2泊3日・残雪たっぷり八甲田&ミチノクコザクラ咲く岩木山
コースタイム
【day2】 0830酸ヶ湯登山口-1020仙人岱ヒュッテ-1130八甲田大岳-1240大岳ヒュッテ-1320上毛無岱-1350下毛無岱-1500酸ヶ湯(入浴)1630-1700黒石1730-1800弘前(夕食)-2030百沢温泉アソベの森いわき荘(泊)
【day3】 0930八合目-1020鳳鳴ヒュッテ-1050岩木山頂1110-1230八合目-1300嶽温泉(ランチ&入浴)-1500弘前解散
天候 | day1 晴れ day2 曇りのち雨 day3 曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
飛行機
rumi-0730羽田発ANA 0830大館能代着 空港レンタカーにて1045奥入瀬渓流着 mika-0830東京発やまびこ&はやて1330八戸着 宿シャトルバスにて1500谷地温泉着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 -八甲田は標高の低いところはヌカルミがひどいので地元の登山者は長靴でした。また今年は残雪が多いとのこと、仙人岱ヒュッテと大岳ヒュッテ周辺の雪渓ではまだスキーやスノボを楽しむ人がいるほど。アイゼン・ストックなしでも歩けましたが下りは尻セード覚悟で。毛無岱ではミズバショウがきれいです。山頂付近ではチングルマが咲き始めていました。 -岩木山は二のおみ坂あたりの岩場が難所といえば難所ですが特に問題ナシ。森林限界を超えるまではこれといった見所もなく単調な樹林帯歩きですが、タラの芽やコゴミ、コシアブラなどの山菜がたくさんあります。また頂上付近ではひっそりと咲く二株のミチノクコザクラを見ることができました。 【温泉情報】 -日本三大秘湯の谷地温泉は1泊2食飲み放題付きで5800円と破格値で泊まれます。白濁の硫黄泉ですが酸ヶ湯より柔らかくぬる湯もあり、ピリピリした酸性の熱湯が苦手な人にはお勧めです。湯治宿の風情たっぷり。 -酸ヶ湯は言わずと知れた男女混浴の千人風呂には打たせ湯もありますが、目に入るとかなりしみるので注意。ほかに、料金別で男女別の玉の湯があり、そちらはシャンプー石けんの使用ができます。キャンプ場併設。湯治宿らしく売店が充実しており、ここでおにぎりやゆで卵、バナナ、お菓子など行動食の調達が可能。 -百沢温泉は宿によって泉質が微妙に異なり、いわき荘のお湯は茶褐色のナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・塩化物泉でまろやか。ナラ原生林に囲まれた露天と光がふんだんに差し込む明るい内湯の大浴場は一部循環のようですが、別に源泉掛け流しの小さい内湯があり、こちらは青森ヒバの薫りが立ちこめてお薦めです。泊食分離で色々なタイプのお部屋がありいずれも立派な設備なのに素泊まり5800円。夕食は5000円以上するので弘前あたりで安くあげるのもアリですが1000円の朝食は豪華でお得感たっぷりです。 -嶽温泉は白濁の強い硫黄泉で酸ヶ湯ほどではないものの日焼けした肌にしみるかもです。湯温が絶妙。山のホテルでは、食事をすると調理の間に入浴できて300円と割引料金で利用できます。 |
写真
感想
去年の秋以来すっかり気に入ってしまった北東北の山。次は新緑の時期の八甲田を狙って、またしても温泉IN温泉OUTなひとり山旅を企画していたら、折よくJR東日本パスが発売されて。それならば青森のもうひとつの百名山、岩木山とそろい踏みしようと、去年の屋久島メンバーを誘ってみました。休みも仕事も収入もバラバラな3人なので、それぞれの時間とお財布の都合に合わせた交通手段で現地集合現地解散。せっかくグループで行くならとレンタカーをして、ついでに奥入瀬渓流のトレッキングや秘湯めぐり、郷土料理も楽しんできました。
【day1】青森駅〜奥入瀬渓流〜蔦温泉〜谷地温泉
