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Yamareco

記録ID: 1013635
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積雪期ピークハント/縦走
東北

【過去レコ】「雲海に浮かぶ島」 笠倉山(只見の薮山)

2014年11月17日(月) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
2.7km
登り
559m
下り
559m

コースタイム

日帰り
山行
4:15
休憩
0:35
合計
4:50
7:00
185
スタート地点
10:05
10:40
70
笠倉山
11:50
ゴール地点
参考文献 「会津百名山ガイダンス」
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2014年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
塩沢川下流の塩沢橋(R252)と只見線橋梁
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塩沢川下流の塩沢橋(R252)と只見線橋梁
塩沢川に沿って塩沢林道を奥へ。
塩沢川に沿って塩沢林道を奥へ。
林道終点に近づくと積雪が出てくる
林道終点に近づくと積雪が出てくる
林道終点からは踏み跡を進む
林道終点からは踏み跡を進む
椿薮の雑木林のあたりから笠倉山の東斜面に取り付く
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椿薮の雑木林のあたりから笠倉山の東斜面に取り付く
濃霧に包まれた急な樹林帯を登る。
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濃霧に包まれた急な樹林帯を登る。
しばらく急登斜面を登ると明るくなり雲海の上に飛び出す。振り向けば雲河曽根山〜高幽山の稜線が見える
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しばらく急登斜面を登ると明るくなり雲海の上に飛び出す。振り向けば雲河曽根山〜高幽山の稜線が見える
雲河曽根山アップ
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雲河曽根山アップ
南東方向。
山頂方面が見えてくる。このあたりは締まりのない新雪で腰〜胸まで潜る、一番きついラッセル。
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山頂方面が見えてくる。このあたりは締まりのない新雪で腰〜胸まで潜る、一番きついラッセル。
北方面。45度の急登を亀足で登る。
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北方面。45度の急登を亀足で登る。
北東〜南西に延びる山頂稜線が見えてきた。稜線直下が一番急勾配。
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北東〜南西に延びる山頂稜線が見えてきた。稜線直下が一番急勾配。
痩せた山頂稜線に乗る。両側はスッパリ切れ落ちている。
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痩せた山頂稜線に乗る。両側はスッパリ切れ落ちている。
登ってきた東斜面を見下ろす
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登ってきた東斜面を見下ろす
東の空は鱗雲が広がる。(パノラマサイズ)
東の空は鱗雲が広がる。(パノラマサイズ)
雲海に浮かぶ孤島のようだ。鷲ヶ倉山方面。
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雲海に浮かぶ孤島のようだ。鷲ヶ倉山方面。
笠倉山(東峰)までもう少し。しかし激ラッセルが続く。
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笠倉山(東峰)までもう少し。しかし激ラッセルが続く。
笠倉山(東峰)
さらに三角点のある笠倉山(西峰)へ続く
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さらに三角点のある笠倉山(西峰)へ続く
守門岳方面パノラマ(元サイズ→拡大)
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守門岳方面パノラマ(元サイズ→拡大)
南方向、会津朝日岳〜浅草岳方面。
南方向、会津朝日岳〜浅草岳方面。
新潟県の下田山塊、川内山塊方面も意外と近くに望まれる。(元サイズ→拡大)
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新潟県の下田山塊、川内山塊方面も意外と近くに望まれる。(元サイズ→拡大)
川内山塊パノラマ、矢筈岳もくっきり(元サイズ→拡大)
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川内山塊パノラマ、矢筈岳もくっきり(元サイズ→拡大)
中央の特徴的な山は毛無山。
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中央の特徴的な山は毛無山。
笠倉山(西峰)と周囲の山(パノラマ)(元サイズ→拡大)
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笠倉山(西峰)と周囲の山(パノラマ)(元サイズ→拡大)
再度、守門岳。
川内山塊(矢筈岳〜魚止山)パノラマ(元サイズ→拡大)
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川内山塊(矢筈岳〜魚止山)パノラマ(元サイズ→拡大)
辿ってきた山頂稜線と雲河曽根山。激ラッセルの跡。
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辿ってきた山頂稜線と雲河曽根山。激ラッセルの跡。
ようやく笠倉山(西峰)に到着
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ようやく笠倉山(西峰)に到着
北東方向パノラマ(元サイズ→拡大)
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北東方向パノラマ(元サイズ→拡大)
浅草岳アップ
矢筈岳アップ
越後三山方面アップ
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越後三山方面アップ
徐々に霧が切れてきた。鷲ヶ倉山と只見川。
徐々に霧が切れてきた。鷲ヶ倉山と只見川。
登りと同じ東斜面を下山する。
登りと同じ東斜面を下山する。
途中から沢筋を下る。
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途中から沢筋を下る。
雪に埋もれたナメコを見つける
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雪に埋もれたナメコを見つける
無事、出発地点に戻り笠倉山の山頂稜線を見上げる
無事、出発地点に戻り笠倉山の山頂稜線を見上げる
林道より振り返る笠倉山
林道より振り返る笠倉山
塩沢川と笠倉山、見納め。
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塩沢川と笠倉山、見納め。
再び塩沢橋にて。川面が水鏡のよう。
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再び塩沢橋にて。川面が水鏡のよう。
帰途、会津のマッターホルンと称される「蒲生岳」の麓を通過。
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帰途、会津のマッターホルンと称される「蒲生岳」の麓を通過。
見る角度により鋭く尖る蒲生岳。 
 おわり
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見る角度により鋭く尖る蒲生岳。 
 おわり

