播隆上人表敬登山・笠ヶ岳編
- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 2,062m
- 下り
- 2,050m
コースタイム
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 10:15
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 6:20
天候 | 曇時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
杓子平の残雪 大きい箇所は3つ アイゼン・ピッケルあった方が断然安心 |
写真
感想
今回は、槍ヶ岳開山、笠ヶ岳再興の播隆上人への表敬登山・笠ヶ岳編。
山行前日。夏空の下、高山市上宝地区に笠ヶ岳再興の拠点となった本覚寺を訪ねる。運良く、ご住職とお会いして、此処が本堂から笠ヶ岳が正対して望める特別なお寺であることや(その日は雲で見えず)播隆上人が笠ヶ岳山頂から夕刻に東に映る御来迎(ブロッケン現象)を見て槍ヶ岳開山を目指したことなど、色々とお話を伺える。近くの上宝ふるさと歴史館にも寄り、播隆上人の足跡を学ぶ。(ちなみに、播隆上人の登頂ルートは完全解明されていない。なので今回は笠新道ピストンを選択。)その日は麓の新穂高温泉に宿泊。
山行1日目。前日とは一変、今にも雨が降り出しそうな空模様。(最近の山行はこんな日続き…)新穂高温泉の宿から早朝出発。1時間ほど左保谷の林道を歩き、脇に清水が湧く笠新道登山口に到着。ここからは岩がゴロゴロする九十九折の急登が延々と4時間… しかも湿度が高いブナやナラの林の中、視界が開けてもガスって何も見えず、ただひたすらに登る。(その間、3組とすれ違い、残雪状況などが聞ける。)
やっと杓子平に到着。もちろん目の前は真っ白。全体の残雪程度もよく分からないまま夏道から雪上へ出る。アイゼン、ピッケルを装備し、ベンガラを目当てに進む。表面は雨の影響からかシャーベット状なので、しっかり踏み込むように意識。実際に大きな残雪は3箇所。間間に夏道部分も含むので逆にアイゼンが仇となる場面もあるが、もし滑り落ちると岩が待ち構える状態なのでピッケルも有ると安心が増す。
雪上地帯を抜けてアイゼンを脱ぎ、最後の岩場を越えると尾根に出る。尾根脇にはまだまだ残雪が積もっている。雨が降ったり止んだりだが、とりあえず逆方向の抜戸岳の山頂を踏み、しばし休憩。その後、山荘を目指し細かいアップダウンの連続のハイマツ帯の尾根道を行く。晴れていたらさぞかし爽快だろう行程だが、今は小雨交じりのガスまみれ。そんな状況だが、道脇に咲く様々な花を眺め、せめて雷鳥と出会えないかと期待しつつノンビリ進む。結局出会えず。
山頂手前の山荘到着。雨が強くなってきたので、しばらく部屋で休む。16時、雨も上がったので山頂に登る。頂上には播隆上人が上げた阿弥陀仏の後継が奉られており、さっそくお参りする。すると、徐々に西の方の雲が切れ、陽の光が射し始める。東の方は未だ真っ白。もしやと思い、山頂のきわに立つと、ガスの中に虹色の後光を背負った人影が!10秒ほどのブロッケン現象初体験。しばらく待つと、また10秒ほど出現。(慌てて写真は撮れず…)正に播隆上人の御来迎追体験に納得、そして感動。
夕食後、周りの雲が流れ始めて来たので、もう一度山頂に上がると、展望が一気に開ける。乗鞍、穂高、槍、黒部五郎、立山まで見渡せる。19時過ぎの日没までその景色を飽きずに眺める。
山行2日目。早朝から強めの雨で3度目の登頂は諦める。ギリギリまで待ち、雨が一応上がったのを見計らって山荘を出発。周りはガスで真っ白な中を来た道を戻る。分岐近くで昨日出会えなかった夏毛の立派な雷鳥と遭遇。
杓子平の残雪を下る。朝の雨で表面は前日にも増してシャーベット状なので、アイゼンをしっかり効かせて慎重に進む。下に着いた頃にガスが消え始め、山頂は見えないが、尾根道や杓子平の全体がやっと望める。
そこから先は長い九十九折の下り… ひたすら、黙々と、槍・穂高方面は真っ白なので目もくれず、途中で左保谷が見えてきたのを目指して下り続ける。やっと登山口に帰還。笠新道、行きも帰りも結構ハードでした。脇の清水が気持ちいい。空はいつの間にか夏模様。暑い林道を、途中お助け風穴で涼んだりしながら、新穂高温泉まで戻る。
今回は、天候が不安定な中でしたが、雪上越え、お花畑、初ブロッケン、広大な展望、雷鳥とポイントだけは押さえられた山行でした。播隆上人に感謝。さあ、次は表敬登山・槍ヶ岳編へ。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する