空木岳（2400m付近で敗退）
orochi
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.0km
- 登り
- 1,631m
- 下り
- 1,612m
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菅の台バスセンター7:45―9:10林道終点9:20―10:15池山小屋10:25―11:20マセナギ11:30―13:20小地獄トラバース開始点13:30―（複数回の懸垂トラバース及び2282mから南南東に派生する尾根の偵察）―16:00尾根上―16:10幕営地（標高2330m付近）
1月2日（火）
幕営地7:10―7:30標高2380m(?)付近―7:45幕営地8:05―（複数回懸垂下降）―9:10 2282m 9:20―（複数回懸垂下降）―11:05往路のトラバース開始地点11:15―12:00 2080mピョコ12:15―12:45池山小屋12:55―13:30林道終点13:40―14:25菅の台バスセンター
| 天候 | 1月1日：晴れのち曇り 1月2日：晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年01月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
※前日雨だったため、朝の時点で駐車場周辺は若干凍結あり。また、標高1360mの林道終点まで車で入ることも不可能ではないと思うが、細い雪道を延々走ることになるため、菅の台バスセンターに停めるのが確実と考えられる。今回、林道終点に至る轍は無かった。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
小地獄周辺が核心部。 ・夏道沿いに滑落危険斜面を延々トラバース ・尾根沿いに急傾斜のルンゼと岩稜を辿る の2パターンの通過方法がある。 今回、往路は前者、復路は後者のルートを選択した。詳細は1枚目の写真と本文に掲載。 また、大地獄周辺は今回は雪が少なかったのでそれほど難しくはなかったが、積雪が増え鎖や階段が埋まると難易度が増すと思われる。 |
写真
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冬山としてはかつてない斜度、ビビってきました！！
感想
まだヤマレコを始める前、厳冬期の空木岳に一度トライしたことがありますが、小地獄のルンゼで敢え無く敗退でした。一方、その後の記録等を読み、仮に小地獄を直登できなくても、ザイルがあれば夏道のトラバース道の通過が可能なのではないかと思い始めました。
前回は何も確保道具を持ってきませんでしたが、今回は30mザイルと確保用具少々を携え、空木に再チャレンジすることとしました。
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1月1日（月）
前日雨が降ったこともあり、朝の菅の台駐車場周辺は若干凍結している。
ノーマルタイヤで来られるギリギリの線だろう。
頭上は快晴だが、中央アルプスの主稜線には少しガスがかかっているようだ。
しばらくは駒ケ根高原スキー場に沿って登っていく。営業時間前のスキー場のスピーカーからは、お正月っぽい音楽が流れている。そういえば今日は元日か。
樹林帯は北面だが、時折木々の隙間から力強い太陽が顔を覗かせる。
林道が登山道を3回横切ると、そこが林道の終点。林道終点は展望台になっており、朝霞越しに駒ヶ根市街地と南アルプスが望まれる。
風もなく長閑。
林道終点からは池山小屋に向け、緩傾斜の登山道を辿る。
途中で（単独含め）3パーティほどに会う。最初の方には聞き忘れたが、後の2パーティはいずれも小地獄手前で敗退との事。
池山小屋の水場は凍結しておらず、ちょろちょろと水流が音を立てている。
ここでアイゼン装着。
前回は忠実に尾根を辿ったが、今回はトレースがあったので、北西面をトラバースし、マセナギを目指す。
標高2000m付近から段々と尾根が細くなり、2080mピョコを越すと大地獄への登りに入る。風はあまり無く、まだ日差しもあるが、遠くに見える尾根の上部は、ガスに隠されている。
大地獄はまだ鎖や階段が出ており、慎重に行けば特段問題となるような箇所はない。
ただし下部が切れている箇所は、念の為鎖にセルフビレイをとって登った。今後積雪が増えると、難易度は上がるだろう。
さて、大地獄を過ぎるといよいよ小地獄の始まりである。
ここで、避難小屋まで行って下山されてきた方とすれ違う。行きは良かったが、帰りは積雪が増え、トラバースが大変だったとの事。
自分も、今回はトレースがあるので夏道のトラバース道に沿って進むことにするが、状況を見つつ、無理そうなら引き返すことを考える。
・・・と思ったら、最初のルンゼ状のトラバースがいきなり急で、雪も脆くて不安なため、早速ザイルを準備。懸垂の要領でザイルを立木にセットし、プルージックで簡易的に確保して進んでいく。
正直、ピッケルも持ちながらザイルも掴みながらでは進みにくく時間がかかるが、かといって進めないことはないので、確実性重視ということで、同様の斜面が出てきたら同じように対応して進んでいくことにする。
