『初めての南アルプス 我女王に謁見す』 仙丈ヶ岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 1,077m
- 下り
- 1,072m
コースタイム
天候 | 晴のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
仙流荘〜北沢峠の往復バス運賃 2680円(荷物代含む) |
コース状況/ 危険箇所等 |
道は明瞭安全 7/9時点では藪沢新道は通行止め |
その他周辺情報 | 仙流荘日帰り温泉 500円 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
※7/9の山行レコです。直近情報ではないのでご注意ください。
山行から随分経過してるのにレコアップ...
写真をアップロードしまま面倒くさくなっちゃって放置してた。まぁもったいないのでレコを仕上げることにした。
山登り初めて数年が経過したが、未だに南アには登っていない。アクセスに少々難ありが多いので、なかなか足が進まなかった。
そして「今シーズンは南アのどこか登りたいなぁ」などと思い始める。南アの日帰り山行を色々と物色するが、最近の体たらくな身体を顧みると、きついロングには自信が持てない。「登山口までのアクセス楽で、短いルートの割には満足度高くて、しかも調子によってはロングへの追加可能」という無理難題を自らに課す。
色々と考えた末、北沢峠からの仙丈ヶ岳 or 甲斐駒ヶ岳が思い浮かんだ。バスを使うのはちょっと嫌なんだけど、まぁ仕方ない。初めての南アだし王道のルートを登ってみるとしよう。
出発は夕刻前。珍しく日が沈む前に出かけた。いつもは暗闇ドライブだが「明るいうちに景色を眺めながら車走らすのもいいなぁ」と思い直す。
車中泊はいつも眠れないので、あまり早く着き過ぎても暇を持て余す。途中の道の駅にて時間を潰すことにした。『道の駅 田切の里』と『道の駅 南アルプスむら長谷』で動画観ながらご飯食べたりしたのだが、両方ともFreeWifiが繋がるので助かる。車中泊の車も結構たくさん止まっていた、いや泊まっていた。
仙流荘のバス停駐車場に1:00頃到着。残り数台の第一駐車場に停めることができてラッキー。ウィンドウに虫除けの網を張り、寝床を整えてウダウダゴロゴロする。4時頃には周囲のハイカーさんが始動。ちと早いけど、どうせ眠れないので私も朝食(というか寝てないので夜食気分)準備。朝からへ―ビーにカップラーメン&オニギリ。
朝食食べながらバス停方向を眺めていると、停留所のベンチに荷物を並べ始めている人達が!「これはいかん」とラーメンモグモグしながらザック持って走るオッサン。何とか5番目をゲットできた。でも、このシステム(というか慣例?)を知らないと早く到着してても無意味だな。
人が沢山並んだので始発前に増発便が出た。これは嬉しい誤算。揺れる車中では爆睡のハイカーさん多数。そんな中、ドライバーさんの軽快トークが続く。鋸岳のギコギコ稜線、貴公子:甲斐駒ヶ岳、女王:仙丈ヶ岳も望めてテンションがダダ上がり。
北沢峠に到着。思っていたよりもこじんまりとした雰囲気。南アでも屈指の登山拠点なのでもっとブワーと賑やかな感じと思い込んでいた。
「さてさて...貴公子にするか、女王にするか、それが問題だ」バスの中でずっと思案していた。悩みに悩んだ末、初南アルプスは女王謁見に決定。初北アも女王:燕岳だったし、中アの女王:空木岳は踏破済み。これでアルプスの3大女王コンプである。
もしできることなら、女王謁見後、栗沢山にも登りたいので、序盤からガツガツ登ろうと頑張る。しか〜し、やはり体重増に加え最近の山行不足で動きが鈍い。さらには寝不足もあってか体調もイマイチのようだ。すぐに息が上がってしまうので、小刻みに休憩を重ねペースを抑えることにした。
1時間ほど登れば森林限界突入。尾根に上がって展望も開ける。後方にそびえる甲斐駒の雄姿が惚れ惚れするほど素晴らしい。そしてその先には鋸ギコギコの稜線が続く。隣には栗沢山&アサヨ峰、ずっと先には鳳凰三山...なんとオベリスクらしきものまで見えるではないか!さらに視線を右に移すと、出ました南アの王:北岳!薄っすらと富士山も見えたりしてNO.1&2が揃い踏みでございます。南ア北部のオールスター競演に興奮を隠しきれない中年ハイカー。「やべぇよ、やべぇよ」を意味もなく連呼するのであった。
そして小仙丈ヶ岳に到着。眺める最終ピークまではアップダウン含めまだまだ先が長い。「着いた?着いたの?そりゃあまだだよね〜」という偽ピークあるあるの声が響き渡る。
