我がふるさとの山「女峰山」.日光表連山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 16.2km
- 登り
- 1,760m
- 下り
- 1,739m
コースタイム
24日 行者堂7:00−水場9:30〜40−黒岩12:40〜13:00−唐沢小屋16:15
25日 唐沢小屋7:00−女峰山8:10〜30−唐沢小屋9:10〜30−黒岩11:20〜30−水場12:20−行者堂14:40
天候 | 晴れ風強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
2000m級の山が連立する、日光表連山の一つ「女峰山」を登る。
その山頂から四方の山々を方位磁石により、地図上に落とし同定することは楽しい。女峰山も他県の高山からの展望で、その対象になっているのだろうか。行者堂ル−トから唐沢小屋泊りの山行とした。当初は霧降高原ル−トを予定したが、山行終盤に重荷で山頂からの下降は危険と判断した。
12月24日
雲の流れは早い。ミヤコ笹の葉擦れ音も子守歌に聞こえる。行者堂から八風まではプロムナードに等しく、目にする草原は一見斜度も緩やかに見える。しかし地形図を見ると分かるように、少しずつ斜度が増している。風景があまりにも美しく、そう錯覚してしまうのだろう。
カラマツ林を抜け、尾根の合流を幾つか見送ると、左手に沢を見ながらの尾根歩きになる。田母沢の源流だろうか。そして右側から天狗沢が合わさると岩稜地帯の始まり「八風」の景勝地となる。南には茨城県の秀峰「筑波山」が雲間に浮かんでいた。そして目を西に向けると、はるか彼方に白装束姿に身を纏う「富士山」が目に入る。Wow,that´s fantastic.思わず足を止めてしまう。
岩場を三点支持で超え、登山道のとおり稜線を歩くと、渦巻く強風に行く先を封じられる。身体はよろめき、四つん這いで踏みとめる。こんなわけではと、弱音が見え隠れする。ガレ場を強風に打ちのめされ黒岩に着いた。雲竜渓谷の滝の連動が眼前に広がる。夏場は「カラカラ」と凄まじい落石の音響が谷間に広がる。この時期すべての物を凍結と化す、無表情の一枚のモノクロと変えてしまっていた。対岸の岩肌に草木地帯の広がる場所があるが、周りを厳しい岩稜が囲み鹿熊などの生息も出来ないだろう。傾き始めた太陽の淡いオレンジ色の光線が山々を照らす。あと100m高度を上げれば小屋も見えてくるだろう。前を行く二人の後ろ姿にも安堵の色がうかがえる。
12月25日
小屋の一夜は長い。小屋内は冷凍庫の中と言っても過言ではない。静まり返った暗闇の世界。卓上には昨夜の残りの鍋と凍てつくグラス。シュラフの口元が息の凍結で冷たい。寝返りをうつとサラサラと碓氷が剥がれる。深夜幾度となく「戸」を開ける。夜空に輝くオリオン座、そして北斗七星。日光市街の夜景も、キ−ンとした冷気で光り輝く。
小屋の朝は早い。7時前に歩きだし山頂を目指す計画。スト-ブの音が勢いよく燃え上がる。そそくさと準備をしてアイゼンを着ける。小屋の出口でアイゼンの爪が鳴った。約束された高気圧が日本列島を包む。群青色の空に女峰山の頂が突き刺さる。針葉樹林帯を速足で抜け、急斜面の雪ガレをトラバ−ス。対岸に渡り直登で上を目指す。クロモリの爪が氷にかみつき身体を守る。この山行で一番のハイライト。振り返ると小屋の白い小さな屋根が樹間から覗く。遭難者慰霊塔の前を過ぎれば山頂は目前だ。前が開ける。山頂手前の祠の前でお二人は、まだかまだかと笑顔で到着を待っていてくれた。
Thank you for waiting. 山崎
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