・・・が、小地獄のトラバースは、地形図で見ると2282mから南南東に派生する尾根までが核心でその先は徐々に尾根に乗り上げる感じだが、実際のトラバース道はより標高の低い場所に付けられていたため、予想以上に通過に時間を要した。
また、2282mから南南東に派生する尾根とクロスする地点でダイレクトに登れないか試みたが、20mほど登ると岩が出てきて通過が困難そうだったため、諦めて小地獄のトラバースを続けた。
そんなこんなで日の入りまで1時間を切る時間となってようやく、尾根に到着。
少し進んだところで平らな部分を見つけ、テントを張る。
その後、さらに別の方が尾根に到着され、やはり日の入りが近いため近くにツェルトを設営。
さて、やっと一息つこうとすると、先ほど取り出したはずのヘッドランプが見当たらない！げげっ！！
周辺を探してみるも落ちておらず、テント内でも見つからないため、覚悟を決めて今夜はコンロの明りのみを頼りに過ごすことにする。
しかし、飯を作っても全く色が見えず、味も半減（した気がした）
夜は満月で、月明りのみでトイレに行けたのが幸いだった。
1月2日（火）
夜は強風で絶えずテントが揺れ、あまり良く眠れなかった。
とりあえずラーメンを食べ、行動中に飲むための紅茶を作る。
基本的に今日中に下山する予定なので、昨日小地獄の通過にかかった時間と山頂までの距離等を考えると、ピークにたどり着かないことは明らか。まぁ、とりあえず景色の良さそうなところまで行って、写真だけでも撮って引き返すことにする。
テントを撤収していると、ザックのそこからヘッドランプ出現。出てくるの遅・・・
風は強いが天気は良く、時間が十分にあるならピークを狙える条件なのが悔しい。
テント場をあとにして、少し尾根を進んでみる。埋もれたトレースがあり、あまりラッセルしなくて良さそうだ。
今日は、ちょっとだけ進んだところにあった露岩で引き返すことにする。駒ヶ根の市街地が良く見えた。
さて、昨日のトラバースがひやひやものだったことと、ザイルを持っているので懸垂下降可能なことから、帰りは2282ピョコからダイレクトに降りるルートを選択する。
赤テープのある尾根上を辿り、2282ピョコの一つ手前のピョコ（標高2300m地点）へ。地形図上ではそのまま2282ピョコまで簡単に行けそうだが、意外と斜度があったので、2300m地点から試しに部分的に懸垂。
東側のルンゼは岩が出て完全に切れている。
さて、2282ピョコから本格的に懸垂を開始するが、「マジかよ」というくらい斜度があり、正直怖い。下がどうなってるか見えないし。。。
まあ、木は結構ありそうだったので、小尾根に沿って慎重に懸垂を開始。左右はどちらもルンゼだが、ブッシュが多く見通しが効かない。おそらくここを登る場合は南側（上から見て右側）のルンゼ状を何とか登ることになるのだろう。
3回目くらいの懸垂で、上からぶら下がっているピッケルを発見。何をどうやったらこういう状態になるんだ・・・しかもここでピッケルを無くすのはかなり危険な気がするが・・・
回収もできないのでそのまま懸垂を続けると、最後は露岩となり、痩せ尾根に向かって空中懸垂。無理やり感がある。
さらに、ピンクテープに従って急な小尾根を懸垂で下降し、左手に見えるルンゼを下降、最後は振り子トラバースの要領で一本北側の小尾根に渡る。ここの懸垂の際、カラビナの環が何故か開かなくなり焦る。（家に帰っても開かなかったので、凍結が原因ではない模様。）
とりあえず、ザイルをカラビナから引き抜き、1本持ってきていた予備のスリングとビナで対処。
そして、引き続き、尾根を下降するとようやく昨日のトラバース開始地点発見！最後も懸垂で下降し無事に着地。（ここを登る場合は、やや南側から巻き気味に登ることになると思われる）
久々の平らな場所で休憩。
すると、昨日ツェルトを近くに張られていた方も、トラバース道を経て到着。やはり時間切れで引き返されたとのこと。
（この方とは、この後何回か休憩の際などにお会いし、普段の山行の事などを話した。）
とにかく、ここまでくれば一安心。
大地獄、2080ピークなどを順調に越えていく。
天気はさらに良くなり、鳥のさえずりも聞こえ、さっきの緊迫感が嘘のようだ。宝剣岳や南アルプスも良く見え、写真をあちこちで撮りながら下っていく。
池山小屋からは雪も少なくなり、地面が露出している箇所も出てくる。暑く感じるほど。
林道終点の建物の裏手から、往路では気付かなかったショートカットルートが伸びており、帰りはこちらを使用。
あとは特筆すべきことはなく、だらだらと下って（結局、今日は先ほどの方以外人に会わなかった）、菅の台バスセンターへ戻った。
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ピークは踏めませんでしたが、小地獄を通過でき、充実した山行となりました。
また、核心部の全体像がある程度分かったということも個人的には成果でした。
一方、ヘッドランプを一時的に紛失したのは反省点です（基本中の基本で、気を付けるしかありませんが…）
また、カラビナの環が開かなくなるなど不測の事態も考慮し、確保用具はやや多めに持っていくようにしたいと思います。
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