快晴!表尾根の初冬
- GPS
- 06:18
- 距離
- 14.2km
- 登り
- 1,110m
- 下り
- 1,565m
コースタイム
- 山行
- 4:52
- 休憩
- 1:26
- 合計
- 6:18
天候 | 快晴のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:大倉からバスで渋沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・表尾根〜大倉尾根とも整備良好、案内充実。以前と比べ随分と木段と木道が増えている気がします。ただ、行者の鎖場と険しいアップダウンは不変なので、脚力と相談してお訪ねを。 ・冬の「泥田尾根」状態をもたらす霜柱や残雪は、晴天続きでごくわずか。平らな部分にはぬかるみもありましたが、靴がドロドロになるほどではありませんでした。 |
写真
感想
人を山に連れて来ることが続いて、1か月ほどマイペースの山行をしていない。天気も良いとのことなので、8年ぶりに丹沢表尾根をヤビツ峠から尋常に攻めてみる?ことにした。
秦野駅でトイレに寄り、7時35分発のバスに乗るべく駅前に下りて驚いた。バスは既に満員で、なおもバス停に長蛇の列。茫然としかけたが、係の人に聞くと10分後に臨時続行便を出すとのことでホッとした。表尾根もさることながら、一番楽なヤビツ峠から大山を目指す人が多いせいだろう。
やはり満員となった続行バスに揺られること40分余でヤビツ峠着。風がなくてさほど寒くない。レインウエアを着て林道を歩き始めたが、すぐに脱いで登山シャツ一枚になった。15分歩いて富士見橋を左折する。
曲がって150mほどで右に急登の登山口。山腹をジグザグに詰めていくと未舗装の林道が現れ、斜め左に横断して再び急坂を登る。皆さん着込み過ぎとみえて、あちこちで立ち止まってアウターを脱ぐ姿が目立つ。それらをどんどん追い越していけば、ほどなく後ろに大山の頂が見えてきた。尾根状になった登山道からは右に遥か筑波山、左には朝日に輝く相模湾が見える。
やがて木々が小さくなり、裸尾根ふうになってさらに展望が開けてきた。名残のススキの向こうに大島がシルエットで見えている。ひと頑張りで二ノ塔。雲一つない青空バックにそびえる富士山が出迎えてくれた。ただ、頂上からは木の枝が邪魔で全身が見えない。
三ノ塔に向けて少し下ると、富士山や箱根などがよく見えるポイントがあった。ただ、どうせすぐ三ノ塔だから写真撮影は後にしようと通過したところ、わずか10分余で雲が湧き、三ノ塔頂上から雲一つない富士の写真は撮れなかった。残念。それでも、丹沢山塊の向こうに箱根から愛鷹山、富士を挟んで南アルプスまでが一望できるというのは、この頂ならではの絶景だと思う。
若い人に烏尾山や塔ノ岳の位置を教えてあげて進発した。まずは地蔵の所から急坂を下り、軽く登り返して烏尾山。烏尾山荘は休業中だった。ベンチで弁当のパンを一つ早弁して一休み。頂上の平らな部分は溶けた霜柱でぬかるんでいるが、よけて通れるのでスパッツはこのまま着けないで行くことにした。
ホームセンターで買ったグリップの良い手袋は滑りが悪すぎ、行者の鎖場では逆に少し緊張した。その先、政次郎ノ頭に向かうザレ場のヤセ尾根は、以前見た時よりさらに風化が進んだ様子。登山道は鉄パイプと板で橋状に補強してあるが、いつか崩落してしまいそうだ。
書策小屋跡で息を整え、新大日まで急坂をもうひと頑張り。そこまで着けば、後は稜線漫歩の気分で流せる。後方には相変わらず輝く相模湾と大島、真鶴半島、三浦半島などの展望が開けていて、時々息を整えがてら景色を楽しんだ。
新大日からは軽いアップダウンで木ノ又小屋に着く。今日はここで正規の弁当タイムとした。暖かな日差しが注ぐ小屋の前のベンチでカップ麺とパン、コンビーフの弁当を食べ、食後にコーヒーを頼んだ。カップにはランプの絵と「Kinomata」の文字があって、専用に注文した食器らしい。
40分ほど休憩して元気を取戻し、塔ノ岳へ最後の登りに挑む。途中、南斜面がザレて北斜面側に迂回する区間があるが、このザレ場の崩壊も一段と進んでいるようだった。ともあれ、標高差80mばかりをひとアルバイトして頂上に到着した。今日も大賑わいで、ざっと200人はいるだろうか。残念ながら富士山はすっかり雲に隠れているものの、遠く南アルプスや八ヶ岳の姿は望むことができた。
トイレへ寄って一休み。ふと気づくと丹沢の上空にも雲が湧き始めている。潮時とみて、ここまでしまっておいたスパッツを装着し、下山路の大倉尾根に向かった。途中、日陰がぐちゃぐちゃだろうと予想してのことだが、結論から言うと全くスパッツは必要なかった。11月24日の雪はとっくに消え、南斜面ゆえその後の雨の影響もとっくになくなっていたようだ。26-27日の雪中登山の記憶が強すぎた。
一気に下って花立まで来て振り返ると、塔ノ岳の上にも濃い雲が広がっていた。降る心配はなさそうだが、午後の日差しも時々蔭るようになった。山頂で羽織ったレインウエアを脱いでしまった身には太陽がないと少々寒いが、風はないので標高が下がれば丁度よくなるだろうとみた。
天神尾根分岐下の長い階段で、重そうな大荷物を背負ったボッカさんと行き会った。北アなどと違って、丹沢の山小屋の荷揚げは今もヘリより人の背で担ぎ上げることが主力だと聞く。大勢が山小屋を利用するようになり、物資の補給も大変だろうと頭が下がる。
さて、こちらは水も弁当も消費して軽々となったリュックを背に、煙突から青い煙を吐く堀山の家前へ。雪中登山の時、「ぶっ壊している!」と驚いた小屋の南側の基礎部分の修理が続いていた。土台から浮いてしまった壁との隙間をブロックで埋めるらしい。
左の樹間から表尾根の全景をチラチラ眺めながら下って駒止茶屋。その下の急階段を過ぎればほどなく一本松で、その下にモミジの木が並んでいる。26-27日は見ごろだったが、既にほとんどは葉を落とし、紅葉が残っているのはほんの数本だった。
大勢の登山者と抜きつぬかれつして見晴茶屋。緩んだ靴の紐を直し、雑事場ノ平から植林帯を一気に下って10人ほどダンゴ状態で観音茶屋を通過した。この辺りまで下ると、ところどころのモミジはまだ紅葉を残している。左に見える三ノ塔尾根末端部の斜面は、名残の紅葉がきれいな模様を描いていた。
「丹沢クリステル」の人形が置かれた登山口には、ちょうど盛りのモミジが色づいていた。温暖な神奈川県の山の南斜面なのだから、紅葉も遅めになるのだろう。時計を見るとまだ3時にもなっていない。8年前は同じ時間に歩き始めて、大倉到着は3時を大きく回った。あの時は夏で今より1.5〜2L多い水を担ぎ、大汗をぬぐいながらの山行だったから比較にはならないが・・・。もう1本後のバスでも余裕で日没前に下りて来られた計算だが、それだと雲のない富士山を見ることはできなかったことになる。世の中なかなかうまい具合にはいかない。
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