ヒカゲ舟〜ブドウ岩ノ頭/林道の草付急斜面をロープ頼りに恐怖の下降
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 932m
- 下り
- 921m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
北西尾根からヒカゲ舟を通って岩戸ノ峰に登る。主稜線を西隣のブドウ岩ノ頭まで縦走してから、その北西尾根を降りて周回する。 登山道は主稜線にあるのみで、登降に使った北西尾根は共に踏跡程度。道標は皆無、赤テープもほとんど無い。 特に、ブドウ岩ノ頭の北西尾根は踏跡が不明瞭な中を下るので、地図読みとカンが必要。さらに、標高920m付近で尾根を寸断している菅野盛里林道に降りるには、20m程の草付の急斜面をロープ頼りに下るので、非常に怖かった。 |
写真
感想
道志山塊の赤鞍ヶ岳から雛鶴峠に北上する主稜線上に、「日向舟」と言う変わった名前の小さな峰がある。さらにその西側、大旅川を隔てて「ヒカゲ舟」がある。日向と日影の舟が直ぐ近くにあるとは面白い取合わせだ。両者を対にして周回しよう、ということで2年前の6月に出かけた。
前者には登山道が通っているが、後者には無い。そこで、地形図を見て、ヒカゲ舟からリニア実験線車両基地に伸びている北尾根なら登れると判断、まず、これを辿ってヒカゲ舟に登った。さらに、ここから尾根を詰めて主稜線上の岩戸ノ峰まで登り、赤鞍ヶ岳経由で日向舟に向かう予定であった。
ところがヒカゲ舟の頂上の直ぐ先で、尾根が菅野盛里林道で寸断されている。一度林道に降りて、尾根の続きに登り直そうとしたが、林道の縁はコンクリートの法面で覆われていて取付きようがない。
林道の西側を覗いたが、登れそうな場所は見つからなかった(少し先の法面の陰に階段が隠れていたが、全く気が付かなかった)。日向舟は東方向にあるので、登れそうな斜面を探しながら林道を東側に歩いていった。しかし10mから30m程の法面が延々と続いて手の出しようがない。
大きく回り込んで次の派生尾根まで来て法面が無くなり、やっと登れそうな斜面が見つかった。でも、林道歩きに嫌気が差してすっかり登行意欲が無くなり、岩戸ノ峰から赤鞍ヶ岳に回ることは諦めた。
でも、ヒカゲ舟だけでは片手落ちになる。少なくとも日向舟にも登ろう!そこで、適当な支尾根を突き上げて、雛鶴峠に続く主稜線に登ってから日向舟に回った。
下りも適当な支尾根を降り、一応、日向と日影の両方の舟を回ることは出来た。でも、不完全燃焼の気分は否めなかった。
その後、バリエーション・ハイキングとして、この山域が紹介された中に、ヒカゲ舟の北西尾根が案内されていた。そこには、菅野盛里林道に出たら西側に回り込めば、法面に階段が付いている、と案内されていた。2年前には西側も覗いたが、全く気が付かなかった。
それならばリベンジだ!
と言うことで、今回の山行になった。
順調にヒカゲ舟に登り、その先で菅野盛里林道に降り立った。西側に回り込むと、案内通りに階段があり、これを登って再び尾根の上に出た。な〜んだ、2年前にこれが見つかったら、予定通り、岩戸ノ峰から赤鞍ヶ岳を通って日向舟に周回できたのに!
日向舟には2年前に登ったので、今回は岩戸ノ峰から縦走路をむしろ西に進み、隣のブドウ岩ノ頭からその北西尾根を降りることにした。この方が未知の尾根なので面白そうだ。
順調に降りてくると、この尾根も先ほど越えた菅野盛里林道の続きで寸断されていた。その法面の上まで来て、さあ、どこを降りるか右往左往。
見つけたのは、西側の急な草付に黒いロープが1本ぶら下がっているだけ。階段は無い。林道まで20m程の高さがあるだろう。え〜、ここを降りるの? でも、他に降りられそうな場所は無い。
ロープは降り口の木に縛り付けられているだけで、途中はどこにも固定されていない。そのまま真っすぐ降りると、7, 8m程のコンクリートで固められた法面の上に出て、これを降りなければならない。
結局、金網が張られた草付を下に向かって右方向に斜めに降りていけば、最後まで草付の下降で済む。
それにしても怖かった。急な草付には足場が無い。覆っている金網の目につま先を引っかけるか、疎らに植えられている細木の根元に足をかける程度。足が滑ったら、確実に振られるだろう。
しかも、ロープにはコブ目が付けられていないので、しっかり握らないと滑ってしまう。握力の無さを痛感。
何とか無事に降り切って心底ホッとした。それにしても、よくこれで今まで何の事故も無く済んでいるものだ!
ロープの下で一休みしていたら、山仕事の車が通りかかった。どこから降りてきたのか尋ねられたので、この斜面をロープ頼りに降りてきた、と答えたら、呆れた顔をしていた。
その先、911m峰からの下りで、一部ルート探索に緊張したが、順調に下って無事に周回を完了した。
それにしても、菅野盛里林道は鬼門である。
前回はヒカゲ舟の先で、この林道の法面を登るルートが分からず、主稜線までの登高を断念した。
今回は、ブドウ岩ノ頭から北東尾根を降りてきたが、またまた、この林道に行く手を阻まれた。急な草付は登るにも困難であるのに、ここを下るとなると、困難度は倍増し、むしろ危険の範疇に入るのではないか。
従って、このブドウ岩ノ頭の北西尾根を下降することはお勧め出来ません。
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