奥茶臼山(300名山)


- GPS
- --:--
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,216m
- 下り
- 1,216m
コースタイム
6:10しらびそ峠6:35-7:15前尾高山-7:55尾高山8:15-8:50奥尾高山-9:35岩本山9:45-(途中登山者と5分話しをする)-10:50奥茶臼山-10:55伐採地-11:00奥茶臼山11:10-11:45岩本山-12:45奥尾高山13:00-13:30尾高山-14:10前尾高山-14:40しらびそ峠
天候 | 7/17 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
静岡=(東名高速)=名古屋=(中央高速)=飯田IC=(三遠南信自動車道・矢筈トンネル)=しらびそ峠 [復路] しらびそ峠=ハイランドしらびそ(入浴)=下栗=上町=飯田IC |
コース状況/ 危険箇所等 |
奥茶臼山----今から30年前、昭和56年の昭文社エアリアマップを見てみると登山道は一切ありません。地図に山名は記載されていますが、登山のよすがとなるものは一切なくあたかも孤高を誇っているように見えます。300名山ブームが到来する前は見る名山であり登る山ではなかったようです。 手元にある「六十歳からの日本三百名山」(田中三郎著・東京新聞出版局)にはこの山にいかに苦労したかが書かれています。 「奥茶臼山に関しては、資料も案内書も見当たらない。・・・・(中略)・・・地元、上村の観光課長と隣の大鹿村観光係長に入山方法を・・・・問い合わせたところ双方から不明との返事が来た。・・・・(中略)・・・深田クラブの佐藤宗吉さんは、…しらびそ峠から尾高山ー奥茶臼山を一日で往復したが、途中ヤブ漕ぎなどもあって約14時間を要したとの報告をいただいた」 結局、田中三郎氏は、高齢なためしらびそ峠からの往復をあきらめて前茶臼山から登頂を果たしました。昭和60年(1985年)の話でそんなに昔の話ではないのですね。改めて300名山ブームのすごさを思ったりします。 現在は、しらびそ峠から明瞭な登山道ができています。昭和60年当時往復で14時間もかかった道を、2007年秋に開鑿された道を利用しておそらくは8時間ほどで往復できます。今の時代に生きるわれわれはこれをありがたく利用させてもらうことになります。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%A5%E8%8C%B6%E8%87%BC%E5%B1%B1 7/17 6:10 明るくなったしらびそ峠についた。今日はいい天気! 峠からは尾根の東側、北俣沢方面に等高線ぞいに延びる林道があるが、入り口はゲートがありクルマは入れない。すでに2台のクルマがある。自分も急がなくては! 6:35 しらびそ峠からはまず尾根の左側にかけられている桟道からスタート。すぐに尾根上のササ帯の小径になる。よく踏まれていて快適、快適! やがてジグザグを切って急な登りになる。ところどころに木の幹に木の種類を示した表示板があって写真を撮りながら進む。ときどきビューポイントと示した看板があり、行ってみると南アルプスの大展望が広がっている。目の前には兎岳から張り出した立俣尾根が大きい。 7:15 ササ帯のササの背が低くなって平坦になったかと思うと前尾高山の頂上にひょっこり飛び出す。樹林のピークで展望はない。先は長いので休まずに進む。尾根の右側から降下する。このあたりからササ帯からシダが茂る林床になる。途中で男性の登山者を抜かす。登り降りのないやさしい小道をずんずん進む。 7:55 ひと登りして岩っぽくなったと思ったら尾高山頂上。頂上は狭く木の根っこに挟まれるようにして3等三角点がある。樹林に囲まれて展望はないが、そこには静かな時間が流れている・・・・と言いたいが、アブやハエがやたら多い。それだけ自然が残っているということだけれど快適・・・・とは云いがたい! いてっ! 気がつくとアブが自分の腕を噛んでいる!慌てて払う。昨日虫除けスプレーを買って、出発前にさんざん頭の先からつま先まで存分にかけてきたのに・・・・。 三角点の10m先には平坦地になっていて御料局の三角点が埋まっている。 先ほど抜かして方が登ってきてしばし歓談する。千葉・船橋から来られていて一昨日は黒姫山、昨日は中央アルプスの三ノ沢岳に登ってきたという。若くみえるけれどお歳は古稀だそう! その情熱とパワーに脱帽! 明日は鬼面山に上るという。いやはや・・・。 道は相変わらずよく踏まれている。ところどころはっきりしないところがあるが、これもこのマイナーの山のよいところ。丹沢のように登山道がえぐれて醜い姿をさらすよりもぜんぜん良い。いずれにせよ、フミアトがはっきりしなくなったら、先に目を凝らすと必ず赤布・赤テープの類があるので問題はない。 8:50 奥尾高山頂上。ここで始めて地図を見て下るルートを確認する。左斜めに下っていく。相変わらずアブが・・・! うるさいよっ! 9:35 平坦な高まりの一地点ともいうべき岩本山で休憩する。頂上という感じではなく縦走路のちょっとした高まり。表示がなかったらそのまま行き過ぎると思う。フダンは絶対に飲まない午後の紅茶ミルク入りがやたら美味い。うしろから2人連れの登山者がきた。 やがて、奥茶臼山の肩ともいうべき大沢岳への尾根のジャンクション地点に到達する。このあたり日本庭園のような感じで気持ちがよい! そして南アルプスの大展望! 