仙台神室岳 仙人沢左岸尾根


- GPS
- 08:28
- 距離
- 15.2km
- 登り
- 1,442m
- 下り
- 1,424m
コースタイム
- 山行
- 7:43
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 8:29
天候 | 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
8時時点でほぼ満車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●仙人沢左岸尾根 仙人沢の左岸に位置し、仙台神室岳から山形自動車道笹谷トンネルへと続く尾根。 仙台神室岳からの下山で利用した。 尾根上部には仙人沢コースの夏道が通っているが、P1022の迂回路は 滑落と雪崩のリスクが高すぎて積雪期のルートには適さない。 よって、尾根通しで通過する事になるが、P1022の先には岩の直壁が存在し、 下降するにはロープと懸垂下降のスキルが必要になる。 岩壁の高さはそれ程でも無いが、若干ハング気味に反っており、 基部は両側が切れ落ちた痩せ尾根なので、視覚的な面で怖さを感じる。 懸垂下降で岩壁を降りた先には雪庇の発達した痩せ尾根が続いており、 今の積雪状況では、雪庇の真上に降り立つ事になる。 雪庇が崩れて滑落する危険がある為、岩壁下降後もロープは解除せず、 雪庇帯を通過し、安全圏に到達してからロープを解除する。 今回は30mロープでギリギリで足りたが、もっと雪が多い場合は雪庇帯が 長くなるかもしれない。 最悪の場合に備えて、30m以上は準備した方が無難。 岩壁と痩せ尾根通過後は仙人沢へと続く夏道は無視し、尾根通しを継続。 急峻なP988を慎重に下り、更に進めば鉄塔が見えてくる。 鉄塔を過ぎて少し下った先で尾根を逸れて国道286号(冬季閉鎖中)へ降りる。 他にも尾根を降りられる箇所はあるが、ここが一番降りやすいと思う。 尚、尾根の末端まで下ってしまうと笹谷トンネル下り線(宮城側)の天辺に 出てしまい、もちろん、そこからは下山できない。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
インナー手袋
防寒着
ゲイター
バラクラバ
ゴーグル
着替え
靴
ザック
サブザック
アイゼン
スノーシュー
ピッケル
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
ロープ(30m)
ハーネス
スリング
カラビナ
|
---|
感想
仙人沢左岸尾根は、笹谷トンネル宮城側から仙台神室岳へと続く尾根。
ざっと地図を眺める限りでは、沢を介さず、仙台神室岳へ最短距離で登れる為、
良い冬季ルートになりそうな尾根である。
だが、予想に反して、冬にこの尾根を訪れる者は少ない。
仙人大滝までならば、ワンシーズンに数パーティ、アイスクライマーが
アプローチとして入る事はある。
しかし、それより更に上部の仙台神室岳を目指すケースは殆ど無い。
何故ならば、この尾根のルート上には垂直の岩壁が存在し、
ずば抜けた登攀スキルを持つ登山者でもない限り、突破は不可能だからである。
私自身、過去に仙台神室岳の登頂を目指して、この尾根に挑んだ事があったが、
岩壁であっさり撃沈。
自分のスキルでは越えられない事が判ったので、岩壁を迂回する夏道ルートを
辿ろうとするも、地形図を見れば察しが付くように、そこは雪崩の巣。
一歩踏み入れると巨大なデブリがゴロゴロしており、足場となる斜面はかなり急。
雪崩と滑落の恐怖で背筋が寒くなり、這う這うの体で逃げ出した。
この一件ですっかり怖気づき、この尾根は無理、と諦めるところだが…
当時の私は、そうは思わなかったらしい。
「登れないのならば、下ればよい。」
という逆の発想を思い付き、実行の機会を伺っていた。
そして今回、着想から長き年月を経て、リトライしてみる事にした。
前置きが長くなってしまったが・・・
結果としては、危うい場面はあったものの、無事下山に成功し、
長年温めていた仙人沢左岸尾根の踏破は果たされた。
登頂ではなくて下山での利用なので、果たしてこれを踏破と認めていいものか、
大いに疑問ではあるが、そこは深く考えたら興醒めと言うもの。
長年抱えていたテーマが一つ片付いたので、ここは素直に喜びたいものである。
雪は締まり始め、残雪期の様相を見せつつある昨今。
そろそろ、西の山々へ関心が移りつつある私にとって、
二口・蔵王の雪山を訪れるのは、これが今シーズン最後になるだろう。
堅牢な岩壁と急峻な峰を抱える仙人沢左岸尾根は、その最後を飾るに相応しい
難ルートであった。
コメント
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Luske様、おはようございます。そして初めまして♪
仙台神室岳からの仙人沢左岸尾根降下、大変お疲れ様でした。
あの仙台神室の山頂にいた御一行様の3人でした(笑)。
山頂から対面の斜面をガシガシ降りて来る方がいて、ダンゴ平で少し挨拶した後、あっという間に仙台神室を登り切ってしまって、『凄い方だったなぁ〜!』と、みんなでお話しておりました。
後からLuske様のヤマレコがアップされて納得致しました。
その後、仙人沢を降りて行ったとは〜!?!?
