また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

ヤマレコ

HOME > ヤマノート > 一眼レフ初心者向け「高山植物をきれいに撮るコツ」(その1)
更新日:2019年03月21日 訪問者数:958
登山・ハイキング 技術・知識
一眼レフ初心者向け「高山植物をきれいに撮るコツ」(その1)
Gen-chansan
本日は春分の日でもうすぐ4月。春となり高山植物の咲く季節がやってきます。ヤマレコでも花の写真がちらほら見られ始めました。今年も今日 東京・横浜や福岡でも桜の開花宣言が出た様です。

山登りで高山植物を見たり撮ったりすることを楽しみの1つにしている方も多いかと思います。

一眼レフを買ったけど機能を使い切れていないなあという人も意外に多いのでは?
そんな一眼初心者の方々に「簡単に高山植物をきれいに撮る」ために私が実践している方法を紹介します。

なお、写真の良し悪しは「好み」にもよりますので賛否は分かれると思いますし、プロでもないのであくまでも参考程度に見ていただき、これ使える!というものがあれば参考にしてもらえれば幸いです。
チングルマ群生(大雪山) 105mm/F4.0
1.絞り値を操って背景をぼかす。
一眼レフカメラ(ミラーレス一眼も)には必ず撮影モードがついています。
 P(プログラム)モード=カメラにおまかせの全自動モード
 A(絞り優先)モード=絞り値を設定すると、設定値にあったシャッター速度が自動選択される。
 S(シャッター速度優先)モード=シャッター速度を設定すると設定値にあった絞り値が自動選択される
 M(マニュアル)モード=絞り値、シャッター速度の組み合わせを任意に設定できる。
一眼レフ持って行ったのにPモードだけで使っているのは非常にもったいないです。
花を撮る場合は「Aモード」を使いこなせば簡単にきれいな写真が撮れます。
Aモードは結局のところは自動モードで絞り値のみを選択するだけで良いので誰でも簡単に操れます。
それではA(絞り優先)モードの設定方法から説明します。
(1)絞り優先モードに合わせる
まずはダイヤルを絞り優先モード(Av)に合わせます。
Canonの場合はAvが絞り優先モード、Tvがシャッター速度優先モードです。
※カメラメーカによりモードの記号が違いますのでカメラの取説で「絞り優先モード」の操作は確認してください。
(2)絞り値を選ぶ(絞りを開く)
ダイヤルを左方向に回すと絞り値が小さくなります。
液晶の右側に4.0と表示されているのが絞り値です。その左側の125がシャッター速度で1/125秒を示します。絞り値をF4.0に合わせると、カメラ内蔵の露出計が自動的に最適なシャッター速度1/125秒を選んでくれます。
ダイヤルの位置や回し方はメーカによって違いますので取説を読んでください。
(3)絞り値を選ぶ(絞りを絞る)
ダイヤルを右方向に回すと
4.0→4.5→5.0→5.6→6.3→7.1→8.0・・・10・・・・22と数値が変わってきます。(写真はF10)
F値を10まで絞ると後述しますがシャッター速度が1/20秒と遅くなりました。
これだけの操作で絞り値(=F値)が変更できます。簡単ですよね。これだけ覚えておけばあとは場合に応じてF値を変えるだけです。
そもそも「絞り」とは何か?
文字通りレンズから入る光の量を絞ったり開いたりして調整することで、F値で表されます。
F値は小さい方が「開く」方向、大きい方が「絞る」方向となります。
絞りを「開く」と光がたくさん入ってくるので明るくなりシャッター速度を早く切ることができます。
絞りを「絞る」と入ってくる光の量が減るので暗くなりシャッター速度が遅くなります。

絞り値を「開く」(F値を小さくする)とピントが合う範囲が狭くなり背景がボケる写真が撮れます。
逆に絞り値を「絞る」(F値を大きくする)とピントが合う範囲が広くなり背景がくっきり写ります。
あまり深く考えたくない人は下記の相関関係を覚えておけば良いです。

F値    F1.8・・・F4.0・・F22
絞り   開く(開放)    絞る
明るさ   明るい       暗い
シャッター速度 速い        遅い
背景   ボケる       くっきり

ちなみにこの絞り値の範囲はカメラでなくレンズによって決まります。
例えば CanonでいうとAF24-105mmF4.0 というレンズはF4.0が開放(一番開いた状態)ですので
F4.0より下の値(F3.5等)は設定できません。
AF35mm−105mmF4.0-F5.6というレンズは35mm域(広角)ではF4.0まで開けますが、105mm(望遠)域ではF5.6が開放となります。
F値が小さい(明るい)レンズは口径が大きくなり値段も高くなりますが、その分背景ボケ味が強い写真が撮れます。 

