「天城山心中」慰霊登山と 寒天歩道

2017年12月02日(土) [日帰り]

• GPS: 04:15
• 距離: 6.9km
• 登り: 570m
• 下り: 568m

コースタイム

08：20　水生地下駐車場⇒　08：35　旧天城山隧道⇒　
08：55　天城峠⇒　09：20　ボウチョウノ峰⇒　
09：30　向峠　10：00⇒　寒天歩道⇒
10：50　お礼杉⇒　11：15　昼食　11：45⇒　
11：50　寒天橋⇒　旧下田街道⇒12：10　旧天城山隧道⇒　
12：35　水生地下駐車場

天候

曇り時々晴れ

アクセス

利用交通機関：

自家用車

伊豆市内国道414号線（下田街道）を天城峠に向け南進
道の駅「天城越え」を過ぎ天城大橋手前の駐車場に車を置きました。

コース状況／危険箇所等

　天城大橋の車道を進み新天城トンネルの横から山道に入り旧天城山隧道に向かいました。
　旧天城山隧道横から再び山道に入り天城峠に登って行きました。
　天城峠から天城山縦走路に入り等高線に沿うように平坦な道を進み、
天城山縦走路崩壊地手前から道標に従い尾根に登りボウチョウノ峰に着きました。
　北側の展望が開け天気が良い日には富士山が見えますが今日は雲の中に隠れていました。
　尾根が細くなり下がっていくと再び天城山縦走路に合流しました。
　間もなく向峠の道標が現れ今回の山行の目的だった、60年前旧満州国皇帝溥儀氏の姪 愛新覚羅慧生さんと大久保武道さんが山中で拳銃でお互いのこめかみを撃ち心中した「天城山心中」の現場を探しました。
　ヒメシャラの根元に「愛新覚羅慧生 大久保武道この地に眠る われ御身を愛す」と書かれた小さな看板が立ち御影石が埋めてあり献花用の
古びた竹筒がありました。
　発見時二人の爪と頭髪が白い紙に包まれ落ち葉の下に置いてあったようです。
　手を合わせ向峠に戻りました。
　初めて入る寒天歩道に進みモミの大木と広葉樹の混合林を通り寒天車道に下がりました。
　天城の自然そのままが残っている樹林帯で感激しました。
　道標などは皆無で不安でしたが赤ペンキ印を目印に進みました。
　お礼杉の大木を散策して寒天車道を寒天橋に向け下がり旧下田街道を
伊豆市湯ヶ島方面に向かい、旧天城山隧道を通過し水生地下駐車場に戻りました。　

写真

12/2 8:37

国道414号線（下田街道）新天城トンネル手前水生地下駐車場。

12/2 8:37

水生地下駐車場横からの旧道。

12/2 8:38

天城大橋の下の山葵沢。

12/2 8:39

天城大橋から冬枯れの天城峠方面の尾根。

12/2 8:41

新天城トンネル横から山道に入りました。

12/2 8:42

新天城トンネル横の道標。

12/2 8:50

水生地下駐車場横からの旧道を上ってくる旧天城山隧道手前。

12/2 8:51

旧天城山隧道
愛新覚羅慧生さんと大久保武道さんはここでタクシーから降りました。
師走の日はすでに落ち薄暗い状態だったようです

12/2 8:51

懐中電灯を持った二人は旧天城山隧道横から暗い山道に入って行ったようです。

12/2 8:54

天城峠に向かう登山道。

12/2 9:01

針葉樹林に入ると空が見えず闇夜状態と想像します。

12/2 9:03

天城峠手前付近
慧生さんは登山道に沿って学習院のサークルチラシをちぎって行き目印を残して行ったようです。

12/2 9:09

天城峠
伊豆山稜線歩道起終天になっていて西に進むと仁科峠方面に続いています。
東に進むと天城山縦走路になり八丁池方面に続いています。

12/2 9:09

天城峠に登った二人は暗闇の中を八丁池方面に向かいました。

12/2 9:18

平坦な道が続く天城山縦走路。

12/2 9:18

まだ紅葉が残っていました。

12/2 9:19

この先縦走路崩壊のため尾根に登るルートに変更されています。

12/2 9:26

紅葉の時季が過ぎた冬枯れの尾根。

12/2 9:27

ヒメシャラの古木。

12/2 9:30

ボウチョウノ峰 標高943m付近の道標。

12/2 9:33

針葉樹の枯れ木。

12/2 9:39

水色と黄色の天城山縦走路の目印。
新しく更新されていました。
尾根が細くなり始めました。

12/2 9:42

天城山縦走路に合流付近のブナ。

12/2 9:42

天城山縦走路に合流しました。

12/2 9:43

天城山縦走路
60年前の12月4日は月が出ていたのでしょうか？
山道は平坦な道とは言え暗い寂しい道だったと想像しました。
夜は気温が下がり想像以上に寒さが厳しかったと思います。

