(以下は、Rikarasu (RikaTrek)のアカウントで2024 9/9に公開した日記を、電動アシスト自転車に限定した記述に変更して再掲載したものです。)
最近話題になる電動アシスト自転車(e-bike)は、本来の動力(人力)を電気モーターが補助する。
これらを使ってふもとから登山口まで行ったとして、電力はどれだけ使うのだろうか?バッテリの容量(Wh)はどれだけあれば足りるのか?計算してみた。
電動アシスト自転車の場合、有名なコースとして乗鞍岳エコーラインを考えると、
目的地は畳平で標高2720m
起点を乗鞍観光センターとすると標高1460m なので標高差 1260m
この間の道のりは20km
e-bikeと人間の体重と荷物を合わせて、ざっと 100kg
とすると、純粋に標高を上げることに使うエネルギーは 343 Wh となる。
e-bikeは(最大でも)電力アシストが人力の2倍しか出さないように規制されている。最大限にモーターに助けてもらった場合で、全エネルギーの2/3が電力で、残り1/3が人力になる。
これらを考慮すると、純粋に登るのに使われる電力量は、およそ 343 x (2/3) = 229 Whとなる(残りの 114 Wh = 98キロカロリーは人力で補うことになる)。
#実際には、道のり20kmを水平に移動するだけでもエネルギーを使うことに注意が必要だが、それは人力で補える程度かもしれない。
#途中で部分的な下り勾配があっても多くの自転車は回生充電できないので、上りの部分だけで標高差を考える必要がある。
実際には、バッテリー電力からモーターを経てタイヤに加わるパワーの効率が100%でないことも考慮する必要がある。モーター単体の効率は80%とされるようなので、電動自転車全体の効率をエイヤで70%とすれば、バッテリー容量は229/0.7 = 327 Whが必要ということになる。
Youtubeを見ると、e-bikeで乗鞍エコーラインを完走した体験者のお話として、500 Whの電池なら余裕がある、との事のようだ。
一方、レンタル電動自転車としては320Whのもの(Specialized Vado SL4.0)が提供されていて、注意を守れば畳平までアシスト付きで登れる、とされているようだ。
だいたい上記の計算と合いそうだ。
つまり、乗鞍エコーラインの場合、バッテリー容量は 320 Whでギリギリ・・・400 Whで余裕があるはず・・・安心のためには500 Whあったほうがよい・・・という感じだろうか?
■Panasonic:XEALT S5(368,000円)の場合
HIGH 75km / AUTO 99km / ECO 139km
バッテリーFiB(95,800円)36.0V 13.0Ah (468Wh)
■ブリヂストン:STEPCRUZ e、TBI eなど(174,000円)の場合
パワーモード62km / オートモード 105km / エコモード200km
バッテリーB400(49,310円)36.5V 9.9Ah (361Wh)
で比較するとエネルギー効率は後者の方が良さそうです(前輪駆動だから?)。昨年、私が所有する後者のSTEPCRUZ eで神奈川県丹沢のヤビツ峠越えをした時のバッテリー残量メモから拾ったデータがあります(モードはオートとエコ、変速ギアは3段のうち主に2段めを使用。体重+荷物は70kg少々)。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=7283989&pid=a9f36e7ecc7288292f13090543c7c231
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=7283989&pid=108649185633a6bee3a12e5660a38f65
主要な山登りが続いた「距離7.3kmで標高差464m(平均勾配6.4%)」の区間で容量の20%(約77.2Wh)を消費した実績から同程度の平均勾配の山道を単純計算すれば、この5倍(距離36.5kmで標高差2,300m)程度いけるかも?
コメントありがとうございます。Bright-Doorさんのデータも参考にさせていただきたいと思います。
まず私は、電動自転車を所有しておりませんが山行でのアプローチに使用するには下記の問題があるかと思います。
1.バッテリの劣化
バッテリー容量は、バッテリが新品の場合と思われます、充放電や経年で劣化します、レンタル自転車ではその性能はさほど期待できません。
2.パンク対応
ロードバイクやMTBではパンク時、タイヤを外して、チューブ交換、インフレータである程度の空気圧までエアを入れる事ができますが電動自転車ではどうなんでしょうか、検討しておく必要があるかと思います。
3.私の経験例
金峰山へのアプローチにランドナー(旅行用自転車)を使用しました事があります。
「韮崎駅」354mから「みずがき山荘」1520mまでツエルトの二泊装備でしたが上りが大変でした。
後で考えると、行きは「野辺山駅」1,345.67m等からとすれば高低差から楽だったと思いました。
又 この際、リュックはリアキャリア等に分散して対処しましたが、重いリュックを背負っての走行は避けるべきです。
コメントありがとうございます。tksr366さんご指摘の事柄は重要だと思います。これらの点に注意しながら、電動アシストサイクリングによる山登りを試してみたいと思っています。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する