それでは能書きはこれくらいにして「絞り値」(=F値)を変えると写真がどう変わるのか論より証拠、実際に見ていきましょう。  
レンズは24mm−105mmF4.0のズームレンズを使っていますので絞り開放はF4.0になります。
24mmが広角域(広い角度で撮れる)、105mmが望遠域(拡大して撮れる)になります。
チングルマとエゾツガザクラ群生(大雪山)45mm/F4.0
絞りを開放のF4.0にして撮ってみました。
一番前のチングルマにピントを合わせると背景の花がぼけます。背景をぼかすことによりピントを合わせた花が浮き立ちます。
45mm/F22
絞り値をF22まで絞って同じ景色を撮ってみました。
上の写真と見比べると一目瞭然ですね。ピントが合う範囲が広くなり背景の花もはっきり確認できます。
どちらが好きかは好みですし撮りたい写真の意図によります。チングルマを撮りたければ前者、お花畑を撮りたければ後者と、主役を何にするか?で使い分けます。
また図鑑写真に使うので茎や葉もくっきりとという人は絞って撮るとくっきり写ります。ただし絞りすぎるとシャッター速度が遅くなるので手振れする確率が高くなります。
2.主役を決めよう
前述の通り主役を何にするのかで撮りか方が変わってきます。
これも実際に見てみましょう。
例1)チングルマとエゾツガザクラ群生(大雪山)67mm/F4.0
真ん中のチングルマ群生にピントを合わせて撮ります。
チングルマ群生がくっきり写り、エゾツガザクラが前ボケ、山の斜面が後ろボケとなります。
主役はもちろんチングルマ群生。
67mm/F4.0
手前のエゾツガザクラにピントを合わせます。
背景のチングルマ群生がボケてエゾツガザクラが浮き立ちます。
こちらの主役はエゾツガザクラ。
例2)リンドウ(白山)105mm/F4.0
リンドウが並んでいるアップの写真。
一番左手前の花にピントを合わせました。
105mm/F4.0
右奥の花にピントを合わせました。
左手前の花が前ボケとなります。

どちらもきれいですが、より主役にしたい花にピントを合わせます。
これも好み次第。
例3)池塘とお花畑(大雪山)32mm/F4.0
池塘とお花畑を撮りました。背景の山も含めてこの景色全体が主役です。

広角域(32mm)ではF4.0にしても望遠ほどはボケません。
105mm/F4.0
上の写真は写真できれいな景色なのですが、朝日が当たったお花畑がきれいだったので望遠域の105mmでアップにして景色を切り取りました。
主役はお花畑です。池塘の青が名わき役となり主役のお花畑を引き立たせています。個人的にはいい写真が撮れたと満足しています。
 どちらが好きかは人によって分かれると思いますが、自己満足の世界なので自分がきれいと思った方が良い写真です。
この様に自分がきれいと思ったもの、撮りたいと思ったものを主役にします。
主役を決めるのは誰でもない写真を撮るあなたです。自分の感性で決めてください。
3.空間をうまく使った構図で主役を引き立たせる
主役を決めたら、主役を引き立たせる構図を考えるときれいな写真が撮れます。
最も簡単でオーソドックスな撮りかたが空間を作る撮りかたです。
これも例で見ていきましょう。
例1)キオン(月山) 105mm/F4.0
花を見つけるとそのまま中心で撮ってしまいがちですが片側にずらし空間を空けてあげます。背景にも空間があるときれいにボケて主役が引き立ちます。
例2)アキノキリンソウ(月山)105mm/F4.0
少し花を右にずらし左に空間を作ります。
花の向いている方向に空間を空けてあげるのがセオリーです。
例3)ウメバチソウ(月山) 105mm/F4.0
これは絶好のポイントに咲いていました。
背景が何もなく空間が開いていると一層のボケ味を発揮します。
きれいなボケ味を出すためにはF4.0以上の明るさが欲しいですが、レンズの値段も高くなるのでF5.6でも後ろに空間があるときれいにボケてくれます。
例4)アオノツガザクラ(火打山) 105mm/F4.5
これは花が中心に来ていますが構図としては左側に空間があいているので花が引き立ちます。
ポイントは絞り値を開放のF4.0でなく1段絞りF4.5にしているところです。アオノツガザクラが4輪ありますがピントが合う範囲(被写界深度といいます)を少し広げることで4輪にピントを合わせました。
この様に空間を空けるだけで主役が引き立ちます。
きれいな花を見つけたときは、撮る角度を考えて空間ができる構図になるところから撮るといい写真になります。
ちなみにオートフォーカスカメラは中心にピントが合いますので横にずらず場合はどうするの?という方はフォーカスロックという機能を使います。シャッターボタンを半押しするとピントがあいますので半押ししたままカメラをずらすとピントが固定されますのでそれで撮ります。ネットに詳しくでていますので確認してください。↓↓
4.コントラストとグラデーションで主役を引き立たせる
構図を決めるのに大事なのはやはり背景です。前述した通り空間をつくること、さらにコントラストやグラデーション効果で主役をさらに引き立たせることができます。
これも例で見ていきましょう。
例1)ミヤマキリシマ(くじゅう連山)105mm/F4.0
一番オーソドックスなのが背景に黒(っぽい色)を入れるのが花が引き立ちます。花に日光があたっているとより浮き立ちます。
例2)ハクサンコザクラ(火打山) 300mm/F4.0
これは望遠300mmなので反則ですが背景が影になっている角度を狙います。光に照らされたハクサンコザクラが見事に引き立っています。
例3)リンドウ(会津駒ケ岳) 105mm/F4.0
これは花自体が青色に輝ききれいです。
背景の緑と黄色がグラデーション効果となり配色が良い写真になりました。
例4)ミヤマキリシマ(くじゅう連山)24mm/F4.0
広角で狙いましたが、空の青と山の緑そしてミヤマキリシマのピンクがコンビネーションとなってきれいな写真になってます。緑が少し暗いのでコントラスト効果でピンクが引き立ちます。
例5)マルダケブキ(火打山) 105mm/F4.0
背景に空の青を入れます。高山植物は背が低いのでなかなかこのアングルで撮る機会がないですね
例6)梅(旗振山)  80mm/F2.8
白い梅を狙いましたが、背景にピンク色の梅が来る角度で撮りました。ピンクに白が映えます。

