東洋のアルカディアを望む 栂峰、飯森山


- GPS
- 09:19
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,728m
- 下り
- 1,726m
コースタイム
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山届はCOMPASSで。 ・そもそも登山道ありません。 ・米沢側の雪庇は大分崩落しましたが、まだ崩落の可能性があるので、尾根より張り出した箇所は安全を確認して乗ること。危険な場合、喜多方側が比較的なだらかなので巻くのがよいです。 ・稜線上がるまでは藪漕ぎ、稜線上がってもナイフリッジなど藪漕ぎ必要な箇所複数。 ・S1128とP1341の間にある50m程の壁は50度くらいあるでしょうか。雪上も藪も厳しい区間です。 ・栂峰と飯森山までの間に、それぞれ2〜3mのほぼ垂直の雪壁が2箇所ありました。 ・雪が急速に融ける時期なので、時事刻々変わるコンディションに応じた判断必要。 |
その他周辺情報 | 15分程米沢側に下ると道の駅田沢があります。実家まで30分の私は寄り道せず通過。トンネル〜道の駅区間は山桜満開でした。 |
写真
装備
個人装備 |
バックパック OMM Classic25
アッパーシェル TNFアクティブシェル
ミッドレイヤー モンベルプラズマ1000ダウンジャケット(携行のみ)
スキンズA200ロングスリーブ
ボトムス ホグロフスLIZARDパンツ
CW−Xエボリューションロングタイツ
TNFバイザー+モンベルフリースイヤーウォーマー
グローブ Milletトレッキンググローブ→自衛隊迷彩(濡れたため交換)
シューズ サロモンS-LAB X ALP
ソックス スマートウール
軽アイゼン モンベルチェーンスパイク
ポール LEKI MAKALOUカーボンライトAS
ファーストエイドキット
ツエルト ファイントラックFAG0104
ハイドレーション+ソフトフラスク2L(▲0.8L)
携行食 クリフバー4(▲1)+Shotz2(▲1)+VAAMゼリー2(▲1)塩熱サプリ
携帯トイレ2(▲1)
iPhoneSE+Runmeter+Geographica
ソニーDSC-HX30V
|
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備考 | ・一部の区間ですが、アイゼン+ピッケル必須レベルでした。 ・ポールのスノーバスケットは急斜面と藪では邪魔。残雪期はノーマルでよいです。 |
感想
栂峰(・飯森山)、山形県置賜地方からの通称田沢山。置賜地方を囲む山群で中心部から最も近く、吾妻と飯豊を結ぶ稜線中央の要衝にどっしり構えながら、200名山でもなく、やまがた百名山では3月に追加指定された側の50峰(飯森山は指定されず)、私の母校の旧制中学時代の校歌でも触れられない(飯豊、吾妻は謳われている)地味な存在。3月登山時新雪に阻まれて飯森山まで脚を伸ばせなかったので、再挑戦。P1515から飯森山までの稜線全制覇と、東洋のアルカディアと称された郷里を眺望するため、大峠から飯森山までの稜線ピストンとして、万一の場合は栂峰から小屋に降りることを想定。
(入山地点〜S1128)
4時48分、大峠トンネル米沢側坑口横の休憩所標高652mをスタート、坑口左手尾根に取り付き、適当に残雪を利用しながら藪の急斜面を登ります。一面咲いているきれいな花がありますが、何だか不明。
1079mで右手尾根に合流するとようやく眺望が開け、概ねなだらかな尾根になりますが、薄い踏み跡があるだけの藪漕ぎ。積雪の上を歩ける箇所は雪上に出ます。吾妻からの稜線に合流するP1220への登りは結構険しく、進行方向は見えているので、1140mぐらいのところからトラバースしてB1128に直行。
(S1128−P1515)
1150-1250m間の雪の急登は本日最大の難所。前爪のないチェーンスパイクなので、キックステップで十分な足掛かりを作りながら登行、かなり怖いです。途中で藪に逃げ込みましたが、ここは藪もかなり厳しく、突破に難儀。
