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記録ID: 111571
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積雪期ピークハント/縦走
白神山地・岩木山

青森労山創立20周年県境縦走 尾太岳〜冷水岳

1993年04月16日(金) [日帰り]
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naritagajo その他2人
GPS
49:20
距離
18.1km
登り
1,532m
下り
1,526m

コースタイム

(4月16日)尾太鉱山8:40→955m 11:53-12:25→尾太岳13:03→1020m 15:00(泊)
(4月17日) テント6:15→県境6:37→1001m 7:22→1097m 8:11→1080m8:34→冷水岳9:58-10:17→小岳展望所940m 1038-11:03→冷水岳11:43→1080m12:47→1080m13:26→県境分岐14:22-14:35→テント14:49(泊)
(4月18日)テント6:36→尾太岳8:01 8:15→955m 8:35-8:47→尾太鉱山9:58
アクセス

感想

(4月16日)尾太鉱山事務所へ着き、職員の方に入山届を出す。今年はじめての入山者だと言われ、ナダレに注意して下さいと注意される。若い方で親切にしていただいた。登りは急でスキーは無理なのでワカンにする。ストックを一本持つ。気温で高めのため雪がぬかり、三度三度と踏み固めなければ足場が出来ない。トップの田中は大変であったと思う。しかも尾根が急でナダレるのではと不安にかられる。ところどころ底まで雪に割れ目がある。左側は尾太岳との間の深い沢である。ガスも上がり始め、時折り尾太岳頂上も見え出す。急峻な沢にはナダレのブロックの跡が生々しい。斜面もアチコチに黒く大きな雪割れがある。
955mピークには、コメツガ、ヒメコマツが林生している。コメツガの影で休憩。赤布をつける。ここまでは、急なヤセ尾根なので気をつかう。3時間強で到着。荷を背負って高度600mを稼いだことになる。東側には、下から見て、雪庇が大きく張り出しているのを確認出来ていたから、コメツガの樹林の中にルートをとる。緩い下りで鞍部へ。続いて尾太岳への登りとなる。尾太岳山頂には、岩が二、三少し出ていてあまり広くない。西斜面には、コメツガの樹林で時にヒメコマツが混じる。コメツガの下方には、ブナ林が広がる。ガスが出はじめる。磁石で方角を定め、南側鞍部を目指す。少し急な斜面、スキーなら快適かなと思いながら下る。ここからは、そう大きな上り下りはないのであるが、西側の雪庇には気を使い慎重に、ブナの樹のそばを歩く。田中、箕輪は順調、成田は大分疲れて来ていた。暫し、鞍部に来れば、テント場を物色し出す。西風が強いが、ブロックを積めばと思いながら。1060mのピークを下って1020mの鞍部でとうとう、左、右と内腿に痙攣を起す。県境まであと500mなのに。時間もまだ早く、十分に余裕があるのに残念だが、ここの鞍部を泊りのテント場とする。
痙攣は初めての経験。今冬の白神岳冬山合宿で工藤清貴君の痙攣を見ていたので早目に行動を中止した。ザックを背負ったままわかんで踏み固め、次にわかんを抜いで、次には、田中がスコップで高低を整地してくれた。小枝を折りペグとし、西側には、ブロックを切り出して積み上げる。四時頃からはテントの中で夕食の準備。成田は、毎週の入山で、筋肉に疲労が溜まっているようだ。これでは、次週のニッ森・雁森は不可能だろう。天気予報は、今夜も明日も高気圧帯に覆われて好天とのこと。でも強い南西風が吹き気温も19度になるだろうとのこと。1000mにいても寒くないのは、これのためだ。夜には、空には、星がまたたき出す。でも強風がブナ林を揺する音には、いつものことながら恐怖心をあおられる。安眠を妨害する嫌な風だ。予定より、大分ルートを延ばせなかったので、明日の行動距離は大幅に短くなるのが残念だ。
(4月17日)
強風も朝方になり大分弱くなるが、外はガスだ。四時すぎに起き、朝食はレトルト白飯に納豆とみそ汁と、旅館の朝食なみ。今日はテント場からの往復山行とし、ザックは重くないので可能な限り距離を稼ぐつもりだが、成田の太モモの状態いかんにかかっている。ガスは晴れそうになく、天気予報どおりではないのか?
今日一日ガスの中では、山域の状況も把握出来ず目的も半減だ。県境までは思いのほか早く着く。赤布をつける。東側釣瓶落峠方面は、急な下りのようだ。小枝を折り、雪面に刺して目印とする。一休みして冷水岳方面へ向かう。トップは田中に今日も頼む。尾根は広いが南側は雪庇が出ているので北側の樹のそばを進む。1001mの鞍部を過ぎ、1080mの小ピークにさしかかるころからガスが切れはじめ、秋田県側が下の方に見えはじめる。1097mでは周囲が見えはじめる。1080mの南北に細長いピークには、東側に雪庇が出ていて、登れるのかなと一瞬思う。良く見ると岳樺の小林の上部に雪庇の薄い所あり、そこから乗越せるようだ。上からは南西へ下る尾根を冷水岳へ向かう。すっかりガスは晴れメンバーの心もほっとして、歩みものんびりしてくる。良かったなあと互いに声を交わす。南側には、東側に岩手山のように大爆烈火口を長く引いた藤里駒ヶ岳、西には小岳、その右に青鹿岳、そしてうっすらと白神連峰が、北には岩木山、その右に先日越えて来た尾太岳がコメツガとブナの林をはっきり上、下に際立たせているのが遠望出来た。冷水岳よりさらに進みたかったが、帰りの登りや、成田の足のことを考え、940mの小岳が良く遠望出来る地点で帰幕することとして、休憩する。小岳も南北に尾根を伸ばしており、東側には、大きな雪庇が張り出しているのが見える。帰りの冷水岳からは小岳の右奥に二ッ森がピッタリとくっついているように近く見える。雁森岳は、その二ッ森の手前になるのだが、どのピークか見当がつかない。でも二ッ森までも見えた事に満足する。
帰りは、所々で写真を撮りながら。県境分岐では、田代岳も見えた。二日日、早目の夕食、ライスカレー、みそ汁、ソーセージ、焼そば、たまごと盛り沢山。今夜もまた強風が時折り雨の音も混じえて吹きまくり、安眠を妨害する。
(4月18日)風は弱くなったがガスは晴れない。でも雨ではなくこれで下山できると思うと心も少し安らぐ。事故無く下山できる様にと心で思う。尾太岳の急斜面を登り頂上で記念撮影。赤布も付ける。私たちの足跡ではなく数が乱れている。手塚さんらが来ていたらしい。955mまで二時間。行きと同じ時間で来られた。風が北西の風に変わったせいか雪も少し硬かったので、ぬかることなく楽だったと、トップの田中。955mからはトレースを辿り一時間で下山できたのにはびっくり。鉱山事務所へより下山報告。人なつこい社員にまた来いへと笑顔で応対された。うーんまた来る気になれるかな・・・自問自答した。

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