仙ノ倉山北尾根(1650mで撤退)


- GPS
- 15:43
- 距離
- 14.7km
- 登り
- 1,144m
- 下り
- 1,134m
コースタイム
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 9:30
- 山行
- 4:37
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 5:55
天候 | 3/25 曇り後晴れ、3/26 曇り後雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
毛渡沢橋近くの関越道高架下に駐車。高架下の手前も含めて5台程度は駐車可能。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山ポスト 土樽駅に登山ポストがあり、ここで登山届けを投函。 ◆道の状況 全編ノートレース。1400m以上ではアイゼン、ピッケルが必要だった。 今回登りでは1450m地点までわかん/スノーシューを使用したが、雪質によってはアイゼンが好いケースもあるだろう。 |
その他周辺情報 | ◆登山後の温泉 下湯沢共同浴場「駒子の湯」を利用。入湯料500円。こじんまりとしているが「雪国」関係の資料展示も楽しめる。 http://yuzawaonsen.com/02koma.html 湯沢近辺には温泉は多数あり。 |
写真
装備
個人装備 |
登山靴
スパッツ
ピッケル
ヘッドライト
アイゼン
シュリンゲ(各人3)
カラビナ(各人3)
わかん/スノーシュー
目出帽
防寒着
予備電池
帽子
タオル
地図
コンパス
筆記用具
ライター
ストック
個人用マット
シュラフ(カバー)
ナイフ
サングラス(ゴーグル)
ゴミ袋
保険証
現金
行動食
医薬品
運転免許証
着替え
日焼け止め
カメラ
時計
嗜好品
計画書
飲み物
手袋
トイレットペーパー
非常食2食分
食器
ビーコン
ゾンデ
スコップ
|
---|---|
共同装備 |
ザイル30m
テント
テントマット
コッヘル×2
ガスストーブ×2
|
感想
岳人100ルートの一つにも挙げられている仙ノ倉山北尾根を目指した。ところが林道初っ端からノートレースで膝までのラッセル、当然北尾根も終始ラッセル、とペースが挙らず結局最高点は1650m止まりで終わった。とは言え白銀の世界を自分たちだけで独り占めできる幸せを感じた。そうなるとラッセル地獄ではなく天国かも?
昨年宿題だった足拍子が片付いたので次の目標として仙ノ倉山北尾根を取り上げた。3月となり絶好の登山日和と期待していたが、初日はその通りの快晴、翌日は下り坂と言う所。気温は低くなく幕営地でもテント内で壁際に置いた水が薄く凍る程度だった。
【1日目: 3/25】
湘南を出発したのは2:40。圏央道のお陰で4:50には湯沢に着く。関越トンネル前からチェーン規制が入っていたが関越トンネルを抜けてもわずかな散り雪。いつものコンビニで休憩した後、登山届けを提出すべく土樽駅を目指す。国道は除雪されていたものの一旦脇道に入ると道路上の積雪も多い。カーナビを信じていたが土樽駅が誤って上越線の西側にガイドされ危うくスタックしかけた。正しい土樽駅に向うとかなりの積雪で登山届けをポストに投函するために除雪が必要だった。そこからバッキガ平へ通じる林道へと向う。林道は関越道を超えた先から雪に閉ざされているが、毛渡沢橋近くの関越道高架下が雨雪も避けられて絶好の駐車場所になっている。
ここで準備を整えて6:20に出発。登攀具は無いが流石に冬装備なんで荷が重い。雪に閉ざされた林道に踏み入るとトレースがある。しばらく歩くと上越線の線路が見えてきた。毛渡沢を渡る橋梁の橋脚は煉瓦積みで随分と風格がある。1931年完成と言うことで納得。更に10分程歩くと右手に径を分ける。こちらにもトレースがある。毛渡沢沿いに進むと高圧電線の鉄塔がありこの辺りは林が切り開かれている。10分程歩いた所でトレースが無くなった。まだ1kmも歩いていないがここからわかん、スノーシューを着けてラッセルが始まった。未だ曇りではあるが上を見上げると所々に青空が透けるようになってきた。しかし林道歩きが長い。30分程歩いて漸く北尾根の末端らしき尾根が見えたが未だ随分と遠い。トレースが無くなってから林道のゲート小屋まで50分も掛かった。発電所の取水口まで更に50分。この時点で僕的には今回山行の終点は小屋場ノ頭程度かと思えるようになっていた。
取水口から群大ヒュッテがあるバッキガ平まで500m程だがこれもまた遠い。未だか未だかと思っていたら後から3人パーティが追いついて来た。「どこに行くんですか?」と先頭の女性に聞かれて「一応、仙ノ倉北尾根なんですが、どこまで行き着けるやら」と応えると「同じですね!」とのこと。でもその先を見て「ノートレースですか!」と驚いていた。直前にAki-CLさんと13Kさんは6人位いればと話していたようだが正にその想いが天に通じたようだ。こちらも心強い。
バッキガ平で毛渡沢を渡った所で小休止し、3人パーティに先行して貰い続いた。ローテーションを回しながら尾根を目指して直登し、尾根に取り付いた後も同じように進んで行く。尾根に取り付くと周囲の展望が望めるようになってきた。陽も射し出し、気分も高揚するが、傾斜は時に厳しく息は上がりっ放しだ。1100mを越えると漸く勾配も緩くなり右手に回りながら小屋場ノ頭に到着した。