レンズは80-200mmのF2.8を使用しています。
この様にファインダーをのぞいた時に背景に入るものを意識して花を撮る角度やズームで構図を決めます。順光で撮るのが基本です。逆光だと背景が明るくなりすぎるため花が浮き立たないことが多いです。
5.背景に脇役を入れてみる
この様に背景を意識して撮ってあげると主役が引き立ちますが、脇役を背景に入れ込むことでまた一味違った写真になります。
例1)チングルマ(大雪山) 105mm/F4.5
背景に他の花を入れると写真全体がカラフルとなり主役の白が引き立ちます。違う色を入れてあげるのが良いですがこれも好みですね。
背景の花をくっきり撮りたければ絞りを絞ってあげると良いです。
例2)ハクサンイチゲ(乗鞍岳) 105mm/F4.0
これも同じ効果です。左側に空間をつくりつつ背景に花が入るアングルになる様に撮る角度を決めます。
例3)ミヤマコゴメグサ(会津駒ケ岳)105mm/F4.0
これも背景に黄色のリュウキンカと赤い実を入れました。
右方向にはおなじ花が入ります。
ごちゃごちゃしすぎと好みが分かれるところですが結構気に入ってます。
例4)ハクサンイチゲ(槍ヶ岳) 105mm/F4.0
これも背景に黄色い花がありますが。ボケ効果で黄色い丸になっています。背景に邪魔なものが入る場合などは、ぼかして何かわからなくするのもテクニックです。
例5)ヤマツツジ(大和葛城山) 100mm/F7.1
この写真は同じ花を背景に入れてみました。
絞り値をF7.1にしてボケ効果を薄くしています。
背景の花もうっすら輪郭が分かり遠近法で奥行きが出ました。
例6)ハクサンシャクナゲ(火打山)           73mm/F5.0
背景に北アルプスを入れてみました。高山植物感が伝わりますよね。背景がボケ過ぎると何かわからなくなるので絞り値をF5.0にしてボケ味を少し薄めています。
例7)キタヨツバシオガマ(大雪山) 98mm/F4.0
背景に雪渓を入れました。
残雪が残る初夏の季節感と、高山植物の生命力が伝わるかな?
いかがでしたでしょうか?この様にきれいで撮りたいなと思った花を見つけたときに、主役とその背景も含めた構図を考え、絞り(F値)を操って撮るとワンランク上の写真になります。
また、図鑑写真を撮る方も+1枚こういった背景ボケの写真を添えると一味違うものになるのではないでしょうか。
今はデジタルカメラで撮るとすぐに確認できますので何パターンか撮ってみて後でじっくりチョイスするのが良いかと思います。いちいち絞り値を変えるのがめんどくさい人は絞り値を開放にしておけば大体はいけます。
最後に(マナーを守って楽しく登山の思い出を残しましょう)
マナーを大切に!
高山植物を撮るときはマナーが大切です。登山道から足を踏み出さない範囲で楽しんでください。
また狭い道では登山者の邪魔にならない様にやり過ごしてからじっくりと撮ってください。
マナーを守って楽しく登山の思い出を残しましょう。

最後に
本ノートは素人の自己流・自己満足の撮りかたです。感性は人それぞれですので自分が良いと思った写真を楽しんで頂ければと思います。皆様の登山の思い出となる写真。少しでも参考になれば幸いです。長文失礼しました。
                                              以上
訪問者数:958人
-
拍手

※この記事はヤマレコの「ヤマノート」機能を利用して作られています。
どなたでも、山に関する知識や技術などのノウハウを簡単に残して共有できます。 ぜひご協力ください!

詳しくはこちら

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録へのコメント

まだコメントはありません
ページの先頭へ