【小仙丈ヶ岳の山頂】
ここでツアーっぽい団体さんに遭遇。さすが人気の山だ。よく見ると前方にも団体さんがチラホラいらっしゃる。「この団体さん達が到着する前には山頂を踏んでおきたいな」体は重いが頑張ってペースアップ。何とか団体さん達をパスさせていただくことができた。しかし、スタミナ消失&いつものプチ高山病が出始め、山頂直下で急にバテてきた。仕方がないので一歩一歩ゆっくり歩いていく。通りすがりのご婦人ハイカーさんから「頑張って!もうすぐ山頂よ」との激励いただいた。その表情には相当疲労感が漂っていたのだろうな。
最後にペースが落ちてしまったが、やっとこさ山頂到着。「おお!ご機嫌麗しゅう南アの女王よ。貴女のナイトが参上しましたよ」(騎士というよりはむしろ敗残兵)。
山頂の雰囲気は空木岳に少し似てるかもしれない。広さも同じくらいであろうか。さすがに人気の山だけあって多くのハイカーさんが休んでいる。初めての南アルプスの眺望は感無量。グルグル回りながら360度展望を楽しんだ。遠方の峰々は残念ながら霞でハッキリしなかったが、遥か遠くまで続く仙塩尾根がとても素晴らかった。いつの日か衣食住を背負いこの道を歩いてみたいものだ。
しばしその絶景に興じていると、遠方からはパスさせて頂いた団体さん達が迫ってくるのが見える。「到着する前に退散するかな。できればもう一座登りたいし」そうと決まれば速攻下山を敢行。まずは仙丈小屋でま少々ガレっぽい急斜面を急ぎ下っていく。
【仙丈ヶ岳山頂】
仙丈小屋前ではスタッフっぽいおじ様が朗らかな声でハイカーさんと談笑していた。炭酸ジュースの強烈な誘惑を振り切りながら先を急ぐ。下山では藪沢新道を使うつもりだったが、通行禁止になっていた。よってトラバース気味に進みながら登りのルートに復帰する。途中雪渓を歩く箇所があったがモウマンタイ。そしてご褒美は”南アルプスの天然水 飲み放題”であった。
せっかくの初南アルプスなのに、なんとも慌ただしい感じになってしまった。日帰りロングハイクはこの辺がいつも葛藤が残るところである。
予定時間通りに下山完了。まずはエナジー補充でご飯ご飯。持参したオニギリやらデザートやらを勢いよくパクつく。「ジュースでも買おうかなぁ」と文字通り木漏れ日に佇む『こもれび山荘』の中へ。名物のスープカレーは人手不足の為NGらしい。それを残念がる人達がチラホラいた。
そして私は見つけてしまったのです...数多のハイカーを堕落へと導く”禁断の黄金水”を。その魔力は凄まじく、私などヘタレハイカーに抗う心など持ち合わせているわけもない。一度口に含んでしまうと、足は根を下ろしてしまい、歩みを前に進めること二度とない。「そ、そのBEERを一つ私にもお与えください」と懇願する私。鈍く輝く銀色の容器には碑文「ASAHI」の刻印が。
プッシュ―、ゴクゴクゴク。黄金水はのど越しを滑らかに流れ落ち、同時に強い刺激が脳髄まで貫いた。乾ききった五臓六腑には生命の息吹が染みわたり、鼻に抜ける芳醇な香りに私は酔いしれるのであった。「う、うまい...うま過ぎる」有り金を握りしめ、2本目に手を伸ばすヘタレハイカーここにあり。
数十分後。ゆりかごのように揺られながら、虚ろな表情を浮かべる私の姿がバスの中にあった。1時間以上後と思われた次回のバスが、臨時便ということで直ぐに出発するという。そしてその幸運(?)に思わず飛び乗ってしまったのであった。
何のために息を切らせながら下山したのであろうか。まったくもって無意味。下山後の危うい誘惑に負けてしまい、予定していた2座目をキャンセルしてしまうという堕落山行が続いている。先回の白草山に引き続き何という山行効率(山行時間/アクセス時間)の悪さ。
本来であれば日暮れの道を走っているはずだが、未だ十分に日の明るい帰り道。腹まわりに常備している”高カロリー非常食”を撫でながら、鼻歌交じりのカントリードライブを楽しむ”自己最高体重を更新し続ける中年ハイカー”なのであった
黄金水の魔力に負けてしまいましたか
やっぱり人の多い山には、山小屋という魔境が存在し、日々人々を狙っていますね。
誰も登らないヤブコギの山なら、そんな誘惑はありませんよ
とは言いながら、やっぱり女王様は素敵です。
森林限界を超えると、一気にテンションが上がりますね
totokさん コメありがとうございます
黄金水の魔力には負けますね...特に猛暑の日は
おっしゃる通り
観光地のような山にはお金を落とす誘惑が多いです
確かに藪漕ぎの山ならそんな心配はないですね!
