初の中央アルプス雪山登山


- GPS
- --:--
- 距離
- 3.5km
- 登り
- 402m
- 下り
- 403m
コースタイム
10:05[乗越浄土] 〜 10:30[中岳](敗退)
11:00[中岳] 〜 12:00[和合山](小休憩)
12:05[和合山] 〜 12:20[乗越浄土] 〜 12:50[千畳敷駅]
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
八王子IC 〜 駒ヶ根IC 〜 菅の台バスセンター 【バス】 菅の台バスセンター 〜 しらび平 【ロープウェイ】 しらび平 〜 千畳敷駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 千畳敷駅にあり 【危険箇所・必要装備】 雪山登山のため、ピッケル、10本爪アイゼンが必要。 補導員の話 以前、4本爪で登った年配の方が、下山出来なくなったことあり。 アイゼンは、最低10本爪が必要と思われる。 宝剣岳へは、積雪が多いため、ザイルが必須であった。 アイゼン、ピッケルだけでは登ることができない。 さらに、木曽谷から吹き上げる風は、台風より強く感じる風であった。 某日本の名峰では、世界有数の強風地帯と解説されていたのも頷けるほどであった。 |
写真
感想
2011/05/04
初の中央アルプス雪山登山
今回の登山は、アイゼン(10本爪)、ピッケルも必須。
いつもより荷物も多めに持って行くため、準備に時間が掛かってしまった。
午前12時過ぎに八王子ICに乗り、駒ヶ根ICへ。
午前2時半には、駒ヶ根ICに到着。
駒ヶ根IC近くのコンビニで必要な小物、食料を買い込み、菅の台バスセンターで6時まで仮眠を取る。
午前5時半、周りの車が動き出し始める。
スキーするために来た人、観光するために来た人。
自分と同じ目的である雪山登山の準備をしている人。
少し、予定より早いが、自分も準備を始める。
初めての中央アルプスでの雪山登山のため、慎重になり、全ての準備を終えたのが7時過ぎになってしまった。
7時過ぎにバスに乗り、8時のロープウェイで日本最高所駅、「千畳敷」へ。
少し、風は強いが、コンディションはとても良い。
何度も来ている場所ではあるが、来るたびに感動してしまう。
初めて、銀世界の「千畳敷カール」を踏む。
広いカールの銀世界に囲まれ、青い青空の中を歩くのは、なんと贅沢なんだろう。
「八丁坂」に差し掛かる、この時点で、もう息は切れ欠けている(笑
体力の無さを実感するも、「八丁坂」を登り始める。
見上げれば、急角度の坂であり、そこを何人もの人が歩いている。
雲の動きが激しく、雪面に雲の影が動いているのが、よく分かる。
しかも速い・・・ということは、上空は更に風が強いことになる。
当然といえば、当然なのだが、どのくらいの強さなのか想像がつかない。
とりあえず、稜線に上がるために一歩一歩、確実に登る。
「八丁坂」の約3/10上がった所で、下山する年配夫婦に出くわす。
この夫婦は、山荘で一泊したそうだ。
しばらく談笑し、最後に
「稜線に出ると、更に風が強くなるから、気をつけるように。」
と警告してくれた。ありがたいことだ。
俄然、身を引き締め、一歩一歩登っていく。
「八丁坂」の半分来た所で、ちょっとした攻撃を受けることになる。雪玉だ。
自分より、上を歩いている人から落ちてくる雪玉である。
野球ボールほどの玉であるため、ピッケルなどを使って防いでいたので問題は無かった。
ただ、これがバレーボール以上の大きさだったらと思うと、ゾッとする。
「八丁坂」残りわずかと言うところで、傾斜が更に厳しくなる。
ゆっくり登っても、息が苦しいのが分かる。
でも、不思議と辛くはない。
上を見上げれば抜けるような青い空、稜線から湧き出てくるような雲。
10時少し前、「乗越浄土」に着く。
今回の雪山登山では、ここまで来れれば上出来と考えていたが、
やはり中央アルプスを歩くのなら、主峰の「木曽駒ヶ岳」まで目指したいと思い始める。
「乗越浄土」に着いて少し休憩を入れ、まずは天狗岩※を目指し始める。
※天狗岩というのは、人の横顔に見える大きな岩がある。それが天狗岩である。
風は、強くはなったが、まだまだ歩くに支障のないくらいの強さであった。
途中、山荘があるが、2組ほどテントを張っているのが、確認できた。
天狗岩に着き、写真、動画撮影をしていると、山が牙をむき始める。
台風並、もしくはそれ以上ともいえる風が吹いてくる。
天狗岩の方は谷になっており、谷から風が吹き上げて来て、雪をまき散らす。
まき散らされた雪は、キラキラと光り、ダイヤモンドダストみたいで綺麗であるが、
命の危険もあるので、そうも言っていられない。
ゆっくりと谷から離れるが、風の勢いは変わらない。
ちなみに、どのくらいの風の強さかというと・・・自分の身体を風上に倒しても、風が支えてくれる強さである。
中央アルプスには、千畳敷カールの象徴的とも言える岩山がある。
その岩山の名前を「宝剣岳」と言い、その近くまで行ってみようと思ったのだが、
この風では、危険と判断し、断念する。
次に向かうは、「中岳」、「木曽駒ヶ岳」
いきなりの強風に、少し恐怖を感じたが、だんだんと慣れ始め、
改めて、この雪山、青い空の下、稜線歩きを出来る喜びが込み上げてくる。
途中、何人かの人とすれ違い、お互いの無事を祈るための挨拶をかわす。
下界では、このような事はないが、山ではこのように気軽に挨拶できる雰囲気がある。
自分は、この雰囲気がとても好きだ。
「中岳」に向かい、歩いている途中、足に違和感を感じ始める。
特に痛むわけではない。
ただ、下山する時に、傾斜である「八丁坂」を降りなくてはいけないことを考えると、「このまま無理をしないほうが良いのではないか?」と考える。
木曽駒まで行くか、ここで戻るか・・・頭の中で悩んだ結果、「中岳」で敗退することに決めた。
元々、「「乗越浄土」まで来れれば上出来!」という目標であったし、何より、「また来ればいいじゃん。」
というのもあり、敗退を決めた。
「中岳」で、しばし休憩。
雪山でカップヌードルを・・・と思いガスを探すが、ガスが見当たらない!
