月山・蔵王山【日本百名山】


- GPS
- 06:20
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 988m
- 下り
- 989m
コースタイム
- 山行
- 3:14
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 3:35
- 山行
- 2:03
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 2:45
初日、月山登山のルートは8合目にある月山レストハウス横の「羽黒山口」からスタートし、「弥陀ヶ原」を通り山頂の「月山神社」を目指す。コースタイム片道3時間の初心者向けコースだ。
月山下山後に蔵王に移動し、温泉付きホテルで一泊。翌朝、ホテル前のロープウェイから登山口に向かう予定だ。山頂の火山湖「御釜」には小学生の時、英語の習い事のキャンプで登頂したが、いかんせん大昔のこと。20年前を振り返りながら改めて登る。
天候 | 初日の月山は小雨、2日目の蔵王は好天。 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 本山行の詳細はブログでイラスト付きでご覧いただけます。 http://takaman.teketen.daa.jp/?eid=26 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
コンパス
ヘッドランプ
日焼け止め
携帯
サングラス
カメラ
|
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感想
初日/2017年8月26日
海岸線沿いの国道7号線を走る。途中、鳥海山や酒田・鶴岡を通り内陸部に入る。
早朝5時に秋田市内を出発した時は晴れ間が見えていたが、道中通り過ぎた「鳥海山」の山頂は雲に隠れていた。8時半頃、月山ビジターセンターを過ぎる。駐車場まで車で登って行く内に陽は隠れ、徐々に辺りにガスが立ち込めてくる。
駐車場に着き車を降りる。風が強く、靄が目の前を勢いよく流れていく。
9時5分、羽黒山口を出発する。
まずは緩やかな湿原を登る。弥陀ヶ原を過ぎた辺りで雨が降り出した。
狭い登山道に雨水が流れ込んでくる。飛び石伝いに水溜りを越えていく。
足元はガレて歩きにくいものの、北アと比べたら登山道自体は至って平易だ。
様々な服装の登山客を見かける。中にはコンビニに行くような格好の人もいる。
お子さん連れのファミリーも多い。
9合目の「仏生池小屋」を過ぎると、徐々に植物の背は低くなり、風に曝されるようになる。
しかし、上昇気流に背中を押してもらい距離を稼ぐ。
「行者返し」と呼ばれる岩場を過ぎ、頂上への最終アプローチが始まる。木道を歩いてる途中、暴風に煽られ道から落ちそうになった。
11時前、スタートから2時間で山頂の神社に着く。
週末という事もあり、多くの登山客がいる。月山神社では拝観料500円が必要だ。
「登頂するのに金取んのか?」と思い、引き返す。
私の信仰の対象はあくまで自然だ。
近くの岩に腰掛け、昼食のサンドイッチを頬張る。
縦走登山もいいが、こういう緩い感じの山での過ごし方も悪くない。
下山中に空が晴れてきて、下界が姿を現す。
御田原参篭所を過ぎ、弥陀ヶ原周回コースを歩き登山口を目指す。初日のゴールはもう間近。
辺りに陽が差す。風が吹き草がなびく…「あぁ、いい雰囲気だ」
12時40分、羽黒山登山口に帰着。本日の行程約3時間半が終了。
レストハウスでは山形名物の「玉こんにゃく」を食べた。
醤油だしが染み込み、美味い。そして懐かしい味だ。
この後車で3時間走り、蔵王のホテルにチェックインする。
まずは温泉。源泉掛け流しの大浴場で汗を流す。
夕食は創作料理のコースディナー。鮎の唐揚げと山形牛が美味だった。
テレビでは24時間テレビが流れていた。
一昔前まで夏の風物詩だった番組を観ても、今では茶番のようにしか感じない。