感想

 会津のエベレストとも呼ばれる「笠倉山」、会津百名山ではあるが登山道の無い山。新雪直後でかつて経験したことのない、胸まで沈むラッセルとなったが距離は短くどうにか山頂までたどり着くことができた。山頂からは周囲の峰々が雲海に浮かぶ島のように見え季節限定の絶景を堪能でき、ラッセルの苦労が吹き飛んだ。

 早朝の六十里越(R252)は通行止めではなかったが路肩には除雪による雪塊が50センチ程度残っていた。路面の凍結も至るところで発生しており慎重にゆっくり通過した。只見の集落へ抜けると積雪は無くなったが深い霧に包まれ静まり返っていた。高塩集落から塩沢川に沿って塩沢林道を進む。途中から未舗装になり落ち葉と枝とワダチ掘れにより路面は荒れてくる。それでも終点近くまで車で入れた。

 林道終点から踏み跡(ヘツリ道)をスパイク長靴で出発。塩沢川を右に見ながら進み、椿薮の雑木林が現れた所で笠倉山の東斜面に取付く。大きなブナの林床には椿の薮が密集している。かき分ける度に葉の上の湿った雪が容赦なく全身に降りかかる。周囲は濃霧、尾根を外れないように高みを目指して進む。ほどなく急登斜面が始まり山頂部まで続くこととなる。中腹まで登ると新雪は地面まで貫通し太腿まで潜るようになる。三歩進んで二歩下がるような状況で体力の消耗が激しい。尾根上部は潅木薮が密集し歩きにくいので時々迂回を強いられる。

 標高800mあたりから霧が切れ始め、雲海の上に出ると気持のよい青空が広がった。振り向けば山頂部が霧氷で薄化粧した雲河曽根山が見えた。積雪はさらに増加し腰まで潜る激ラッセルとなる。時々雪中の枝に足が絡まり悪戦苦闘。標高850mで緩やかな細尾根に上がると眼前に崖に囲まれた要塞のような山頂部が立ちはだかる。潅木に捕まりながら身体を引き上げ、どうにか登った。山頂部はナイフのように細く両側が南北にシャープに切れ落ちている。不安定に乗っかった新雪を慎重にラッセル。薮はヤマグルマ、キタゴヨウ、シャクナゲ、コメツガなどの猛者がそろっている。

 最後の力を振り絞りナイフのような稜線の西端までくると最高地点、ここを山頂とする。ようやくたどり着いた山頂からは期待通り360度の大パノラマが広がっていた。今までの苦労が報われるような瞬間だ。只見川沿いの盆地を全て飲み込むように厚い雲海が覆っている。山頂部だけ頭を出した山々が海に浮かぶ島のようだ。とても1000m足らずの低山からの眺めとは思えない光景に酔いしれる。遠くに目を向ければ会津朝日岳、村杉半島、越後三山、浅草岳、守門岳...新雪をまとった峰々が輝いている。意外にも川内山塊(矢筈岳、毛無山、駒形山など)が近くに見える。

 贅沢な展望を見ながら行動食をとりながらしばらく休憩する。雲海が徐々に途切れ始めるころ山頂を後にする。ルートは登ってきた東尾根を戻った。薮の薄い斜面では尻セードで豪快に滑った。下部ではいつの間にか沢筋に入ってしまい登り返す羽目になるが、ナメコのお土産を得ることが出来た。出発地点に戻るころには湿った雪でグローブと長靴と衣類はびしょぬれ。帰途、国道に出ると天を突くように尖った会津蒲生岳が後方に聳えていた。

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コメント

ゲスト
限定
蒲生岳などの、259号かアプローチの良い山は積雪期も良いかな?と思ってみたことがありましたが。ここまで奥まった所は考えもしませんでした。
時期の見極めが本当に難しそうな山ですね。写真23等の、新鮮な角度からの川内山塊が素晴らしいです。
春になったら川内に入ってみたくなりました。
レコアップ有難うございます。
2016/12/21 12:38
ゲスト
Re: 限定
笠倉山からの川内山塊、 下田山塊の展望は新鮮味がありました。写真23で矢筈岳の手前に重なっている駒形山ですが今年の残雪期に登ってきましたが秘境ムード満点の静かな薮山でした。三方を室谷川源流に囲まれ五十嵐川水系との分水嶺にもなっており南は福島県境に近く人里から一番遠いエリアにあります。おそらく裏ノ山がどちら側から入山しても一番遠く奥まった薮山ではないかと自分は思っています。残雪期ならosamu310 様なら日帰りで行けるかもしれませんね。
2016/12/22 21:32
プロフィール画像
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