ザックを探すが見つからない・・・「あ〜、助手席に置いてきた!」と騒ぐ自分。
カップヌードルを泣く泣く諦めることにしたorz
仕方なくカロリーメイトを食べ、雪の上にゴロンとなって、空を見上げたり、しばらく「中岳」から眺める景色を堪能した。
相変わらず風は強いが、「中岳」には大きな岩があり、その岩が風よけになってくれる。
風の音は凄いが、自分の寝転んでいる場所は穏やかである。
しばらくすると、二人のオッチャンが、ボードを担いで、登ってきた。
挨拶を交わす。
聞けば、よくここに登り、スノボを楽しんでいるそうだ。
かなり年配の方なのに元気だな〜と思った。
自分もオッチャン達くらいの歳になっても、「元気でいたい!」そう思えるような二人であった。
しばらく談笑し、二人のオッチャンに別れを告げ、下山を始める。
「中岳」より下山を始める。
風は強いが、完全に慣れたこともあり、歩くのに支障は全く無くなった。
敗退を決め、「木曽駒ヶ岳」まで行かなくなったので、散歩がてらに「宝剣岳」付近まで歩いてみようと思う。
「宝剣岳」入り口付近に1人のオッチャンがいた。
聞けばこのオッチャンは、補導員という人であり、登山者が安全に登れるかの監視をしていると言う。
近くに雪洞を掘り、天候が厳しい時には、雪洞で過ごすそうだ。
全く、大変な任務である。
でも、このような人達がいるからこそ、自分達が安全に登れることを忘れてはならない。
このオッチャンと、しばらく談笑していた。
色々な、山での話しを聞かせてもらい、とても楽しかった。
オッチャンは、中央アルプスで働いているということなので、「また、中央アルプスで会いたいね」と言ってくれ、再会を願って、オッチャンと別れた。
このまま下山しようと思ったのだが、オッチャンが「伊那前岳の方まで行ってみなよ」
と言うのもあり、伊那前岳方面へ歩く。
伊那前岳方面は、ゆったり歩ける場所なので、散歩がてらに歩く。
ゆったりした場所ではあるが、ところどころに雪庇があるので、歩くのには充分注意しなくてはならない。
この雪庇という言葉は、登山しない人にとっては、あまり聞かない言葉であると思う。
通常、足場のある所に雪は積もるが、山では風が強いため、足場の無い所にまで、雪が積もってしまう。それが雪庇である。
その雪庇の上をうっかり歩こうものなら、足場が無いため、滑落してしまう。
なので、雪山登山では、雪庇に注意して歩かなくてはならない。
途中のピークに差し掛かる。
「ここまで、来れれば充分かな」と思い、このピークで休憩する。
ここでも、写真を何枚か撮影する。
しばらくすると、自分と同い年くらいの兄ちゃんが来て、挨拶を交わす。
自分と同じ単独行の人がいると、なんか勇気をもらえる気がする。
さぁ、あとは下山するだけ・・・
下山する時は、急斜面の「八丁坂」を通らなくてはならない。
登る時も急斜面だと感じたが、下る時は更に角度が厳しいように思える。
慎重に降りなくては、下まで滑ってしまうだろう。
自分同様、他の登山者も慎重に降りていく。
けど、その厳しい急斜面を軽快に降りていく登山者もいる。
しかも、かなり高齢の人だから驚きだ。
途中、足に痛みが出てくる。新しい靴での登山であるため、靴ずれを起こしているのだろう。
次の瞬間、気が緩んでしまい、滑ってしまい、あっという間に20mは流される。
最初は、少しパニックになったが、ピッケルを使い、なんとか滑落停止が出来た。
ピッケルの使い方は、嫌というほど確認していたのが良かったのかもしれない。
良い実戦訓練となったが、この場所だったのが救いである。
最後は、ゆっくりと歩いて千畳敷カールに出る。
ここまで来れば、もう安心だ。
無事に戻ってくることが出来た安心感と、雪山登山が出来た充実感の2つが、同時に込み上げてきた。
本当に良い経験ができ、素晴らしい景色を眺めることができた。
素晴らしい景色を写真には残しておいたが、やはり実際の景色をまた眺めに来たいと思う。
下山後、本雪山登山の最大の反省点に気づく・・・
日焼け止めクリームを塗るのを忘れてしまったorz
翌日、顔は痛いわ、顔にサングラスの跡が出来るわ(T _ T
良い経験となりました(泣
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する