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更新日:2020年05月24日 訪問者数:214
ジャンル共通 技術・知識
日本の山々の地質;第2部 北アルプス、2−6(4)槍穂高連峰(4)
bergheil
槍ヶ岳付近、垂直方向、地質概念図
文献1)より引用
槍ヶ岳付近、水平方向、地質概念図
文献1)より引用
2―6章(4)槍ヶ岳、北鎌尾根を構成する岩石
2―6章(4)槍ヶ岳、北鎌尾根を構成する岩石

 槍穂高連峰が約176万年前の巨大火山の跡であり、そのうち穂高連峰は溶結凝灰岩という火山噴出物がカルデラ内に堆積したものであることは、2−6章(1)で説明しました。

 ところで、槍ヶ岳も同じ溶結凝灰岩か?というと、実は微妙に違い、凝灰角礫岩という岩石でできているそうです。槍ヶ岳から北に延びる、“超“険しい北鎌尾根を形成する岩石も、ほとんどが、穂先と同様の凝灰角礫岩です(北限は、独標より少し北のあたりまで)
ただし素人目では、槍穂高の岩場を歩いていても気が付かない程度ですが・・・

 ではなぜ、穂高連峰の各ピークと、槍ヶ岳とは地質が異なるか?というと、槍ヶ岳の穂先の麓、ちょうど槍ヶ岳山荘あたりに、東西に走る断層(北落ちの断層)があり、その断層を境に、岩層が違うとのことです(なお、「地質図」では、どちらも「火砕流堆積物」という分類になっています)。

 穂高側の溶結凝灰岩も、槍が岳側の凝灰角礫岩も、どちらも約176万年前の巨大噴火で噴出した噴出物であるので、兄弟のようなものですが、槍ヶ岳、北鎌尾根を作っている凝灰角礫岩は、巨大噴火に際して生じた火砕流により、もともとその周辺にあった、花崗岩や、頁岩といった地層の粉砕物が、火山灰溶結質のマトリックスに、角礫として混じっているとのことです。マトリックス部分である凝灰岩質部分も強固に溶結しているようで、普通の凝灰岩(火山灰堆積物、例;大谷石)のような、軽くてもろい感じのものではありません。

 なお、槍ヶ岳直下の断層で槍ヶ岳や北鎌尾根がどれくらい落ち込んだのか?その垂直変位量は判明していませんが、仮に変位量がマイナス300mだとして、この断層の活動がなかったと仮定したら、計算上、槍ヶ岳の標高は、現在の標高(3180m)に、プラス300m足されることになります。とすると標高 約3500mもの高さを持つ巨大槍ヶ岳がそびえたつことになります。
    あくまで妄想ですが(笑)

ーーー
※ この節は、ほとんどが、文献1)を参考にして記載しました。

(文献1)超火山 槍・穂高」原山、山本 共著、山と渓谷社刊
           (2003)
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