難関を突破すると、なだらかな稜線歩き再開。雪面のコンディションを見ながら、米沢側、尾根上の藪、少し傾斜の緩い喜多方側のトラバースを選びながら進み、高倉山からの稜線に合流すると、山形県側の視界が開け、間も無くP1515。7時26分、出発から2時間38分。
P1515は360度の素晴らしい眺望でした。ピーク下で前日設営された防風壁発見。
(P1515-栂峰)
ここからは、週末通ったと思しき足跡と今朝着いたアイゼン付足跡を追って、なだらかなピークを左右の眺望を楽しみながら進みます。S1406、P1530を通過すると間も無く栂峰1541.3m。8時9分。P1515から43分。勿論神社は雪の下。
(栂峰−飯森山)
標高1500m前後に雲が出ており、飯豊、吾妻、朝日、蔵王の上部が見えず、時折自分も霧に巻かれ、何より飯森山頂が雲に覆われていますが、悪化はしなそうなので予定通り飯森山へ。先月来た時も難しそうに見えた雪壁が、引き続き立ち塞がって見えます。1つ目の壁が見えたところで先行者の姿を捕捉、突破に難儀している様子が見えます。壁部分は3mくらい、僅かに角度がついていたので、自分でキックステップを作ってクリア。荷物の軽い私には比較的容易。2つ目の壁は2m程度ですが垂直。先行者のステップを利用させてもらってクリアすると、間も無く先行者に追い付きました。暫く並行してから先行、小さな祠を横目に飯森山到着。9時5分、入山から4時間17分。そのまま通過して、本日の最終地点2ndピークまで行ってから飯森山山頂に戻りました。
先行者が休憩していたので、私も休憩。このエリア、小屋〜栂峰、日中ダム〜飯森山(祠)だけ登山道があるのですが、熱塩の山岳会(つがざくら山岳会かな?)に所属して飯森山の登山道を整備されている方だそうです。飯森山山頂周辺だけ登山道が露出している箇所があったので、ちょっとだけ利用。
この方、100L30kgもの荷物を背負って吾妻から飯豊への縦走中、ここまで4日だそうです。一番厳しいのは大峠トンネル上の藪(私は通っていないところ)で、飯森山まで来ればあとは比較的容易とか。
飯森山からは、鉢伏山を経由して大峠トンネル喜多方側坑口に降りるのが楽だと教えていただきましたが、そこは山形出身の私。山形側の景色が見えないルートを降りることはありません。
(飯森山〜登山口)
9時34分下山開始。1時間後栂峰に戻った頃から周囲の山の雲も取れ、360度の絶景。米沢盆地の田園風景を見下ろし、何度も立ち止まりながら歩きます。140年前にイザベラ・バードが「東洋のアルカディア」と称賛した風景です。あちらは眺山諏訪峠からの川西町付近の近景、こちらは1500m稜線上から米沢盆地全体の遠景ですが、遠い分パチンコ屋やら新建材の家やらの形が見えず、140年前とさして変わらなかろう景色を堪能。
復路はS1128上の壁を嫌って喜多方側に迂回。これは失敗。斜度こそ少し緩くなるものの、手掛りのない急な雪面をトラバースせざるを得なくなりました。急ですが、覚悟を決めて一番急な藪と雪の境目を直登降するのがいいと思います。
もう1つ往路と異なるのはP1220。結構急な登り降りとなりますが、気温が上がって雪が緩む時間帯のトラバースは危険と判断し、素直に尾根を辿りました。
1079m地点からは往路と変えて右尾根を下降。雪付きがよく、踏み跡もあり、何と1箇所ロープまでありました。初めからこっち通ればよかったなと思いつつも、素直に尾根を辿ると入山地点から大分下に降りることになりそうだったため、最後は尾根を外して灌木を掴みながら下降し、林道(かな?嘗て酷道として非常に有名だった旧道はここより大分南)に出て間も無く13:02入山口到着。出発から9時間20分の旅でした。
距離: 19.6km
登り: 1576m
降り: 1597m
総ハイクタイム9時間19分(ネット8時間34分)
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