何となく観ていたが、一日を振り返っている内にいつの間にか眠りに落ちていた。
2日目/8月27日
起床後、朝食前に風呂に入る。
朝食はバイキング。今日も山を歩く。栄養バランスを意識しつつ、しっかり食べる。
チェックアウト後、ロープウェイのりばへ向かう。ロープウェイで地蔵山山頂駅まで一気に標高を上げる。
それから本日のメインイベント「御釜」を目指すのだ。
9時45分、抜けるような青空の下、ロープウェイ駅から山行開始。
まず木道をつたい、「地蔵山」に登る藪の小道に向かう。
20年前ここにきた時、どの登山道からお釜を目指したのかは記憶が曖昧なのだが、何となく見覚えのある景観に懐かしさを感じる。
地蔵山山頂からは「熊野岳」に向けて一度降下した後、140m一気に登る。
足元の石段を軽やかに下っていく。そこからトレースを外れ、岩場に点々とペイントされたルートマーカーを追いながら登り返す。
10時20分、熊野岳に到着。山頂には祠があり、登山客が物凄く多い。蔵王山の主峰で一休みする。
熊野岳から暫く歩くと下り坂になり、外輪山が見えてくる。その先に「御釜」が見えてきた。
美しい。
見事な自然美としかいいようがない。
なぜか分からないが、昔見た記憶よりスケールが大きいような気がする。
湖自体のイメージは変わらないが、思ったより火口が広く遠い感じだ。
これを私はこう解釈した。
小学生の時より、自然や地形から読み取れる情報が多くなり、視覚情報の解像度が上がったのだと。
過去の記憶は曖昧でぼやけている。
今見たものとは鮮明さが違う。だがそこに趣があり、味わいが出ることもある。
後年、改めてこの場所を見たらどう感じるだろうか?老眼で解像度が落ちてそうだ。
外輪に沿って「刈田岳」を目指す。目は御釜の美しさに釘付けだ。
刈田岳に近づくほど人は増えてくる。山頂付近の分岐から、ツアーガイドが団体客を引き連れてきた。この場所には道路が繋がっていて、車で直接山頂付近まで登ってくることができる。美麗で雄大な山岳風景の中にいたつもりが、突如観光地の雑踏に放り込まれた気分だ。
スタートから1時間15分で刈田岳に登頂。
お昼ご飯のシーフードヌードルを食べるために、人で溢れかえる山頂から離れ、御釜を見下ろせる場所に腰掛ける。朝ホテルでサーモスに入れてきたお湯を注ぎ入れる。
3分待てなくなり、フタ取ってシーフードヌードルを食べ始める。
ぬる目のお湯を使い、2分半で作ったヌードル。山頂の寒さ、容器から立ち上る湯気。
鼻をすすりながらちょっと芯の残った麺を啜り、余すことなくスープを飲み干す…
目の前の御釜が、小学校低学年の時の光景と重なる。
あの時もたくさん歩いた後、こうして火口湖を見下ろしお昼ご飯の弁当を食べていた。
弁当の包装が飛ばされそうな程、風が強かったと思う。
何故英語の習い事でキャンプをしていたのか…いや、ひいて言えば、何故英語の習い事をしていたのかも今となっては分からない。どちらも誰かにやらされていたものだからだ。
だが、全ては今の自分を形成する一部となっていた。
山に魅せられ、英語が話せるようになりたくて海外に行った。
大人になった自分が、今度は自分で選び取ったのだ。
御釜の外縁…
過去と現在が交錯する。
ロープウェイ駅への帰り道。
刈田岳を離れると、周り観光客は登山客へと変わった。老若男女沢山の人とすれ違う。
今回の山行を通して思った事だが、山形の子供はこちらが挨拶をするとしっかり返してくれる。これは海外でもそうなのだが、こちらが挨拶しても、にこやかに挨拶を返してくれる親御さんとは対照的に子供は仏頂面な事が多い。
そんな中、この2日間で出会った子たちには感心させられた。
ロープウェイ駅まで帰ってきた。
時刻は12時半。山行時間は2時間45分と短かったが、十分楽しんだ。
駅の入り口近くに開運の鐘がある。
過去と現在を繋げた今回の山旅。
その締めくくりに開運の鐘を打つ・・・未来に向けて。
鐘の音が出羽の空に響く。
2017年10月現在…私の運気はまだ開かれていない。
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