12/2 9:44

天城山縦走路

12/2 9:44

向峠　標高900m分岐になっています。

12/2 9:45

向峠の道標。

12/2 9:46

向峠から100m程進みました。

12/2 10:04

近くにあったシキビを古びた竹筒に飾り手を合わせ二人の冥福を祈りました。

12/2 10:04

周囲のなだらかな斜面のヒメシャラ。

12/2 10:05

慰霊登山を終わり戻りました。

12/2 10:11

向峠付近のブナ。

12/2 10:12

向峠の昔の道標。
右手側の寒天歩道に入りました。

12/2 10:14

初めて入る道なので不安がありました。
赤いペンキ目印をたどり迷ったら戻るつもりで進みました。

12/2 10:20

人工林内の黄葉。

12/2 10:24

大きな岩が現れ寒天火山標高953mの南側を巻いて道が付けられていました。

12/2 10:25

寒天モミ群落の広葉樹との混合林。

12/2 10:28

南向きの急斜面に天を突くように伸びるモミの大木。

12/2 10:30

黄葉がきれいでした。

12/2 10:34

モミの枝ぶり。

12/2 10:36

我慢しきれず歩道からよじ登り散策。

12/2 10:37

朽ち果てたモミの株。

12/2 10:38

晩秋に緑色が映える。

12/2 10:38

モミの枝ぶりと黄葉。

12/2 10:39

歩道に戻りました。

12/2 10:43

黄葉を見上げる。

12/2 10:46

誰も来ない静かな晩秋。

12/2 10:46

黄色がまばゆい。

12/2 10:48

森林管理署の看板。

12/2 10:49

緑色。

12/2 10:50

黄色。

12/2 10:52

この沢伝いに下がりました。

12/2 10:54

少しふめいりょうな道になりました。

12/2 10:56

放置された山葵沢。

12/2 11:01

ミツマタの蕾。

12/2 11:03

寒天車道に下がりました。

12/2 11:03

寒天歩道道標。

12/2 11:06

お礼杉
徳川幕府は天城の木を伐採するのを禁じていましたが村人が許可を得て燃料などに使うため木を切った後御礼に植林した杉の木

12/2 11:06

お礼杉。

12/2 11:06

見上げる。

12/2 11:08

枝ぶり。

12/2 11:08

炭窯の跡。

12/2 11:11

寒天車道からのお礼杉。

12/2 11:13

人工林。

12/2 11:13

寒天車道。

12/2 11:14

人工林の中に三つ叉の群生地。

12/2 11:19

沢の黄葉。

12/2 11:19

清らかな沢水。

12/2 11:20

さわすじは黄葉の見頃でした。

12/2 11:21

見上げる。

12/2 11:25

火山の地層。

12/2 11:25

人工林の中の寒天車道。

12/2 11:29

沢に浮かぶ落ち葉。

12/2 11:53

紅葉に染まる寒天車道。

12/2 11:57

スラブ状の岩床の滑沢。

12/2 11:57

吸い込まれる沢水。

12/2 11:59

滑沢。

12/2 11:59

滑沢。

12/2 12:01

寒天橋に出ました。

12/2 12:05

少し河津側に寄り道して二階滝。

12/2 12:14

下田街道旧道を旧天城山隧道に向け進みました。

12/2 12:21

下田街道旧道道下の紅葉。

12/2 12:25

旧天城山隧道河津側

12/2 12:29

旧天城山隧道より河津側を振り向く。

12/2 12:29

旧天城山隧道河津側の紅葉。

12/2 12:35

旧天城山隧道伊豆市湯ヶ島側。

12/2 12:37

旧天城山隧道より山道を下がりました。

12/2 12:43

新天城トンネル上より国道414号線。

12/2 12:46

天城大橋を渡り水生地下駐車場に戻りました。

12/2 17:49

地方紙の記事を見て60年前の出来事をたどりました。

12/2 17:50

紙面の地図を参考にしました。

12/2 17:52

愛新覚羅慧生さん
旧満州国皇帝 溥儀様の弟 溥傑様と嵯峨家 浩様の長女。
当時19歳学習院大学生。

撮影機器：

サイバーショット DSC-HX10V SONY

感想

yosi-yama

　地元地方紙に掲載された「天城山心中から60年」という記事を見て若い二人がタクシーから降りた旧天城山隧道から足どりをたどって現場を訪れたいと思い、慰霊を兼ね今回の山行の目的にしました。
　以前から伝え聞いた不確定な情報を参考に天城山縦走路を通るたびに太いヒメシャラの木を見つけては探し回りましたがたどりつけませんでした。
　現場は何回も通った天城山縦走路のすぐ脇にありました。
　少し小高くなった地形の奥だったため縦走路からは目線が届かず、見通しが良い周囲の斜面のヒメシャラに目が行き見落としていたようです。
　ヒメシャラの根元に落ち葉の下に隠れるように四角い御影石が地表すれすれに埋設されていて、遺族からの願いからか天城の自然を汚さない配慮がつたわってきました。
　いつの日か落ち葉に覆われやがて土に埋もれて終うと思うと悲しさが増し涙を誘われました。
　標高を下げた河津川の谷筋の紅葉は見頃で、軽いハイキングコースの
山行計画に加えても良さそうなルートでした。
　国道414号線に出るとひっきりなしに車が行き交い、晩秋の紅葉と天城の天然林の静かな山旅から一気に騒音の現代に戻って終いました。