....って、違う心配が山積みですからぁ
さすがに女王の称号を持つ山
とても美しい山でした
goldengateさん こんばんは♪
北沢から登るなら、最初は仙丈が正解ですよ。
私も昨年、最初は仙丈。
そして今年は甲斐駒でした。
今思うと、全く正反対の表情をもつ2山が、同じ登山口から登れるなんて
何だか北沢って、不思議な登山口ですね!
必ず甲斐駒も登って下さい。
この2山は甲乙つけがたく、各々が特徴的な魅力を持ち合わせた山ですよ。
しかし北沢のクリンソウは半端ないですね。
私も同じ時期に登れば良かったと、goldengateさんのレコみて後悔しました。
次にアサヨ峰に行く時は、クリンソウの時期にします。
情報ありがとう御座いました。
あと、下山後の、もう一座はムリだった気持ち、よく分かります。
歩いている時は、それなりに登る気満々だったのが
いざ下ってしまうと、めんどくさくなると言うか
急にモチベーションが下がり、また登ればいいかな〜
なんて自分に言い聞かせてしまいます。
どうしても、この山を登らないと帰れないコースでない限り
私もできません。
次は甲斐駒で、その後は南ア南部ですね
南アの南部は案外アクセス楽ですよ。
ちょっと日にちが過ぎてしまいましたが
改めまして、お疲れ様でした。
rupmoさん コメありがとうございます
仙丈ヶ岳は正解でしたか!
良かった良かった
一旦下山してしまったら
やっぱりモチベーション保てませんね
黄金水(違った意味もあるので不安)が売ってたら
もうダメでした
次は甲斐駒&アサヨ峰を狙います
黒戸尾根にトライするつもりでしたが
北沢峠から眺めた甲斐駒の姿が美しかったので
こちらから登りたいと思ってます
まぁアサヨ峰への稜線歩きも楽しめそうですし
問題は仙水峠からの登り返しか...
北沢峠でテントを張り、甲斐駒と仙丈を制覇するのがいいかな?
どちらも魅力的な山なんで甲乙つけがたいですが
仙丈の稜線の優雅さはどの山にもないですね
貴婦人の着るドレスのフレアスカートって感じかな?
仙丈、好きな山です
仙丈の生み出す、天然の水がとても美味しかったです
junbaderさん こんにちは
そうですよね〜
趣の違う百名山2座を泊りで攻略はいいですよね
しがないonedayハイカーなものですから
仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳を一つずつ攻略します
おっしゃる通り
仙丈ヶ岳に続く稜線はとても美しかったです
さすがは女王様ですよね
女王のフレアスカートを汗たれながして登っていくオッサン...
なんかキモイ?
山のナイトお疲れ様です!
朝一の仙丈ケ岳で素敵な景色を見ることが出来たんですね!
わたしもまだ南アは未踏の山域なので、もし行くなら仙丈ケ岳か甲斐駒かなと思ってました。
わたしも北アの女王・燕岳は制覇したので次は南アの女王・仙丈ケ岳にチャレンジしてみたいと思います!
matakoさん コメありがとうございます
”山の老兵”が仙丈ヶ岳行ってきました
始めての南アにはお薦めですよ
道中に小屋もあるし美しい稜線歩きは最高
眺める甲斐駒の山容も素晴らしいです
matakoさん精力的に登られてますよね〜
私の方はというと、
天候不良で家でダラダラしてたり
最近は甘えた山行も多いので
自身に「喝!」を入れなければ
ggさん、こんにちは
遂に女王さまに謁見が叶いましたねって、1ヶ月前のレコどすか。
なんかそこの山小屋良さそうですね。
山に登らずにビールだけ飲みに行こうかななんて思いました。
てか、私が初めてggさんにコメントした猿投山のレコ
ggさんの返信が付いたのがその7ヶ月後だったことに
1年以上経過した今、気づきました。
今ではいろいろコラボしていることがウソのようですね。
higurasiさん コメありがとうございます
山を愛でながら優雅にビールというのもいいかもしれないですね〜
まぁ登らずにはいられないと思いますけど
返信そんなに遅かったですかぁ
それは失礼しました
今も遅いのですが
当時は数日おきに見ている程度でしたしねぇ
(それにしても7ヶ月って...)
今年の雪山以来すっかりお世話になっちゃってますね
夏の終わりの中ア縦走!
是非とも成功させましょうね
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する