前日2130東京駅発の夜行バス津軽号は定刻通り0700青森に着いた。金額的には東日本パス利用の新幹線と大差ないこのバスをわざわざ選んだのは、早朝到着できる分、奥入瀬をたっぷり散策できるという理由から。しかし思いのほか快適で、シートはほぼフルフラットになるし腰当てクッションや枕はついてるし遮光カーテンで個室のように空間が作れるしで、途中休憩3回あったのも全く気づかないほど爆睡してしまった。さわやか信州号もこれぐらい乗り心地良ければいいのになあ。
0750青森駅発JRバスおいらせ号に乗り込む前に、駅前の食堂おさないにて朝っぱらからマグロとホタテの刺身定食をいただく。味は可もなく不可もなく。日曜日ということもありバスはほぼ満席で出発。2ヶ所の休憩をはさみ、2時間かかってようやく奥入瀬渓流に辿り着く。私は雲井の滝で降りて、銚子大滝まで歩いているところを大館能代空港からレンタカーでやって来たrumiちゃんに捕まえてもらう。携帯電話が通じない中すんなり会えたのは以心伝心?その後、阿修羅の流れから石ヶ戸まで散策し、蔦温泉でランチ休憩しているところに朝イチの新幹線で来るmikaさんと合流して一緒に蔦の七沼をトレッキングする計画だったのだが、まさかの満席で新青森行きの直行便が取れず、仙台でやまびこからはやぶさに乗り継いで八戸で降りて、宿に交渉してシャトルバスに無理くり乗せてもらってやってきたmikaさんとは結局宿泊先にて合流することに。宿は湯治場らしく質素なつくりながらも総ヒバ作りで風情ある浴場で、お部屋はひろびろ食事も美味しく、ゆっくり休むことができた。比べちゃいけないけど、北アルプスの山小屋に泊まる半分の金額でこの待遇とは。。。ますます東北が好きになる。
【day2】谷地温泉〜酸ヶ湯〜仙人岱〜八甲田大岳〜毛無岱〜酸ヶ湯〜黒石〜弘前〜百沢温泉
天気予報は午後から雨ということで、朝食を食べたらさっさと酸ヶ湯の登山口へ移動。売店で行動食を買っていざ出発。月曜なので他に登山者の姿を見かけない。mikaさんは今年初めての山登りということなので、なだらかな登山道をゆっくり歩く。仙人岱にむけ高度をかせいでいると、雪渓を何度か渡る。はじめての残雪歩きに大喜びのrumiちゃんとmikaさん。そのうちスキーツアーのルート標識が背の高いアオモリトドマツの間に見え隠れするようになったかと思ったら、仙人岱ヒュッテに辿り着いた。と、そこにおじいさんが椅子に腰掛けてうたた寝している。話しかけたら、何とひとりで毎日スキー担いで三沢から来ているという。爺さん手製のコシアブラのお浸しをごちそうになり、感激。そこへもう一人常連さんらしきテレマークを履いた男性が到着。軽く挨拶し、登山道とは反対側の南八甲田方面の斜面にタップリ残った雪の上を颯爽と滑り降りて行く。爺さんも切れ味良いシュプールを描いて続く。カッコいいなあ♥スキー板を柔道の帯みたいなもので背中にしばりつけて背負って上がってくるところもストイックでシビレマス。ちなみにヒュッテはそんな岳人たちに大切に使われているらしく、きちんと整頓されきれいでした。
仙人岱から大岳山頂までもかなりの残雪が残っていて、照り返しに目をやられつつ汗を流しつつようやく到達。あいにくのガスに眺望は全くなし。そこへ、反対側から登って来た長靴ばきの夫婦連れが到着。青森市内在住でなんと3日に1度は来ているという。「青森の山は長靴でないとドロドロになるからね」というダンナさんは、冬はスキーツアーの引率をしているとか。私興味あるんですけど、遠いし宿泊費用もかかるしなかなか・・・というと、ホームステイとかもできるから、と名刺をくれた。いやあ嬉しい出会いだねえ。山頂から大岳ヒュッテに降りて行く斜面も雪で覆われ斜度もなかなか手強く、いちいちステップ切って歩くのが面倒になったrumiちゃんがしびれを切らし、携帯ざぶとんをザックから出して尻セードをはじめる。遠くにいたmikaさんはソロソロ歩いていたかと思ったら次の瞬間さーっと尻をついてあっという間に滑り降りて来た。一歩間違えば危ないんだけど、楽しいったらないね、コレ。三十路女が揃って童心に帰る瞬間。雪で手こずってコースタイムをオーバーしたけど、ようやく大岳ヒュッテにたどり着いたので、ランチ休憩を取ることに。なんと小屋には3人の先客がおり、我々の尻セード一部始終を見られてしまったらしくお恥ずかしい限り。
