「銀河の誕生の謎」「惑星系の誕生の謎」そして「生命の誕生の謎」などの解明の研究に利用されています。
人類のルーツを探るための研究が進行しているのです。
ミリ波/サブミリ波の電波は大気中の水蒸気に吸収されてしまうため、観測には標高が高くてとても乾燥していることが必要です。またなじみが深い可視光よりも長い波長で解像度が低くなってしまうため、十分な解像度を得るためには巨大なサイズのパラボラアンテナが必要となります。ハッブル望遠鏡よりも10倍の解像度とするためには、アタカマ砂漠の端から端までの18.5kmに66台のパラボラアンテナを配置し、電波の干渉により仮想的に一つの巨大な望遠鏡とすることで解決しています。ミリ波/サブミリ波を受信することで、ハッブル望遠鏡などの可視光や赤外線を見る光学望遠鏡では観測出来ないガスや塵などの星間物質から出る電波を観測することが出来、ビッグバン直後38万年経過後の銀河の誕生を見ることが出来るだろうと言われています。更に系外惑星の生まれている現場を調べることも可能、また、アミノ酸などの複雑な分子の集合体の星間物質も調べることが出来て生命の起源に迫ることを期待されています。
アルマ望遠鏡のアンテナには変形の少ないカーボンファイバーが多用され、自動でゆがみを補正できる仕組みや、目的の天空にアンテナを向けるためのリニアモーターによる高速ダイレクトドライブ制御とか、マイナス269℃(絶対温度4K)の超低温真空タンク内に設置された低雑音超電導受信機など、アンデスの高地では最新鋭の科学技術の粋を集めた望遠鏡を設置して宇宙の謎を解くための取り組みが日毎展開しているのです。まさに別世界、別次元!
アルマ望遠鏡のHP>>http://alma.mtk.nao.ac.jp/j/

実はアルマ望遠鏡を知ったのは2013年3月、ブラジル サンパウロ出張の往路、ダラス行きの飛行機の隣の席でリクライニング操作に手を焼いていらしたお爺さんの手助けをして、どちらまで?と声をかけたら、アルマ望遠鏡の開所式出席のためチリのアタカマ砂漠に行く、とおっしゃるので、お名前をお聞きしたら、なんと!コザイです、って、、、古在由秀さん(天文学者 専門は、天体力学 最後の東京天文台長・初代国立天文台長 2016年現在、群馬県立ぐんま天文台名誉台長、東京大学・総合研究大学院大学・国立天文台の各名誉教授)のことは知っていたので、ちょっと興奮、ダラスまでいろいろな話を伺いました。50年以上前のスミソニアン天体物理観測所の客員研究員時代の話を懐かしそうに話されていました。ダラスまでの約10時間、古在さんのリクライニング調整係を勝手に仰せつかり、寝られませんでした。ダラス到着寸前に恥ずかしかったけどサインを貰いました。私の宝物になりました。80歳超のご高齢で、5000mの高地へ行かれるのは危険じゃないのか???と心配になりましたよ。古在さんがジントニック好きだと聞いて、以降、私もジントニックを飲むようになりました。CAさんにとっては作るのが面倒くさそうですけど。
昨年の暮れ、大阪市立科学館でアルマ望遠鏡の講演会(12月12日18時〜21時の3時間!無料)があったので、聴講に行ってきました。古在さんじゃなかったけど、講師の井口聖さん(東アジア・アルマ・プロジェクトマネージャー)って、最近の若い天文学者はカジュアルな服装でとても学者に見えないですね。古在さんとアタカマへ同行されていた一行の中に見かけた気がします。頭の良い人の講演だったので、最新の電波天文学の近況を分かったような気にさせてもらえて気分が良かったです。アタカマでアタカマ富士と南天の星空を見てみたいものですが、そんな機会作れるかな。2012年から海外出張の機会が多くて、ブラジルの他に、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ラホールなどに行きました。サンパウロは大都会で星なんかほとんど見えないし、ハノイとホーチミンには10数回行ったのですが、すっきりと晴れる日が無くて、また街の中では星がほとんど見えずじまいで、南十字なんて数えるほどしか見られませんでした。帰りがいつも夜中発、早朝セントレア着の便でしたので、毎度機内から南十字や日の出を見ることが出来ましたので、まぁ楽しめました。ベトナム航空って各シートにディスプレーが無く、暇でやることないので、音楽を聴くか星空を見るかしかなかったんです。
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コメント

RE: アルマ望遠鏡が見た宇宙
C-3POさん、こんばんわ。
古在さん。。。。知る人ぞ知る有名人なんでしょうけど、、実はまったく知りません。。そんな人にたまたま出会えてお話をずっと聞けたとはラッキーでしたね。。
アタカマ砂漠。。一度くらいは星降る夜を眺めに
行ってみたいです。。
2016/2/21 22:13
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