僕らには、とてもハードルの高い難コースを登覇されて、山形県・宮城県にも、中々ハードなコースもあるのだなと思いました。
これからの新たなチャレンジを楽しみに、どこかの山で、またお会いできる日を楽しみにしておりますね〜。(今年は山形県の山に益々進出する予定です♪)
mh07さん、初めまして。
いつも記録拝見させて頂いております。
すれ違った時は気が付きませんでしたが、後で記録を拝見したところで、
mh07さん御一行様だと気付きました。
その節は、お世話になりました。
皆様方のトレースの御蔭で順調に仙台神室に登頂でき、後の行程に向けて体力温存もできました。
この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました
それにしても、リーダーのdreamonさん、山男のオーラがありますなぁ。
ダンゴ平でお会いした時、お恥ずかしながら萎縮してしまいました^^;
今年は山形の山にも益々進出との事で、今後の御活躍に期待しております。
またどこかの山でお会いできたら嬉しく思います。
「登れないのならば、下ればよい。」
いつぞやのレコで書かれていた”下山率100%を誇るー”の
くだりを思い出しました
岩壁は写真で見ても登りは厳しいそうだと伝わってきますが
実際はそれ以上でしょうね
長年のテーマが片付いたということで心置きなく
西の山々に向かえますね
楽しみにしています
次回も天候に恵まれますように
今年も色んな山から下山しましたが、その中でも今回は、
特に快心の下山でした。
登りでは困難な直壁でも、下りであれば懸垂下降での通過が可能です。
そんな理由から、沢登りでは下り専用の沢、なんてのが存在しますが、
今回は、それを雪山でやってみました^^b
仙人沢左岸尾根は、これまで何度かトライしようと思いましたが、
天気が悪いとか、体調が悪いとか、今日は仏滅なので御日柄が悪い、等々。
適当な理由を付けて、何度も敬遠してたルートでした^^;
それがようやく片付いて、ほっとしているところです。
これで心置きなく今期の蔵王山域は卒業し、次は西方へ向かいたいところです。
(西南、の方も気になる・・・)
あの日、トンガリ山でお話しさせていただいた者です。
下山で利用しまして、とても速く駐車地点に到着しました。
実は、Luskeさんと出会ったのは2回目です。
数年前の冬、不忘山ですれ違った伊豆ナンバーです(笑)
不忘山では、物凄いラッセルでした。
トンガリ山でお話しし、下山していた時、この急斜面を登ってくる単独のお兄さんって、もしかしてLuskeさんかな・・・と思っていました!!
今、こうしてレポを見て、改めて凄い人だなと感じております。
ぜひぜひ、またお会いしたいです。
やはり、お会いした事がありましたか!
いや、実は私、トンガリ山でお話しさせて頂いている間、
「この方、何処かの山で会った事あるよなぁ・・・」
と、密かに考えていたところだったのです。
そうか、不忘山でお会いしてましたか。
あの時の事は、よく覚えております。
私がラッセル泥棒した日ですね(笑)
あの日の不忘山はとても雪深く、登頂は無理かと思ってましたが、
boku-birdさんのトレースの御蔭でかなり楽させて頂きました。
トンガリ山では思い出せなくて申し訳ありませんが、また再会できて嬉しく思います。
無事、トンガリ山の西尾根から下山されたようで何よりです。
どうです、結構、良い尾根でしょ?
登り利用はきついかもしれませんが、下山には良い尾根かと思いますので、
登りは笹谷からの代表コースで、下りでトンガリ山の西尾根を利用すれば、
良い周回ルートになるんじゃないかな、と個人的には思っているのです。
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