休憩のあと、いよいよハイライトの毛無岱へ。タイミング良く青空もひろがり、かわいらしいミズバショウの咲く湿原に伸びる木道をポクポク鳴らしながら歩けば心もはずむ。振り返れば雪を抱いた山々がぐるっと囲む。なんて夢のような景色なんでしょう。池では黄色いカエルが交尾をしていて黒真珠のネックレスのように連なった卵が浮かんでいたりして、mikaさん大興奮。そこへ足取り軽くスノボやスキーを背負った若い男性グループが通りかかった。挨拶をしてみれば、若く見えるけど40-50代の美容師さんで黒石や弘前から毎週来ているのだという。「八甲田は一年中遊ばせてくれる素晴らしいところだよ」って地元の山を心から愛しているもよう。何て素敵な休日の過ごし方なの、そして何てタフで優しくてカッコいいの、津軽男は。
その後雨に降られながらもひどくなる前につつがなく酸ヶ湯に下山し、勇気をふりしぼって混浴の千人風呂にて立寄入浴し、黒石のこみせ通りをドライブスルーしつつ弘前の駅前へ。夕食にと調べておいた店が震災後つぶれてしまったようで、仕方なく近くの日本海庄屋に入ったが、刺身も天ぷらも貝焼きもカマ焼きもお寿司も地酒も美味しくしかも安くってびっくり!!いいな〜弘前、居酒屋レベル高し。
そして青森県民誰に聞いてもお勧め、と言われたアソベの森いわき荘へ。チェックインしたときはちょうど津軽三味線の演奏会が行われていて、そのつーんとロックな音に背中がしゃきーん。早速青森ヒバの香りが気持ちいい温泉に浸かってゆったり広くて素敵な和室で静けさと甘い疲労感に気絶したかのように眠りについた。
【day3】百沢温泉〜岩木山スカイライン〜八合目〜岩木山頂〜八合目〜嶽温泉〜弘前駅
山登りに来たとは到底思えない優雅な朝風呂&豪華な朝食をたっぷりいただいて、名残惜しくも宿を後にする。曇りベースの天気なので雲を切り裂くようにスカイラインを走らせ八合目へ。ウイーンと重いうなり声をあげるリフトを横目に登山道へ。片道たった1時間で山頂とはいえ、眺望のない樹林帯歩きはやっぱり単調で面白くないね〜なんて言っているうちに森林限界を超え、そこは岩と風の厳しい世界。頂上に着くまでひとっこひとり会いませんでした。mikaさんは頂上に男の人が腰掛けているのを見たというけど、それは多分・・・。眺望などのぞむべくもなく、帰り道、あとは下山したら家に帰るだけ、とちょっと寂しく行きにてこずった岩場にさしかかると、明るい子供たちの声が聞こえてくる。地元の小学校5年生75人のはじけるような挨拶攻撃にあいすっかり元気づけられ、行きには目に入らなかった山菜を摘み摘み楽しく下山することができた。弘前っ子たちよ、ありがとう!
すっかり冷えてお腹がすいたので、嶽温泉の山のホテルに立ち寄ってマタギ飯を注文しつつ、蒸し上がりを待つ間に温泉に浸かって疲れたカラダをほぐし、お腹を満たして、お土産に岩木名物のとうもろこしを買って、予定通り15時に弘前駅にて解散。
mikaさんは弘前にもう1泊して翌日JR東日本パスを活用して福島で途中下車して親戚を訪ね、rumiちゃんはレンタカーを返して大館能代空港から羽田へひとっとび、私は新幹線、仙台まで初めてはやぶさに乗り、仙台で降りて牛タン&鮭ハラコ飯弁当を仕入れてはやてに乗り換え、帰路についた。
んー今回も充実の山旅だったなー。
こんにちは 八甲田毛無岱で会ったスノボ スキーグループ髭面のおっちゃんです
仲間がこのサイトを見つけて教えてくれました
今度は冬に来てください雪質最高のパウダースキーもいいですよ
へば〜
わ〜嬉しいです、コメントありがとうございます、感激です!
新田次郎が好きで『八甲田山死の彷徨』を読み、ビビリながらもバックカントリーやるならいつかは八甲田行かねば。。。でも怖い。。。まずは夏に偵察に、ってことで行ったのですが、皆様にお会いできて思わぬ大収穫となりました。
本当に冬行っちゃいますからね!BC初心者ですので その際はよろしくです!
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