小屋場ノ頭からリップを乗越して北尾根に降りる。ここからしばらくは標高差が余り無いアップダウンを500m位進むが、ここにたっぷり2時間以上掛かった。この尾根はやや痩せた尾根だが左右に雪庇が形成されている。この辺りの風の模様は複雑なようだ。両側の渓は滑ったら200mは止まらない様相なので風が強いと緊張を強いられるだろう。でも今は無風、空も晴れ上がって来た。この好天下、誰のトレースも無い処女雪の尾根を歩けるのは幸せだ。でもしんどいものだ。展望は増々好く、タカマタギ、荒沢山から足拍子、万太郎、そして苗場山も見えてきた。
段々と登り基調になるが、泡のような積雪の斜面ではスノーシューでは登るに登れずただ雪の中を足が空回りしてしまう。見かねて3人パーティのリーダーがわかん隊が先に均すからその後でと言ってくれたので遠慮なく最後尾に付いてのんびりと登らせて貰う。見上げた最初のコブの上が1400m、その次のコブの上が1450mのようだ。1400m地点を通り過ぎて1450mに届いたものの両側に傾斜しており予想した程の幕営好適地とは言えない。3人パーティはコブの向こうのコルに幕営することとしたようだが余り好くは無い模様。我々は1400m地点に戻って幕営することとした。そこも多少は広くなるが傾斜地ではあるのでスコップで雪を掻い出して整地してテントを張る。1450m地点は風が強いのか積雪も少なめで雪面が氷化していたのでこれも難しかっただろう。ここは適当に木もあるので張り綱を張るのも容易だ。
テントを張って落ち着くともう16:40だ。バーボンを水割りでちびりちびりやりながら水を作り、18時から夕食(と言ってもいつものレトルトカレー)、19時には就寝した。翌日の行程は当初計画では仙ノ倉山登頂後、平標山から矢場ノ頭経由バッキガ平に戻る岳人100ルートのものだったが、フルに荷を担いでトレースが期待出来ないルートはキツい、また元橋に出るにしてもどうか、と言うことで状況がはっきりしている往路を戻ることとした。なので仙ノ倉山に向っては荷を軽くして望める。翌日の起床はは夜明けが5:30頃なので4:00とし、5:30から行動する計画とした。
【2日目: 3/26】
夜半は概ね穏やかだったが時折突風がテントを揺らし目を覚まされた。突風の方向は西側だけでなく東からと言うのもあり一定しない。朝焼けの頃が近づいていると感じながらも惰眠を貪っていたら13Kさんが寝坊したと叫んで起こしてくれた。いつも完璧に目覚し役を担っていた13Kさんに頼りっきりだったのだが、やっぱり昨日の労働はきつかったんだなぁと改めて実感した。兎も角起床5時なので必然的に出発は6:30になった。
外に這い出ると悪天とは言えないもののさほど好くは無い。まあ天気予報よりはましかと言う所だ。曇ってはいるが遠くまで視界もある。一応10:30を引き返しのタイムリミットとした。つまり4時間で仙ノ倉山まで達することができるかどうかだ。荷は軽く感じるものの歩き出すと歩みは重い。やっぱり疲労が積もっている。1450mのコルではまだテントから動き出しておらず、今日はこのまま引き返す模様。残念ながらトレースは全く期待出来ない訳だ。とは言えここから上は雪も締まりアイゼンの爪もしっかり食い込む雪質で快適に歩行できた。尾根の左側、つまり東側には雪庇が張り出しているようだがその根本と思われる所には所々で割れ目が広がっている。それを避けて西側寄りを進む。もう一つ風の強いコルを過ぎると急な雪面になる。左側には万太郎からの尾根が雲を抱いているのが見え、その終点にピークがあるが、あれが仙ノ倉山だろうか?そのピークも頂上は薄い雲に隠していた。
胸を突くような斜面に脚を蹴り込みながら登る。登りきると勾配も緩やかになったが、急にガスが流れて来て視界が無くなり雪混じりの風も強まってきた。7:35 ここで引き返すことにした。ここから下るのは早いもの。テントまで30分ちょっとで戻って来た。1450mコルで幕営していたパーティも外の様子を伺っていて、そろそろ行動開始のようだ。我々もテントに戻り一息ついて撤収に入った。
9:15に足元はアイゼンで幕営地を出発し、昨日のトレースを踏み、下る。雪は薄らと積もっているがトレースを隠すことは無い。ツボ足なのでそこそこ沈み込むこともあるが、小屋場ノ頭の手前まで40分で来れた。昨日の登りは3時間以上掛かったのに下りは実に味気ない程早いもんだ。そこでわかんを着けたりしている間に後続パーティが追い付き、追い越して行った。僕はここからの尾根の下りはツボ足と決め込みアイゼンを外す。更にバッキガ平まで600mの下りを1時間弱。林道にはスキーのシュプールが残っていた。クロスカントリースキーだろうか?この閑かな雪景色の森の中、逍遙しのんびりと過ごすだけでも十分に楽しそうだ。バッキガ平で休憩し、僕はスノーシューを履き、毛渡沢橋高架下を目指す。これが実に長い行程に感じた。上越線が見えてきてホッとした。
結局今回も目的を達することはできなかったものの、個人的には純白の仙ノ倉山北尾根を見て感じて印を残せたことには十分に満足できた。またトライしましょう。
群馬大学仙ノ倉山荘は一般にも解放されているようです。
http://www9.wind.ne.jp/guac/
> 山荘維持協力費:大人1000円/泊・人 子供500円/泊・人 群大関係者700円/泊・人
> 燃料費(通期):1000円/泊・パーティー
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