倒木の上に乗ると南アルプス全部が独り占め! 左から甲斐駒、仙丈、北岳、間ノ岳、農鳥の白峰三山、塩見、悪沢、赤石、大沢、兎、聖、上河内。目を右に転じれば、仁田岳、易老岳のコブ、イザルヶ岳、光、加加森山、池口岳の双耳峰、鶏冠山ははっきりしなかったが、その向こうに見えるのは中ノ尾根山だろうか。ナンだ! 全部じゃないか南アルプスの! まさに南アルプスの展望台としての奥茶臼の面目躍如です。 奥茶臼の登りで下ってくるカメラを持った登山者の方に会う。本日4人目の方。頂上のちょっと先に行くと展望のよい場所がありますよ!と教えてもらう。ホントムシが多くて・・・・と笑う。スプレーありますよ!というと、いや、ワタシも持っているんですが、それでもアブがやってくるので閉口してますよ!で大笑い。結局この方ともハイランドしらびそのお風呂で再会することになる。 さらに頂上直下で、77歳の女性の登山者が下りてくるのに出会う。岐阜の方で若いころは穂高の岩登りばかりやっていたそうだ。”歩いて登る山がある””南アルプスにはよい山がたくさんある”のだと気付いて300名山を狙っていてこの奥茶臼で南のシリーズは修了!と笑っている。昨日は池口岳を往復12時間近くかけて登ってきたという。いや、自分も見習わなければ・・・・このパッション!パワー! 10:50 まだかなと思いつつ岩角を登りきったら平坦になりあっけなくそこが頂上。樹林中に2等三角点の標石が埋まっている。展望はない。厳密に言うと先ほど登りきった岩角が最高地点で、標石が埋まっている場所は少し低いようだ。アブの数、ハエの数がものすごい。こりゃたまらん。さきほど教えてもらった頂上の先にある伐採地点まだ下ることとした。急な下りを下ると展望が広がっている。先ほどの肩での展望とあまり変わらないので、写真を撮るとすぐに戻る。 11:00 頂上に戻ると最初に抜かした方が登ってきたので御互いに写真を撮り合う。ゆっくり話しをしていたいが、あまりに虫が多いので頂上を去ることとする。 あとは戻るだけ。ところ平坦な場所では、あれ?という場所があるがよくみればテープがあるので問題はない。岩本山まではすぐだが、奥尾高山、尾高山、前尾高山の3連発の登りは疲れた足にはペースが上がらない。 ときどき立ち休みをしてはぁはぁを直しながら、オートバイのエンジン音がするしらびそ峠には14:40に到着した。 |
写真
感想
・以前は難路だと云われていましたが、今は300名山ブームもあって赤布・赤テープが数多くあって、雪がなければまず迷う心配はないと思いました。
・尾根も一本なのでコンパスを持って尾根を外さなければ、積雪期もそれほど難しくはないでしょう。
・南アルプスの深南部にある倒木帯とコケの組み合わせの自然そのままが手付かずに残っていて展望というよりこういった自然林を楽しみながらのハイキングコースです。
・倒木などは、きちんとノコギリがはいって通りやすくなっていますが、こういった努力がなければコースタイムはこの倍はかかっていたと思います。そういった意味で倒木を整理してくれた方々に感謝ですね。
・とにかくムシが多い!おまけにアブなんで、噛まれると痛い!^^虫除けスプレーは必携。おまけに肌の部分だけでなく服の上、帽子の上からも容赦なくかけて出かけるといいでしょう。山の中で会った登山者は首から超音波?の虫除けをぶら下げていましたが、どうですか?と聞くと「どんどん来る!^^;」蚊を避けるのには有効だそうですが。
・奥茶臼山肩から丸山への尾根は、以前営林署が伐開していると聞きましたが、今回は、その分岐も道もよくわかりませんでした。どうなっているのか興味があります。もしこの道が大沢岳まで続いていれば、南アルプスのよいアプローチになるかも知れませんね。
・結局、今日は奥茶臼山まで行った方はソロの方が3人(2人男性、1人女性)、カップル1組、それに自分を入れて6人でした。
・帰りにハイランドしらびそに寄って日帰り湯に入りました。500円/人。山から下りて5分後には湯ぶねの人になれる・・・こんな幸せがありましょうか?^^
・食堂はありますが、午後3時半を過ぎると宿泊客のために食堂が閉鎖されてしまいますので注意が必要です。
・天空の里、下栗まではハイランドしらびそからクルマで40分かかります。下栗の主婦たちが手作りのそばを出してくれる そば処はんば亭がありますが、営業は4時まででさらにその前に食材がなくなればそれで営業終了となります(「はんば」とは「半場」で下栗の地名から来ています)
<電話番号>
・ハイランドしらびそ 0260-36-2301
・そば処 はんば亭 0260-36-1005
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
はじめまして
昨日奥茶臼山に行ってきました。今ヤマレコ見ていてこの記録見つけました。とても良い山でした
確かにアップダウンがきつかったのですが、それを上回る充実感のある山行きでした。
あの美しい森は、junjapaさんの奥茶臼の歴史読んで、まだ最近整備されたコースだったのだと納得しました
このまま、マニア好みの静かな山でいて欲しいなと思います
どうもどうも初めまして!返信が遅くなりました。
マニア好みとのことですが、ほんとそうですね!
縦走路は乱れておらず、ときどきは、草の上を歩く場所がありましたが、そのような縦走路であってほしいと思います。頑張って登り続けてください。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する